『ガンプラり歩き旅』その71 ~吹き荒れろ! ガザの嵐だ、ネオジオンのガザD参上!~

『ガンプラり歩き旅』その71 ~吹き荒れろ! ガザの嵐だ、ネオジオンのガザD参上!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!


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吹き荒れる「ガザの嵐」が、ジュドーのZガンダムを襲う!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回紹介するのは、前作『Zガンダム』のガザCの立ち位置とシルエットを受け継いだ、『ガンダムZZ』の、ネオジオンの量産型可変モビル・スーツ、ガザDの旧キットの紹介です!

ガザD 1/144 1 1986年5月  600円(機動戦士ガンダムZZ)

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キットのボックスアートには、後半キーキャラになるグレミーを含めた、ガザの嵐の三人組が描かれている


『機動戦士Zガンダム』(1985年)直接の続編になる『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)は、前年のガンプラの好成績を受けて初動から積極的にキット化が展開された。

No.1のガザD、No.2のガルスJがまず共に、番組開始2か月後の5月から、ZZブランドのガンプラシリーズ第一弾として発売された。
翌6月には、やはり初動ネオジオンのモビル・スーツのズサと共に、主役のZZガンダムが1/144で発売される順序になった。

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完成したガザD

『機動戦士Zガンダム』のガンプラ商品ラインナップ数が43種で、『機動戦士ガンダムZZ』のラインナップが19と、ダブルスコア並みに商品点数が減っているが、1/144だけに絞り込んで比較すると、『Zガンダム』の1/144は23個なのに比べて、『ガンダムZZ』は1/100 ZZガンダム以外は全て1/144なので、メイン主力商品層で比較すると、それほど差がついているわけでもない。
しかし「『Zガンダム』の非1/144キットのうち、1/300 2種のサイコガンダムや、1/220 メッサーラ、キュベレイ、アッシマーなどは、元のサイズが巨大なため、事実上の商品サイズは1/144並みである」ということと、『ZZガンダム』キットでも、ドワッジ、ディザート・ザク、ザク・マリナー、ガズR、リゲルグ、アイザック、など、1986年の8月、9月に発売された物は、どれもMSV時代や『Zガンダム』キットのリデコや新規パーツ付属、もしくはパッケージ替えだけのバリエーションキットでしかないという前提で改めて2シリーズの商品展開規模を比較すると、この1986年辺りでは、既にビジネスとしてのガンプラが、息切れを起こし始めていたことが窺い知れる。

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ランナー状態。オレンジピンクとパープルブルー、そしてポリキャップという構成

そんな「『ガンダムZZ』ガンプラ第1段」となるのが、前作でアクシズを名乗っていたネオジオンのモビル・スーツ、ガザDとガルスJである。
共にデザインは、出渕裕氏がラフを描いて、伸童舎がクリンナップを担当するという形で、そのシステムはその後も続き(バウだけは出渕氏がクリンナップまで手掛けた)、ネオジオンの初動のメカニックイメージは、その両者に寄るものが大きいといえる。

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ガザDの正面。やはりガザCを意図的に踏襲している

特に、ガルスJとガザDは、『ガンダムZZ』というコンテンツと、ガンプラの両面でのビジネスモデルのプレゼンを、明確に果たしていたメカだといえる。
『ガンダムZZ』の物語世界は、前作と直接つながり展開するのだが、世界観は変えなくてもジャンルを変えることはできるとばかりに、特に初期は徹底的にコメディタッチで描かれるのであるが、そういったコンセプトが変わった概念も、メカデザインというのは象徴する必然性を担う。
いや、この場合は、何もシリアスだった『Zガンダム』からコメディに代わったからといって、いきなりネオジオンのモビル・スーツが、びっくりどっきりメカになるという意味ではない(大河原邦男氏であればやってしまいそうではあるが)。

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ガザDのサイドビュー。バズーカ型のナックルバスターのボリュームが分かりやすい

作品が、武装戦力同士の混沌を背景舞台に置いた前作と違い、本作では(表層上は)勧善懲悪の「主人公サイドのガンダム系」VS「悪のジオン系」を明確に打ち出さなければならない。
そうなると「ジオン的なるモビル・スーツとは、どんなアイコンなのか」が再検証されなければならなくなったのだ。

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バックビュー。背面には多くのバーニアが見られるが、変形するとさらにこれらが同じ方向を向いて集まる

『Zガンダム』は、カオスのピークの「80年代アニメメカデザイナー『俺のモビル・スーツ』デザイン博」を意図的に展開させたが、今回は「その続き」で「その逆」をやらなければいけなかったという背景を汲み取ってみよう。
そうなった時、メカデザイナーの出渕氏のセンスと“読み取り”に、ある種の作品の方向性と指針が任されたとも言える。
そして出渕氏は、特に初動では、その要請とプレッシャーに対して、ガルスJとガザDというデザインで回答をまず提示したのだ。

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ガザCと同じ、ドーム状でグリーンのモノアイと、両肩の大型バインダーが特徴的なモビル・スーツである

ガルスJは、ある意味後の「出渕ザク」ことザクFZやギラ・ドーガに繋がっていく源流が見てとれ、旧作『機動戦士ガンダム』(1979年)から出渕氏自身がイメージを抽出した意匠が散りばめられている。
それらはザク、グフ、ドム、ゲルググの印象的な部分をハイブリッドさせた「旧ジオン的なる記号の集合体」でありつつ、そこに出渕式時代のセンスを盛り込むことによってデザインが完成していた。
演出的にも、第1話から登場し、コメディタッチの中で、美形の敵キャラ・マシュマーが乗り込み、新主人公のジュドーが乗るZガンダムと戦い合うメインゲストメカとして印象を残す。

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それでいて、ナックルバスターはガザCからは一転して、SFアニメメカの王道的デザインに変更されている

一方でガザDは、むしろ旧ガンダムのジオンとは一切のデザイン的関与を否定した、直前の『Zガンダム』で、ハマーンのキュベレイ以外で唯一の「ジオンのモビル・スーツ」だったガザCを、巧みに換骨奪胎した機体であったりする。
いわば出渕デザインは、ガルスJとガザDで「『ガンダム』のジオン」「『Zガンダム』のジオン」の、直系をそれぞれ、エンドユーザーに提示してみせて、逆算的にハマーン率いるネオジオンが、ザビ家が統括していた旧ジオンと地続きであることを画的に表して見せたのだ。

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肩の可動は変形と関わるために癖があるが、ポージングする上では大きな障害にはならない

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