はじめに

夜の首都高を疾走するZ
湾岸ミッドナイトDVD第十三巻
いよいよこの長い物語も終わりを迎えようとしている。アキオの人間的魅力と「悪魔のZ」と呼ばれた車の不思議な楽しさを普通に描いた名作だったと思いう。何しろ間違いなく確信犯的なスピード違反行為を繰り返し、それを普通の事と読者に疑問を持たせなくなるという麻薬の様な作品だったように思う。
さて、それでは最後の2編をご紹介しよう。
「ユウジ編」(地上のゼロ編)
岸田 ユウジ

職場でのユウジ

ホンダ・S2000 AP2
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登場時には車自体乗っていなかった(所有していなかった)。この物語の登場人物では高木を例外とすればただ一人この男のみである。しかし地上のゼロを探し、様々な車に乗り、やっと出会えたのがHONDA S2000だった。主人公のアキオにブラックバードのポルシェ・ターボに乗れるように仕向けられた。それはまさに地上のメッサーシュミットだった。
山本 和彦

YM SPEEDのデモ車と
KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P3

スカイラインGT-R 2.6 VスペックII ニュル 4WD クーペ
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改めてのご紹介となる。このユウジ編においてもう一人のキーマンとして描かれているからでもあるが、山本自身この頃にはチューンドカー考え方を変えており、自身の会社「山本自動車」も「YM SPEED」と昔のチューナー時代に戻しているからである。この変化に、「悪魔のZ」やアキオ・レイナ・ブラックバードなどが深くかかわっていることは言うまでもない。
ユウジの異母兄であるが歳はかなり離れている。ユウジとチューンドカー「地上の戦闘機」を共に作り上げることにより、何かを伝えようとしている描写が複雑である。
その他の登場人物

アキオとブラックバードこと島 達也
KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P78

DBWについて語る富永
KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P59
このユウジ編ではいつものメンバーが顔をそろえている。特にチューナーの中でも「セッティングの富永」はDBW(ドライブ・バイ・ワイヤー)を視野に入れデータを集めている。その中で富永本人がこの電子スロットに最も適していると思われた車がHONDA S2000だった。富永自身がこの車を購入し、所有する。
「荻島編」(FDマスター編)
荻島 信二

「Z」「ブラックバード」とのバトル
KCコミック湾岸ミッドナイト第四十二巻P152
![ボディタイプ 3ドア ファストバッククーペ
エンジン 13B-REW型 654cc×2 直列2ローター
駆動方式 FR
最高出力 ・1991年-1995年
255PS/6,500rpm
・1996年-1998年
265PS/6,500rpm(MT)
255PS/6,500rpm(AT)
・1999年-2002年
280PS/6,500rpm(MT)
265PS/6,500rpm(タイプRB)
255PS/6,500rpm(AT)
最大トルク ・1991年-1998年
30kg·m/5,000rpm
・1999年-2002年
32kg·m/5,000rpm(MT)
30kg·m/5,000rpm(タイプRB)
30kg·m/5,000rpm(AT)
変速機 4速AT/5速MT
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,295mm(1型) 4,280mm(2~4型) 4,285mm(5,6型) [いずれもフロントナンバープレート取付座変更による]
全幅 1,760mm
全高 1,230mm
ホイールベース 2,425mm
車両重量 1,240 - 1,330kg](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
後期型(スピリットR)
マツダ・RX-7 - Wikipedia
雑誌の編集をしながら自らFDを操り、FDについてのコラムを自身書いていた。それだけにFDについての理解は他人とは違い、その視点もプロ並みのものを持っている。しかし雑誌の廃刊に伴い、不動産の営業をやっているがFDに対する情熱はその体の中にくすぶっていた。
吉井

荻島に語る
KCコミック湾岸ミッドナイト第四十二巻P30
神業の様な腕を持つチューナー。日本でのすることを終わらせアメリカに再度わたるときに過去、自分であつめたロータリーの資料を荻島に譲る。この資料がこの後の荻島に大きな財産となると承知しての事だった。
新見
荻島にイソギンチャクの様にくっつき歩く営業マン。やはりFDに傾倒しているがストーリー上ではさほど重要視されているわけではなかった。言ってしまえば太鼓持ちの様な存在。
吉崎 良美
荻島のかつての恋人。自立心が強く、自分の道は自分で切り開いていくタイプ。元々は荻島と一緒の雑誌の編集に携わっていたが、廃刊に伴い、独自の道を歩き始める。ここで荻島との関係を一度生産することに決めていた。
その他の登場人物
この荻島FDとのバトルにあたり、太田の娘、リカコがZのチューニングを任されている。北見がブラックバードに手を入れていたこともあったのかもしれないが、アキオ自身が全てを任せている。それだけのものを持っていることを感じさせていたのだろう。実際にZの調律が終わった時点で北見に見せに行くがそれに触発された北見が一晩でブラックバードを仕上げたほど。このストーリー最終場面でこの太田リカコの存在は大きくクローズアップされている。これはチューナーの世代交代を予見させるものだったのではないだろうか・・・
最後に
「悪魔」→「ルシファー」→「希望の星」こんな三段論法でZの存在を説明して終わらせたストーリーだったが、Zは死んでいないし、ブラックバードは車検は通らないだろうが、そこまでの説明は無く、島達也が「降りる」可能性を持たせたままの終わり方であった。
全体的には非常によくできていて、作者の車に対する愛情をよく表している
ぜひお薦めの作品なのは間違いないだろう。誰もが楽しめるはずである。