アルフィーに「発禁」になったシングルがあるのをご存知ですか?
1974年のデビュー以来、現在も破竹の勢いで活躍している長寿グループ「アルフィー」。ミドルエッジ世代としては80年代前半の「メリーアン」「星空のディスタンス」などで有名ですが、そのブレイク以前に、発売中止を余儀なくされたシングルがあるのをご存知でしょうか?この記事では、発売中止によって幻となったシングル「府中捕物控」について書いてみたいと思います。
そもそもデビュー当時のアルフィーはアイドル(?)でした!
現在では3人組として認知されているアルフィーですが、デビュー当初は実は4人組のフォークグループでした。綴りも「ALFEE」ではなく「ALFIE」。純粋なフォークグループというよりは、高見沢を中心としたアイドル的な売り方をしていました。しかし売れ行きはパッとせず「4人目のアルフィー」であった三宅康夫が1975年に脱退。その後、残った3人はどうすれば売れるのかを模索したのですが…
3枚目のシングル「府中捕物控」で起死回生を図る!
アイドルフォーク路線に失敗し、どうにか起死回生を図ろうしたアルフィー。そこで彼らが選択したのは「コミックソング路線」でした。「タイムボカン」の主題歌で有名な山本正之を作詞・作曲に迎え「府中捕物控」というシングルを発表します。その内容はというと…?
「3億円事件」を風刺した内容だった!!
起死回生を狙ったシングル「府中捕物控」ですが、これは1968年に発生した「三億円事件」をパロディにした楽曲でした。そして、三億円事件の公訴時効日であった1975年12月10日を発売日として準備を進めていたのですが、発売日の前日に、当時アルフィーと契約していたビクター音楽産業から「社の良識に合わない」と判断され突然発売中止になってしまいました!
では実際に楽曲を聴いてみましょう!
こちらが当時発売中止となったレコードからと思われる音源です。曲調は山本正之の特徴が良く出ており、彼が作曲した「ヤッターマン」の主題歌などを彷彿とさせます。果たしてこれが発売されていたら、アルフィーはどんな運命を歩んでいたのだろうか?
幻のカップリング曲もあります。よろしければこちらもどうぞ!
作曲者の山本正之がセルフカバー!
「府中捕物控」ですが、アルフィー版が発売中止となり永らく日の目を見ることは無かったのですが、1994年に山本のシングル文庫シリーズとして初めてCD化されました。このCDのおかげで、初めて「府中捕物控」を聴いたアルフィーのファンも多かったと聞きます。
その後レコード会社との契約を解除、長い下積み生活へ…
「府中捕物控」が発売中止となった結果、再起を図るチャンスを逸してしまったアルフィー。当時所属していたビクターに見切りをつけ、その後4年間にわたりレコード会社に所属せず音楽活動を続けていました。活動の場は主にライブハウスで、ビクター時代には数曲に留まっていたオリジナル曲の制作も開始。以降、高見沢の作曲の才能が開花していきます。
ライブハウス時代の激レア音源「東京」。どのCDにも収録されていません!
そして、1979年になって今度はキャニオンレコードと契約。「Alfee」と改称し、シングル「ラブレター」で再デビューを果たしました。以降の活躍は、皆さんご存知の通りです。
当時の彼らの音楽を堪能したい方はこちら!
ちなみに「府中捕物控」ですが、2014年にアルフィーが40周年を迎えた際に発売された、ビクター時代の全レコーディング音源を収録したCD「青春の記憶+2」に収録されています。ビクター時代の初期の楽曲群も収録されており、当時のアルフィーを知るには絶好の1枚となっています。この機会に「メリーアン」「星空のディスタンス」だけではない、彼らの魅力を堪能してみてはいかがでしょうか?
おすすめの記事はこちら!
驚異の完成度!ダチョウ倶楽部によるアルフィーのモノマネ!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
アルフィーがデビュー当初は4人組だったってご存知ですか?存在が抹消された幻のメンバーとは? - Middle Edge(ミドルエッジ)
初期のBOØWYに在籍していたサックス奏者「深沢和明」の魅力!現在は何をやってるの? - Middle Edge(ミドルエッジ)