日陰に咲く徒花
今やカルチャーとして確立したBL(ボーイズラブの略。美しい男性同志の恋愛を描いたマンガや小説など)ですが、少年愛が女性たちに認識されるようになったのは、30年以上前に創刊された2つの雑誌の功績が大きいのです。
それは現代のように腐女子などと呼ばれてテレビや雑誌で明るく取り上げられることもなく、こっそり買ってきて、同じ嗜好の数少ない貴重な友人達と回し読みするものでした。
June(ジュネ) サン出版
「耽美写真館」は大人気の連載企画でした。
毎号掲載される美しい少年たちの写真に、少女達は胸をときめかせました。
その後小説専門誌「小説June(略して小ジュネ)」が創刊され、Juneはマンガを中心とする雑誌として「大ジュネ」という愛称で呼ばれるようになりました。
ALLAN(アラン) みのり書房
「少女のための耽美マガジン」がキャッチフレーズでした。
アランに繰り返し登場した美少年、美青年たち
美少年界の帝王 「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセン
デヴィッド・シルビアン
和製デヴィッド・シルヴィアン 本田恭章
ご存知 美輪明宏
ぼくらは青年探偵団
密やかに語り継がれる雑誌として
「June」も「ALLAN」も、もうこの世には存在しません。
しかし普通の少女文化に適合したくなかったかつての少女達の胸の中に、今も存在し続けているのです。
インターネットの海で、密やかに語り継がれながら。