“メカ×美少女=名作”の公式を作り上げた「プロジェクトA子」!!
皆さんは「プロジェクトA子」というアニメを覚えていますでしょうか?学園を舞台に美少女たちが活躍するSFやお色気要素を含んだバイオレンスギャグアニメで、1986年に映画が公開されその後OVAも製作されました。

「うる星やつら」のスタッフが制作に参加!!
プロジェクトA子はアニメ「うる星やつら」の制作に関わったアニメーターが多く参加しており、同作品の原画・作画監督を務めた西島克彦が監督・脚本、同じく作画監督・絵コンテを務めた森山雄治が脚本を担当しています。そのことから、当時から「うる星やつら」っぽさを指摘するアニメファンもいたとのこと。

未視聴の方は予告編であらすじを掴みましょう!
元々は「くりぃむレモン」になる予定だった!?
今回取り上げるプロジェクトA子ですが、元々は「アニメーターが欲求不満を解消するために好きなものを作りたい」という思いから企画され、資金集めのために発行した同人誌が創映新社の目に留まり、アニメ映画として世に出されたものです。

ちなみにプロジェクトA子はアニメ化にあたり「くりぃむレモン」の1本として企画がスタートしており、お色気シーンはその名残とも言えます。なお、同時上映は「くりぃむレモン」亜美シリーズの「旅立ち-亜美・終章ー」でした。

作中に多数のパロディが!!
プロジェクトA子というタイトルですが、これはジャッキー・チェン主演の1983年の映画「プロジェクトA」が元ネタです。まんまなタイトルなんですが当時は大丈夫だったんでしょうか?タイトルの時点でパロディ感満載ですが、作中でもパロディが見られます。

ケンシロウやクリィミーマミっぽいキャラが出てくる!
タイトルがまんまパロディなのは一目瞭然なのですが、作中にも当時流行していたアニメの影響を受けたと思われるシーンがあります。学園の担任がクリィミーマミっぽい人だったり、北斗の拳のケンシロウっぽい女子が出てきたり、作中に登場する映画が「幻魔大戦」っぽかったりと、当時の世相を反映したパロディが散見されます。


申し訳程度に登場人物を紹介します!!
摩神英子
前の学校で問題を起こし、C子(後述)と共にグラビトン学園に転校してきた摩神英子(通称:A子)。人並外れたパワーの持ち主で、彼女のリストバンドはその怪力を押さえ込む為の重り。

大徳寺美子
グラビトン学園の生徒会長にして大富豪のお嬢様、大徳寺美子(通称:B子)。A子とは、C子を巡って対立する関係。頭脳明晰でメカの開発が出来るほどであるものの、そのデザインセンスやネーミングセンスの悪さには定評があり、作中でも酷評されています。

寿詩子
A子の親友で、いつも一緒に行動している寿詩子(通称:C子)。その仲の良さは前の学校で問題を起こし転校させられたA子と一緒に転校してしまうほど。天涯孤独の身の上でしたが、実は異星人のお姫様です。

宮崎駿を批判!?そして場外乱闘へ!!
プロジェクトA子を語るときにある意味外せないのが「宮崎駿との場外乱闘」です。事の発端は、映画公開前の「アニメージュ」1986年5月号において監督・西島克彦が以下のコメントを発表したことでした。


上記引用の通り押井守、宮崎駿を名指しして「自分たちは彼らに作れないものを作った」と豪語したのです。これは当時「風の谷のナウシカ」のようなメッセージ性の強い作品が評価される中、「肩の凝らない能天気な作品」を作りたいという意図が込められていたと思われるのですが、このコメントが当の宮崎駿の目に留まってしまいます。

宮崎駿から直々に反撃を食らう!!


「セーラー服が機関銃撃って、走り回ってる様なもの」とは、当然プロジェクトA子のことを指すと思われます。自分の名前を出されたことに対する憤りもあったのでしょうが、この発言の真意としては、アニメ(特にOVA)という狭い市場において、その購買ターゲットを狭めてしまうような発想でアニメを制作することに対する危惧があったと推測できますね。

プロジェクトA子を彩る名曲の数々!!
アニメの内容は美少女!メカ!お色気!ドタバタ!な感じのプロジェクトA子ですが、その音楽はいかにも80年代な名曲が揃っています。映画の楽曲はロサンゼルスで収録されており、作曲家のジョーイ・カーボーンが参加しマニアの間では話題となりました。

主題歌はモロに洋楽です!!
映画「プロジェクトA子」の主題歌である「Dance Away」及び「Follow your Dream」はともにANNIE LIVINGSTONの歌う英語詞であり、80's感丸出しの洋楽に仕上がっています。
OVAでは福永恵規が参戦!!
OVA「プロジェクトA子2 大徳寺財閥の陰謀」では、おニャン子の初代リーダーである福永恵規の楽曲「心もJUMPして! 夏のイントロ」が主題歌に抜擢されました。竹内まりやが作詞作曲を手掛けており、映画の主題歌とは打って変わったアイドルポップスになっています。

まとめ
今では珍しくなくなった、美少女がドタバタを繰り広げたり、頭を空っぽにして観ても問題のない中身の薄いおバカな作品。しかしながら当時としては新鮮味の溢れる内容だったと思います。プロジェクトA子のコンセプトを見習って、たまには「肩の凝らない能天気な作品」で楽しむのも良いと思います!

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