『ガンプラり歩き旅』その55 ~イデオン編・3 アオシマ アニメスケールシリーズの誕生!~

『ガンプラり歩き旅』その55 ~イデオン編・3 アオシマ アニメスケールシリーズの誕生!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!


ちなみに、太ももから出てくる謎のビーム砲は、トミーのサウンドフラッシャーイデオンのパッケージイラストに描かれていた「イデオンビーム砲」という武装らしく、サウンドフラッシャーイデオンには、同じように両脇ブロックが展開してミサイル銃が現れるギミックも共通して描かれており、これが玩具設定独自の存在なのか、アニメ版イデオンの内部メカ初期設定で、作品に使われなかった設定なのかは、今一歩定かではない。

当時のトミーの「サウンドフラッシャーイデオン」パッケージイラスト。肩脇ブロック内や太腿内部の武装が既に描かれている

一方で、この商品を「イデオンの3機メカ合体を再現しようとしたキット」として見た時は、後の1/600版や、近年のバンダイスーパーミニプラ版にはない、黎明期ゆえの愚直なまでの懸命さが、あちこちにその残り香を匂わせている。

腹部両脇から出てくる武装は、アニメ版のグレンキャノンか?

まず、イデオ・デルタへの変形は、上でも言及したが、「手首が取り外せない」という致命的な部分以外は、なんと差し替えなしの完全変形である(ロケットノズルがない、などの半端さはあるが)。」

各2枚の垂直尾翼も水平尾翼も、それぞれ別パーツを後付けするのではなく、ちゃんと腕内部に収納されているし、イデオン時の見栄えを損なってはいるが、イデオ・デルタの機首は上記したように、最初から折りたたまれて肩後部に隠されているので、これも差し替えパーツ扱いではない。

イデオ・ノバというよりは……。全ハッチオープンの上半身としか見えない辺りが苦しい

イデオ・ノバに関しては、本来のデザイン以上にあちこちハッチが開く上、アニメ演出では存在しなかったミサイル銃などという代物もあり、イデオ・ノバ変形の最大のギミックである両脇ブロックの後方展開もないが、その代わり腹部両脇のグレンキャノン展開や、腹部内部にしっかりと、イデオ・ノバの特徴的な形状のアンテナが収納されているなど、「合体ロボット」版よりも、踏み込んだアニメデザインへの挑戦は伺える。

それでも腹部ハッチをオープンすると、あのイデオ・ノバの特徴的なアンテナが、しっかり内蔵されていたりするので、やはり意外とアニメ初期設定準拠なのかもしれない

その分、イデオンの頭部の脱着が出来ないので、「いろいろハッチがパカパカ開いた、イデオン上半身」にしか見えないという弱点はあるが、そこもおそらく「光るイデオン」の追加パーツがフォローしているのだろう。

イデオ・バスタ“のようなもの”にしか見えない……

イデオ・バスタへも「変形っぽい」以上の変形は、「光るイデオン」の追加パーツを使わなければ出来ないらしい。
1/420 イデオン版だけだと、なにより機首がないので、どこをどう見ても「ただの下半身」にしか見えない。

それでも、足首の変形など、果敢に「イデオ・バスタに見える方向へ」は頑張っている

しかし、一応両脚は、縮みこそしないものの、外側への回転開脚が可能になっており、これを利用して立ち方に一手間加えるだけで、ぐっとイデオン状態での仁王立ちポーズが様になってくれるという付加価値があったりはする。

後方から見た、変形後のイデオ・バスタ風メカ

というより、このキットでのイデオ・バスタ変形でのエポックは、小さく貧相ながらも、腿内側のイデオ・バスタ主翼が、ちゃんとめくれて左右に展開するギミックだろう。

イデオ・バスタの主翼展開を再現したイデオンプラモデルは、2018年現在、他に存在しない

これはイデオ・バスタ変形のクライマックスだが、腿の内側と、主翼としての面積に整合性がとれないからか、『イデオン』放映当時でも、ちゃんと再現したのはトミーのメイン商品『奇跡合体 イデオン』ぐらいで、アオシマのイデプラでこの変形を再現したのはこの1/420 イデオンのみ。
その後現代に至るまででも、この主翼展開をしたイデオンアイテムは、それこそバンダイの超合金魂版ぐらいのものではないだろうか。

一方、合体完成したイデオンの形態に、今一度話を移せば。
今の目で見るとこのプロポーションは確かに評価し辛く、当時のガンプラ1/100群と比較してみても、秀でているとは言い難い。

1/420 イデオンの太腿部のUP。意外とディテールは細かい

それでも、このキットをして「当時のイデプラの中ではプロポーションは良い方」というのは、合体ギミックに引っ張られ過ぎなかったからという偏見が強いのではあるまいか。

これは、アオシマのイデプラ全体に言えることだが、どうも全てのイデオンがトップヘビーに仕上がっていて、上半身のボリュームが過多で、下半身が華奢に仕上がっているキットがほとんどなのである。

今回は使用しなかったが、このキットにはデカールが豊富についている。これを使えば黄色とグレー以外は殆ど色分けが再現できるのではないだろうか

関連する投稿


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

公式キャラクターコスチュームやアパレル・グッズの企画、開発、製造を行うコスパより、『機動戦士ガンダム』新作アパレルが発売されます。


「機動戦士ガンダム」より『地球連邦軍』『ジオン公国軍』ノーマルスーツ兵士の可動フィギュアがブリスターパッケージで登場!!

「機動戦士ガンダム」より『地球連邦軍』『ジオン公国軍』ノーマルスーツ兵士の可動フィギュアがブリスターパッケージで登場!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開するフィギュア『G.M.G. COLLECTION 05 機動戦士ガンダム 地球連邦軍ノーマルスーツ兵士 可動フィギュア』『G.M.G. COLLECTION 06 機動戦士ガンダム ジオン公国軍ノーマルスーツ兵士 可動フィギュア』が現在予約受付中となっています。


石破天驚拳クッションや湯吞みなどの新グッズが登場!「ガンダムGWX 30周年プロジェクト アニメイトフェア」が開催!!

石破天驚拳クッションや湯吞みなどの新グッズが登場!「ガンダムGWX 30周年プロジェクト アニメイトフェア」が開催!!

アニメイトにて、「機動武闘伝Gガンダム」「新機動戦記ガンダムW」「機動新世紀ガンダムX」のいわゆる「ガンダムGWX」シリーズの30周年を記念した『ガンダムGWX 30周年プロジェクト アニメイトフェア』が4月12日より開催されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。