1960年代末に彗星の如く現れたコメディエンヌのゴールディ・ホーンに纏わるよもやま話

1960年代末に彗星の如く現れたコメディエンヌのゴールディ・ホーンに纏わるよもやま話

米国ハリウッド映画の中で、昔からコメディは西部劇と並んで、大変人気があるジャンルである。映画初期のサイレント時代には代表的な俳優として、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、そして初期のチャップリンなどが活躍し、やがてトーキーの時代になり、ハワード・ホークスやエルンスト・ルビッチ、ボブ・ホープなどが活躍した。だが、面白いことにそれまでは女性のコメディアン(コメディエンヌ)は存在していなかった。そんなハリウッド映画界において、1960年代末に彗星の如く現れたコメディエンヌがゴールディ・ホーンであった。


ゴールディ・ホーンというコメディエンヌをご存知ない方のために!!

ゴールディ・ホーン(Goldie Hawn, 本名:Goldie Jeanne Hawn, 1945年11月21日 - )は、米国の女優、コメディエンヌ、ダンサー。出演作にはコメディ映画が中心で多数を占めるが、シリアスな映画にも出演している。

本名	Goldie Jeanne Hawn
生年月日	1945年11月21日(72歳)
出生地	米国 ワシントンD.C.
国籍	米国
職業	女優・プロデューサー・監督
ジャンル	映画・テレビドラマ
活動期間	1967年 -
配偶者	カート・ラッセル
著名な家族	オリヴァー・ハドソン(息子)
      ケイト・ハドソン(娘)
      ワイアット・ラッセル(息子)

Goldie Hawn in 1978

Goldie Hawn - Wikipedia

幼い頃よりダンスの英才教育を受ける!!

ゴールディは1945年11月21日にワシントンD.C.で生まれた。父親はドイツとイングランドの血を引くミュージシャンのエドワード・ラトリッジ・ホーン(1908年9月28日ー1982年6月7日)、母親はハンガリー系ユダヤ人でジュエリーショップやダンススクールを経営していた。3歳より母の下でバレエやタップダンスのレッスンを受ける。

幼少期のゴールディ(1954年頃)

ゴールディの肩書きは”女優”だけではなかった!!

1963年、米国メリーランド州モンゴメリー郡にある公立高であるモンゴメリー・ブレア高校卒業。1964年にアメリカン大学を中退し、ダンスを教えるようになる。同年、プロのダンサーとしてミュージカルに出演し、ニューヨークで活動し始めた。

青年期のゴールディ(1962年頃)

ゴールディは女優という印象が強いが、幼い頃からダンスのレッスンを受けていて、女優という顔以外にダンサーという隠れた経歴があったのだ。知らない人が意外と多いはず!!・・・。

1967年にコメディに出演して才能が開花!!

1967年にテレビでディック・マーティンが主演するシチュエーション・コメディに出演することで徐々に人気が出始め、ブレイクする。また映画では、1969年の『サボテンの花』という作品に出演し、第42回アカデミー賞の助演女優賞及びゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞してしまった。これ以降、数々の映画に出演しているゴールディだが、実の所アカデミー賞をもらったのはこの作品だけなんですね!!。

映画『サボテンの花』(1969)の宣伝用写真

シチュエーション・コメディってご存知?!

「志村けんのだいじょうぶだぁ 」に出演していた”石野陽子”などが、さしずめゴールディ・ホーンのような立ち位置だったのではないかと思ってみたりして・・・??。

映画『サボテンの花』に出演し、第42回アカデミー賞の助演女優賞及びゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞!!

『サボテンの花』(サボテンのはな、Cactus Flower)は、1969年公開のアメリカ映画。ウォルター・マッソー演じる中年の歯医者とその恋人、看護婦などを巻き込んだドタバタの恋愛コメディ。

監督	ジーン・サックス
脚本	I・A・L・ダイアモンド
原作	エイブ・バロウズ『Cactus Flower』と
ピエール・バリエ、ジャン・ピエール・グレディ『Fleur de cactus』
製作	M・J・フランコヴィッチ
出演者	ウォルター・マッソー
    イングリッド・バーグマン
    ゴールディ・ホーン

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実はゴールディにとって、この作品は初めての映画出演作ではなく、『ファミリーバンド』(The One and Only, Genuine, Original Family Band)というミュージカル映画が最初の作品である。勿論、ちょい役ではあったが、得意の”ダンス”と歌を披露している。あいにく、この作品はもう日本では見ることができないが、見られないと、余計見たい気持ちになるから不思議である!!。(ユーチューブで部分的に見ることができるが、ゴールディは発見できず!!・・・)

ゴールディにも”シリアス”映画がある!!

バーグマンがウォルター・マッソーの夫人だと騙ってレコード店を訪れ、ゴールディ・ホーンとやりとりするシーンが感動的でいいシーンだ。二人の感情表現がとっても上手い。全体に三人の役者が甲乙つけがたい存在感で興味を引っ張るが、この中で最終的に映画を背負ってたつバーグマンはやっぱり素晴らしいと思う。当時、コメディエンヌとしてのゴールディ・ホーンの新しさが大いにもてはやされたのだろうし、勿論今見ても彼女はすこぶるキュートなのだが、五十歳を過ぎ容色の衰えが隠せないバーグマンの頑張る姿は感動的だ。

『続・激突!/カージャック』(ぞく げきとつ カージャック、The Sugarland Express)は、1974年のアメリカ映画。スティーヴン・スピルバーグの初の劇場作品であり、実話に基づいた作品である。

監督	スティーヴン・スピルバーグ
脚本	ハル・バーウッド、マシュー・ロビンス
原案	スティーヴン・スピルバーグ
   ハル・バーウッド
   マシュー・ロビンス
製作	デイヴィッド・ブラウン、リチャード・D・ザナック
出演者	ゴールディ・ホーン
    ベン・ジョンソン
    マイケル・サックス
    ウィリアム・アザートン
音楽	ジョン・ウィリアムズ

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「激突」の第1作目と第2作目は全くの別物なんですよ!!

日本では、このスピルバーグ監督の『The Sugarland Express(原題)』を『激突』の第2作目として、続き物のように公開されたのだが、実際は全然別物。

警察を人質に取って目的地まで向かうのだが、一緒に行動するうちに情が芽生えるというストーリーで110分というランニングタイムを長く感じさせないのはさすがスピルバーグ。ホワンとしたムードから一転し、皮肉で予想外のラストもらしく、シネスコサイズなのが大作感を醸しだしておりデヴュー作品からして大物感を表している。この作品は思いっきり笑わせる映画ではなく、どことなくクスっと微笑が出てしまうような映画だが、全体を通してみると”シリアス”と言わざるを得ない。私なんかもいつゴールディがずっこけて笑わせてくれるのか待っていたのに全然そんな場面がなかった記憶がある。

1970年代のゴールディの画像ですが、この頃がもっとも肉体的にも仕事的にも一番脂が載っていた時期でしょうね!!。

ブロマイド写真★ゴールディ・ホーン/見つめるアップ

サスペンス・コメディ!というジャンルを開拓!!

ヒッチコックのパロディ映画『ファール・プレイ』 小ネタ満載のサスペンス・コメディ! - Middle Edge(ミドルエッジ)

ゴールディが映画製作陣の一員に!!

『プライベート・ベンジャミン』(Private Benjamin)は、1980年の米国のコメディ映画。アメリカン・コメディでは馴染みの軍隊喜劇だが、それをゴールディ主演でやるところがミソ。ゴールディは製作総指揮も兼ねており、女性の視点に立った軍隊喜劇というアプローチをきちんと守ろうとしている事が判る。

監督	ハワード・ジーフ
脚本	ナンシー・マイヤーズ
   チャールズ・シャイア
   ハーヴェイ・ミラー
製作	ナンシー・マイヤーズ
   チャールズ・シャイア
   ハーヴェイ・ミラー
製作総指揮	ゴールディ・ホーン
出演者	ゴールディ・ホーン

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泣きべそをかきながら軍隊で頑張るゴールディがたまらなく可愛いのと切なかった印象がある!!

ブラックなコメディもお手の物!!

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最後にゴールディのプライベートもちらっと言及しよう

彼女の最初の夫はダンサー(後にディレクター)だったガス・トリコニスでミュージカル映画『ウエストサイド物語』のシャーク役として登場した人物だ。彼らは、1969年5月16日にハワイのホノルルで結婚したが、1973年4月9日に離婚。3年後の1976年7月3日に歌手のビル・ハドソンと再婚し、オリヴァーとケイトの2人の子供をもうける。しかしこの結婚も長続きせず、ハドソンは、1980年8月15日、離婚を申請した。この離婚劇が確定したのが1982年3月だったが、この間にもゴールディは、フランスの俳優イブス・リナー、テレビで人気があったトム・セレック、モロッコのビジネスマンであるビクター・ドレイなどと浮名を流している。1983年には、映画『スイング・シフト』で共演した俳優のカート・ラッセルと交際を開始し、1986年に息子ワイアットが生まれている。それから二人は30年以上も結婚せずに交際を続け、人生の良きパートナーになっているという。
なぜ結婚しなかったのかというと、娘のケイトが反対したためではないかと言われているが、真偽の程は判らない。察するところ、結婚はただの紙切れだけのことだと二人とも割り切っていたので、一緒にいるだけでも十分幸せだと言うことのようだ。

2011年頃のゴールディ

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ゴールディ・ホーン

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