「湾岸ミッドナイト」狂気の走り屋たち。人物と車をまとめてみました。(5)

「湾岸ミッドナイト」狂気の走り屋たち。人物と車をまとめてみました。(5)

さぁいよいよ最終回となります第5回目。「ユウジ編」(地上のゼロ編)→「荻島編」(FDマスター編)となります。連載されていたのも2000年を超えていますが、この漫画だけは読み続けたという方も多いのではないでしょうか?最後のオチは少々とってつけの感じも多少しましたが、この長い連載を終わらせるためにはそれぐらいの強引さが必要なのでしょう。まずは見てみましょう。


はじめに

夜の首都高を疾走するZ

湾岸ミッドナイトDVD第十三巻

いよいよこの長い物語も終わりを迎えようとしている。アキオの人間的魅力と「悪魔のZ」と呼ばれた車の不思議な楽しさを普通に描いた名作だったと思いう。何しろ間違いなく確信犯的なスピード違反行為を繰り返し、それを普通の事と読者に疑問を持たせなくなるという麻薬の様な作品だったように思う。
さて、それでは最後の2編をご紹介しよう。

「ユウジ編」(地上のゼロ編)

岸田 ユウジ

無き父の後を追ってか、偶然か・・・晩年の亡父の弟子であったカメラマンに付いて修行中である。

職場でのユウジ

ボディタイプ	2ドア オープン
エンジン	F20C型:2.0L 直4 DOHC VTEC
駆動方式	FR
最高出力	F20C型:250PS/8,300rpm
最大トルク	F20C型:22.2kgf·m/7,500rpm
変速機	6速MT
サスペンション	前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
全長	4,135mm
全幅	1,750mm
全高	1,285mm
ホイールベース	2,400mm
車両重量 AP2型:1,250-1,270kg
【画像提供:カーセンサーnet】

ホンダ・S2000 AP2

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登場時には車自体乗っていなかった(所有していなかった)。この物語の登場人物では高木を例外とすればただ一人この男のみである。しかし地上のゼロを探し、様々な車に乗り、やっと出会えたのがHONDA S2000だった。主人公のアキオにブラックバードのポルシェ・ターボに乗れるように仕向けられた。それはまさに地上のメッサーシュミットだった。

山本 和彦

「YM(ヤマモト)SPEED」代表。当初は「山本自動車」として登場しチューニングカーに対し否定的な考えを持ち(走り屋という言葉で暴走行為を正当化することに疑問を感じていた)
ユウジとは異母兄弟。
搭乗車種:日産・スカイラインGT-R V-spec (BNR34)
ボディーカラー…ベイサイドブルーメタリック
仕様・馬力:(R34のもの)ブーストアップ仕様 350〜400馬力

YM SPEEDのデモ車と

KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P3

エンジン	RB26DETT
駆動方式	4WD
最高出力	280PS/6,800rpm
最大トルク	40.00kgf·m/4,400rpm
変速機	6速MT
サスペンション	前後マルチリンク
全長	4,600mm
全幅	1,785mm
全高	1,360mm
ホイールベース	2,665mm
車両重量	1,560kg
【画像提供:カーセンサーnet】

スカイラインGT-R 2.6 VスペックII ニュル 4WD クーペ

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改めてのご紹介となる。このユウジ編においてもう一人のキーマンとして描かれているからでもあるが、山本自身この頃にはチューンドカー考え方を変えており、自身の会社「山本自動車」も「YM SPEED」と昔のチューナー時代に戻しているからである。この変化に、「悪魔のZ」やアキオ・レイナ・ブラックバードなどが深くかかわっていることは言うまでもない。
ユウジの異母兄であるが歳はかなり離れている。ユウジとチューンドカー「地上の戦闘機」を共に作り上げることにより、何かを伝えようとしている描写が複雑である。

その他の登場人物

アキオとブラックバードこと島 達也

KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P78

DBWについて語る富永

KCコミック湾岸ミッドナイト第三十五巻P59

このユウジ編ではいつものメンバーが顔をそろえている。特にチューナーの中でも「セッティングの富永」はDBW(ドライブ・バイ・ワイヤー)を視野に入れデータを集めている。その中で富永本人がこの電子スロットに最も適していると思われた車がHONDA S2000だった。富永自身がこの車を購入し、所有する。

「荻島編」(FDマスター編)

荻島 信二

搭乗車種:マツダ・RX-7 Type R (FD3S)
RGO 400馬力仕様

「Z」「ブラックバード」とのバトル

KCコミック湾岸ミッドナイト第四十二巻P152

ボディタイプ	3ドア ファストバッククーペ
エンジン	13B-REW型 654cc×2 直列2ローター
駆動方式	FR
最高出力	・1991年-1995年
255PS/6,500rpm
・1996年-1998年
265PS/6,500rpm(MT)
255PS/6,500rpm(AT)
・1999年-2002年
280PS/6,500rpm(MT)
265PS/6,500rpm(タイプRB)
255PS/6,500rpm(AT)
最大トルク	・1991年-1998年
30kg·m/5,000rpm
・1999年-2002年
32kg·m/5,000rpm(MT)
30kg·m/5,000rpm(タイプRB)
30kg·m/5,000rpm(AT)
変速機	4速AT/5速MT
サスペンション	前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
全長	4,295mm(1型) 4,280mm(2~4型) 4,285mm(5,6型) [いずれもフロントナンバープレート取付座変更による]
全幅	1,760mm
全高	1,230mm
ホイールベース	2,425mm
車両重量	1,240 - 1,330kg

後期型(スピリットR)

マツダ・RX-7 - Wikipedia

雑誌の編集をしながら自らFDを操り、FDについてのコラムを自身書いていた。それだけにFDについての理解は他人とは違い、その視点もプロ並みのものを持っている。しかし雑誌の廃刊に伴い、不動産の営業をやっているがFDに対する情熱はその体の中にくすぶっていた。

吉井

RGO大田の旧友。若い頃アメリカに渡り、腕一つでロータリー、V8、ポルシェと渡り歩いてチューニングを極めた腕利きのチューナーでもある。

荻島に語る

KCコミック湾岸ミッドナイト第四十二巻P30

神業の様な腕を持つチューナー。日本でのすることを終わらせアメリカに再度わたるときに過去、自分であつめたロータリーの資料を荻島に譲る。この資料がこの後の荻島に大きな財産となると承知しての事だった。

新見

荻島にイソギンチャクの様にくっつき歩く営業マン。やはりFDに傾倒しているがストーリー上ではさほど重要視されているわけではなかった。言ってしまえば太鼓持ちの様な存在。

吉崎 良美

荻島のかつての恋人。自立心が強く、自分の道は自分で切り開いていくタイプ。元々は荻島と一緒の雑誌の編集に携わっていたが、廃刊に伴い、独自の道を歩き始める。ここで荻島との関係を一度生産することに決めていた。

その他の登場人物

この荻島FDとのバトルにあたり、太田の娘、リカコがZのチューニングを任されている。北見がブラックバードに手を入れていたこともあったのかもしれないが、アキオ自身が全てを任せている。それだけのものを持っていることを感じさせていたのだろう。実際にZの調律が終わった時点で北見に見せに行くがそれに触発された北見が一晩でブラックバードを仕上げたほど。このストーリー最終場面でこの太田リカコの存在は大きくクローズアップされている。これはチューナーの世代交代を予見させるものだったのではないだろうか・・・

最後に

「悪魔」→「ルシファー」→「希望の星」こんな三段論法でZの存在を説明して終わらせたストーリーだったが、Zは死んでいないし、ブラックバードは車検は通らないだろうが、そこまでの説明は無く、島達也が「降りる」可能性を持たせたままの終わり方であった。
全体的には非常によくできていて、作者の車に対する愛情をよく表している
ぜひお薦めの作品なのは間違いないだろう。誰もが楽しめるはずである。

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