はじめに
今回のRX-121 ガンダムTR-1ヘイズルという機体はベースがジム・クゥエルで頭部のみをガンダムタイプに載せ替えたに過ぎない物でした。まぁ言ってしまえば「ガンダムもどき」ともいえる機体だったのですが、改修や追加装備などで最後のTR-6の頃は当時最強のマシンといえるほどの機体に仕上がっていました。この物語は小説版と漫画版しかありませんが、登場するMS、MAなどは全て公式設定されています。ヘイズル以外にも魅力的な機体が数多く登場し、是非一度ご紹介したいとも思っています。それにしてもこのヘイズルという機体のヴァリエーションが多いことには驚きましたが頑張って書いていきますので楽しんで読んで頂ければと思っています。

ブラック・オター小隊部隊章
アドバンス・オブ・Z ティターンズの旗のもとに
RGM-79Q
ジム・クゥエル

この機体がヘイズルのベースとなったものです。特に予備機は単にガンダムタイプの頭部を付けただけのものでジム・クゥエルそのものといってもよいでしょう。ヘイズルはさすがに装備の変更や改修を受けていて、この機体とはそこそこ違うものになっています。
RX-121

TR-1 [ヘイズル] GUNDAM TR-1[HAZEL]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
物語の序盤で「ティターンズ・テスト・チーム(通称T3)ブラック・オター小隊」で隊長のウェス・マーフィーが搭乗し、その実力を見せつけていました。ベースのジム・クゥエルはティターンズの主力機として運用されていただけに、基本性能も結構高かった上に交換パーツが容易に手に入ることなど「TR計画」の最初の機体に選ばれたのは至極当然のことだったのかもしれません。しかし考えてみれば、この頃ガンダムMK-Ⅱの開発も多分始まっていたのではないでしょうか?ガンダムタイプの機種を2機種同時に開発しようとしていたことになりますよね。もっともこちらのテスト・チームの方は新型の実戦での評価試験が主目的なのでその戦闘データから得られた結果が新型MSの開発にフィードバックされていたのでしょう。
RX-121

ガンダムTR-1[ヘイズル]フルアーマータイプ[GUNDAM TR-1[HAZEL]FULL ARMOR]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
サイド1 25番地内での戦闘で1Gの重力下では特にこの機体の欠点が浮き彫りにされていました。やはり追加装甲の重さは足枷となっていたようでパイロットが難儀しているシーンが描かれています。元々、ジム・クゥエルに追加装甲を固定式で装備しているうえに、さらに装甲を追加するには出力のアップやスラスターやバーニアを追加したり強化する必要があったのではないでしょうか?
RX-121

ガンダムTR-1[ヘイズル]高軌道形態 GUNDAM TR-1 [HAZEL]HIGH MOBILITY FORM
機動戦士ガンダムMS大全集2015
UC0085.7.31 後に30バンチ事件として記録に残されたバスク・オム大佐主導のもと立案、実行されたG-3毒ガスを使って、活動家たちをコロニー一つ丸ごと数千万人の住人と共に虐殺する作戦が遂行された。その後方支援をになった「T3小隊」(秘密裏に行われた作戦のため実行部隊以外は内容を全くしらなかった。)がザンジバルを母艦としたウインチを使う特殊装備のMS部隊と交戦、危機に陥った時に、母艦の「アスワン」に残っていたオードリー・エイプリル中尉が救出に向うときに背部にもう一枚追加でブースター付きのシールドを装備した高機動の形態でした。
RX-121-1

ガンダムTR-1[ヘイズル改] GUNDAM TR-1[HAZEL CUSTOM]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
パーツ取りのための予備機を改修し、今までの実戦から得たデータをインストールして2号機としたことからRX-121からRX-121-1と型式番号が変わっています。以前の交戦でかなりの損傷を受けた機体を高性能化したもので、軽量化や出力、推力共にアップし、コクピットには全天周モニター、リニアシートを本格的に導入。選択式の多目的ランチャーなどでオプションの兵装をかなり多彩に装備できる機体に仕上がっています。この機体はT3部隊での評価試験を経てコンペイトウやゼダンの門に配備されるなど、バーザムほどではないにせよ量産されたようです。「機動戦士Zガンダム」DVD版でも1機登場していましたね。この画像はライトグレーですが実戦配備されるときは黒と濃紺のティターンズカラーに塗装されています。
RX-121-1

ガンダムTR-1[ヘイズル改] イカロス・ユニット試作プラン
機動戦士ガンダムMS大全集2015
RX-121-1

ガンダムTR-1[ヘイズル改]イカロス・ユニット装備 GUNDAM TR-1[HAZEL CUSTOM IKARUS UNIT]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
重力下でMS形態のまま飛行を可能にするユニットを装着している形態です。しかしMS形態のまま飛行する意味があったのでしょうか?大気圏内では空力特性が物を言う環境なので、いくら熱核ロケットエンジンの大きな推力で強引に飛行出来たとしても十分な機動性、運動性が確保できたのかは疑問です。ここでのテストの結果が後の「バイアラン」の開発に寄与したとされていますが、バイアラン自体、機動性、旋回性能などを確保するために推進剤の消費が激しく、航続距離は短くなってしまっています。本編ではエゥーゴのカムチャッカ基地を強襲、制圧する作戦でこの形態で相手のエース、元ジオン公国軍のガブリエル・ゾラとの戦闘シーンが見られます。
RX-121-1

ガンダムTR-1[ヘイズル改]サブ・アーム・ユニット装備 [GUNDAM TR-1[HAZEL CUSTOM]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
パイロットの一人、カール・マツバラ中尉はこの機体を初めて見たときに「サブ・アームね・・・あんなの何の役に立つんだか。腕増やしたって一度に使えないんじゃ、ただのデッドウエイトじゃないの?」と疑問を投げかけている。確かにその通りだと思うが、後にTR-4[ダンディライアン]搭乗時、このサブ・アームユニットで機体を安定化させています。
RX-121-1
![ガンダムTR-1[ヘイズル]高機動形態に準ずるが、フレキシブル・ビーム・ライフル・ユニットを装備している。](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
ガンダムTR-1[ヘイズル改]高機動形態 [GUNDAM TR-1[HAZEL CUSTOM]HIGH MOBILTY FORM]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
高機動を得るために両腕部にブースター・シールドを持つ為、ビームライフルが使えなくなっています。[ヘイズル]でも高機動形態があり、同じ問題を抱えていたと思われます。そこで[ヘイズル改]では腰部ラッチに装備されるビーム・ライフル保持用のターミナル・ユニットを設け、基部のアームを展開することでフリーハンドでの発砲を可能としています。
RX-121-1

ガンダムTR-1[ヘイズル改] スナイパー装備[ GUNDAM TR-1[HAZEL CUSTOM]SNIPER]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
どうも元来は後述する[ヘイズル・ラー](Gパーツのフルドド装着時)クロー・ウイング・ユニットと共に使用されることが主眼に置かれたロング・ブレード・ライフルを持つ形態で、実戦でこの形態を使用しているかは判りませんでした。
FF-X29A

Gパーツ [フルドド] [G-PARTS[HRUDUDU]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
ヘイズル改に装着するためのGパーツです。これを装着した形態がヘイズル・ラーとなります。コクピットを持っていて分離した時にパイロットが搭乗していれば戦闘機として戦闘を継続できるようになっています。二機合体状態ではMA並みの機動性と火力を持つこととなり、第2世代MS並みの能力といわれていたようですね。この状態からもまだ追加装備が可能となっていてヴァリエーションが多いのはこのパーツに負うところが多いいと思います。ヘイズルにとって非常に重要な位置を占めるパーツなので一応ご紹介させていただきました。
RX-121-1+FF-X29A

ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー[GUNDAM TR-1[HAZEL-LAH]FULL ARMAER EQUIPPED]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
フルドドは2号機、RX-121-2にも装着可能でヘイズル・ラーは2機存在することになりますね。ムーバブルフレーム無しでも第2世代MSと同格というのはここら辺からジム・クゥエルとは全くの別物でまさしく「ガンダム」の呼び名にふさわしい機体になっていると思います。
RX-121-1+FF-X29A

ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー] 第二形態 [GUNDAM TR-1[HAZEL-LAH]SECOND FORM]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この形態がRX-121 -1のMSとしての最終形態なあのではないでしょうか?「TR計画」も最終段階に来ていたようで、「TR-6」の受け取りを待つばかりとなっていたのでしょう。この機体の登場後は小隊長の ウェス・マーフィー、エリアルド・ハンターはTR-5[ORX-005]ギャプランに乗り換えています。
RX-121-1+FF-X29A+BOOSTER

ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]第二形態ブースター装備[GUNDAM TR-1[HAZEL-LAH]SECOND FORM/BOOSTER EQUIPPED]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
TMS(可変機)ではないので長距離の高速巡行移動のためにブースターを装備したものでこれといってコメントの必要はないと思います。
RX-121-2

ガンダムTR-1[ヘイズル2号機]アーリータイプ [GUNDAM TR-1[HAZELⅡ]EARLY TYPE]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この時点ですでに「トライ・ブースター」は装備していますね。プラモデルでの設定ですので細かいスペックなどは判りませんが、ほぼ2号機と同じ性能だったと思います。MSVとは全く自由な世界を作り上げていくようで、楽しいですね。
RX-121-2

ガンダムTR-1[ヘイズル2号機] [GUNDAM TR-1[HAZELⅡ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
エリアルド・ハンター中尉がこの機体を乗機とするにあたって、隊長のウェス・マーフィーからガンダムに乗るにあたっての心構えを聞かされるが、その言葉の本当の意味を理解するのは少し先の事となります。
初めからトライブースターを装備していますが、この高機動型の扱いの難しさが、原作でもよく表現されていました。しかしこのピーキーな機体に慣れていくことによってエリアルドのパイロット能力が右肩上がりとなっていることはアスワンの整備主任ヘンドリック・ネスのセリフがそれを証明しています。
RX-121-2

ガンダムTR-1[ヘイズル2号機]高機動型 [GUNDAM TR-1[HAZELⅡ]HIGH MOBILITY TYPE]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
エリアルド・ハンター中尉が地球のハルツーム基地に降りていた時にオードリー・エイプリル中尉がこの形態をテストしていましたね。二枚シールドブースターは「今のままの2号機には荷がおもすぎるかもね。」「このテスト本当は隊長の仕事なのよ。」というセリフがありました。1号機でのテストが本来のスケジュールだったのでしょう。2号機との相性はあまりよくなかったようです。
RX-121-2A

ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル] [GUNDAM TR-1[ADVANCED HAZEL]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
追加された新ユニットは高性能光学センサー・ユニット、マルチ・コネクター・ポッド、強化型シールドブースター、脚底部補助スラスター・ユニットのようです。特に光学センサー・ユニットと背部可動式ブースター・ポッドが特徴的ですね。
RX-121-2
![ヘイズルに緊急脱出ポッド[プリムローズ]を組み込んだ形態の呼称。上半身の胴体ブロックが、ほぼ丸ごとプリムローズに換装され、肩アーマーがウェポンラッチを備えた小型の物に変更される。プリムローズの優れた拡張性によりヘイズルの汎用性は大幅に向上し、より多数のオプションの装備が可能となる。](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ] [GUNDAM TR-1[HAZEL OWSLA]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
カール・マツバラ中尉が搭乗していました。UC0088・02・20ティターンズ、エゥーゴそしてアクシズの三つ巴の戦いは最終局面を迎えていました。トップのジャミトフ・ハイマンは謎の死を迎え、バスク・オム大佐も戦死、パプテマス・シロッコがティターンズを掌握しましたが、敗色濃い状況の中、戦局の巻き返しを図り、コロニーレーザーの奪還作戦を決行しました。しかし作戦は失敗。組織は壊滅となります。この最終局面でエリアルドを救出した後、敵の手に落ちるくらいならと、この機体を自爆させています。
緊急脱出ポッド
![ジオン残党軍MS「シュトゥッツァーシリーズ」との交戦後大破した初代[ヘイズル]の経験を踏まえ、パイロットの生還率向上を目的に開発された緊急脱出用ポッド。](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
[プリムローズ][EMERGENCY ESCAPE POD[PRIMROSE]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この機体が登場していたのは、やはり前述のシーンでした。エリアルドを救出に向うときにカールがこの機体で向っています。その直前の戦闘でヘイズル・アウスラの損傷もプリムローズがひどく被弾していてオードリー・エイプリルが搭乗していました。つまりアウスラに同乗していたんですね。
RX-121-2

ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]ギガンティック・アーム・ユニット装備
機動戦士ガンダムMS大全集2015
プランのみの形態ですね。あるものは何でも付けちゃえ!的な感じですね。コメントはありません。
フルドドII(型式番号不明)

HRUDUDU II
機動戦士ガンダムMS大全集2015
とにかく汎用性の高い機体?(パーツ)です。TR系の機体ならほぼ全機に接続できるのではないでしょうか?この機体を1機接続することでコアMSがフルドドIIを装備すれば「ラー」、2機装備すれば「ラー第二形態」と呼び、ギャプランのブースターを追加装備すれば「ラー・クルーザー巡航形態」と呼ぶようです。また、面白いのは「プリムローズ」だけでも合体出来てしまい、「プリムローズII」とも合体可能で特に「プリムローズII」と合体した場合は後述するの「ウーンドウォートのフルドド形態」と考えてもいい形態となります。また、「フルドド+フルドドⅡ」というパターンもあり、スラスター・ウイング・ユニットとクロー・ウイング・ユニットを置き換えたアップデート版となります。
プリムローズⅡ

[EMERGENCY ESCAPE POD[PRIMROSE Ⅱ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
随分と丸みを帯びたデザインに代わっていますね。武装もガトリング砲のみである程度の機動性は持っているものの戦闘に耐えられるものではありません。と、ここまで書いて騙されてはいけません。TRシリーズ特にTR-6は多くの武器を換装できるシステムの事で「プリムローズⅡ」はそのコアに当たる部分ですから様々な武装のプラットフォームなのです。つまり、戦闘機にもなれるし、MS、MAのような変化もあるわけです。
RX-121-3C

ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ][GUNDAM TR-1[HZXE‘N-THLEY]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
ヘイズル・アウスラにハイゼンスレイIIの上半身強化パーツをドッキングさせています。TRシリーズならではですね。ほとんどすべてのパーツの規格が同一のため、こんなことも可能になってしまいます。この形態で完全にジム・クゥエルとは別の機体になっていますね。こんなことから型式番号も3Cとなっているのでしょう。この機体はファイバーIIやダンディライアンII、インレのコアユニットとして運用する計画も存在したということです。
RX-121-3C

ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ・ラーⅡ][GUNDAM TR-1[HZXE‘N-THLEY RAH Ⅱ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この形態と[ハイゼンスレイⅡ・ラー]の形態がこれだけ数多いTRシリーズの中でも一番戦果を挙げていたとされています。総合的にバランスがいい機体だったのでしょうね。ただ、TR-6の各機種が間に合っていれば、グリプスでの戦闘の勝敗が変わっていたかもしれないとの資料もあり、TR-6シリーズの性能は当時最高の物だったのでしょう。さらにもう一機フルドド形態のフルドドIIを腰部に装着(ただし、追加された方のフルドドIIのブーストポッドは使用しない)し、ギャプラン用のブースターを装備した形態(ハイゼンスレイII・ラー・クルーザー巡航形態)もあります。本編では間に合わなかった機体たちは「A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢」の中で火星に住むジオン残党勢力「レジオン」によって現地改修も含めて実現することになりました。
RX-123

ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア][GUNDAM TR-S []HAZEL・FLARE]
ARX-124R
ジオン系のサイコミュ・システムを搭載した、アリシア・ザビ専用のニュータイプもしくは強化人間専用の機体です。大気圏再突入を可能にしており、ましてや火星の重力圏からの脱出であれば、「キハールⅡ」のサポートのみでブースター無しでも可能となっています。MA形態時にはMS形態での脚部がクローアームとなり、機首部にメガ粒子砲が展開されるなど、可変MA特有の「一撃離脱戦法」が特徴的な戦術となり、大口径メガ粒子砲を備えることから第四世代MSに分類されています。
RX-124

ガンダムTR-6[ウーンドウォート][GUNDAM TR-6 WONDWART]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
RX-124

ガンダムTR-6[ウーンドウォート・ラー][GUNDAM TR-6 [WONDWART・RAH]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
RX124
そもそもモビルスーツの発祥は、工作用のモビルワーカーだったことを考えれば先祖返りではないですが、こういう使い方も当然ありでしょう。火星の厳しい環境の中、人間が生き抜いていくための力そのものですね。
RX-124

ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ギガンティック装備
機動戦士ガンダムMS大全集2015
『Re-boot』でのリファイン版ではサイコミュ・システムを搭載していますが、OSの書き換えで一般兵でもサイコミュ系兵装が使用できるようになっています。サイコガンダムの腕部を取り付けた場合はオールレンジ攻撃もできるとあって、レジオンで少数量産され、レジオン建国戦争に投入されています。
RX-124

ガンダムTR-6[ハイゼンスレイII] GUNDAM TR-6[HAIZEN-THLEY II]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この機体の特徴は、2機の戦闘機に分離できることでしょう。それぞれをGトップ・ファイター、Gボトム・ファイターと呼びます。プリムローズⅡを2機搭載して乗員も2名となりますが、サブ側のプリムローズⅡはメイン側からの遠隔操作で制御できるので、必ずしも搭載の必要が無いようです。
当初は「アドバンスド・ウーンドウォート」という名前で出てきましたが、その後の電撃ホビーマガジンで改名されたとの記載がありました。
RX-124

ガンダムTR-6[ハイゼンスレイII・ラー] GUNDAM TR-6[HAIZEN-THLEY II RAH]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
マルチ・アーム・ユニットで強化型ウィンチキャノンを使い、フルドドIIのブーストポッドは腰部フロントアーマーに接続し、メガ粒子砲として使用。そして当然この形態でもフルドドⅡをもう1機追加装備した第二形態、さらにギャプラン用のブースターを装備したクルーザー巡航形態があります。
そしてここまでが「A.O.Z アドバンス オブ ゼータ ティターンズの旗のもとに」で描かれている機体だと思います。これ以降は「Re Boot」に舞台を移し、火星での開発機体となっていきます。勿論、TRシリーズのデータはグリプス戦役で壊滅したティターンズの残存勢力が火星に持ちこんんだものですが、もとから火星にいた「ジオン公国軍残存勢力」「ネオ・ジオン軍残存兵力」「ティターンズ残存兵力」と3つの勢力がいましたが、敵対しつつも火星の厳しい環境の中で生き残るためには、協力関係を築かなければならなかったことなどもあり、TR-6の最終形態「インレ」の製造はティターンズの手を離れることになりそうです。またジオンといえば「サイコミュ・システム」を試さないわけはなく、そうした機体も紹介していきます。
さて、ここからは
いままでの「TR計画」に基づくきたいたちの集大成として、TR-2、TR-3、TR-4、TR-5のシリーズ全てがTR-6としてガンダムの名前が付けられます。TR-1がジム・クゥエルをベースにしているようにそれぞれ「ハイザック」「アッシマー」「ロゼット」「ギャプラン」をベースにしています。
RX-124

ガンダムTR-6 [ヘイズルⅡ][HAZELⅡ]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
ブーストポッドの変更にともない、大気圏突入は不能となっている機体ですが、火力と加速力の増大を得る事が出来たようです。ヘイズルのショートバレルタイプのビームライフルを装備していますが、資料によってはガンダムMK-Ⅴの大型ビームライフルの時もあったようです。
RX-124

ガンダムTR-6[ハイザックⅡ][GUNDAM TR-6[HI-ZACKⅡ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
もう何の機体だか判らなくなってきましたね。ショルダー部分に何とかザク系統の機体だと思わせてくれるだけで、くっつくものなら何でもくっつけちゃえ!的な発想何でしょうか?
RX-124

ガンダムTR-6[キハールⅡ][GUNDAM TR-6[KEHAAR Ⅱ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015

MA形態と中間形態
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この辺あたりまでくるとこれを「ガンダム」と呼んでいい物かどうか悩みます。レドーム装備のEWAC機も存在し「EWACキハールII」とも呼ばれています。レドームの可動域の制限があるのでMS形態はとれないようで中間形態での使用となっているようです。
またレジオンが鹵獲した機体をアリシア・ザビの親衛隊機として数機運用しています。「アッシマー」が原形の機体ですので、MA形態ではほかのMSを乗せるサブフライト・システムとしても当然使用できます。
RX-124

ガンダムTR-6[アドバンスド・キハールⅡ][GUNDAM TR-6[ADVANCED KEHAAR Ⅱ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
いくらホバリング・システムを搭載してるといえ、この脚部の細さ、頼りなさを感じてしましますね。確かに火力はかなり強化されているようですが・・・MA形態での実戦投入を主に考えていたのではないでしょうか?
RX-124
![TR-4[ダンディライアン]と同様の大気圏突入モジュールを装備した形態。機種統合計画におけるバウンド・ドックやラブスカトルの後継機。
コンポジット・シールド・ブースター
MA形態時の頭部が変形したシールド
強化型ウィンチキャノン×2
ダイダロス。ユニット(ミノフスキー・クラフト)](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
ガンダムTR-6[ダンディライアンⅡ][GUNDAM TR-6 [DANDELIONⅡ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この機体はこのMS形態からさらに武装の換装、追加が出来、侵攻・殲滅兵器として単機で運用されます。その強力な火力から目標を破壊する戦術兵器と位置付けられています。
RX-124

ガンダムTR-6[ファイバーⅡ[GUNDAM TR-6[FIVERⅡ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
ハイパー・ロングレンジ・ビームキャノンといえばTR-2[ビグウィグ]をおもいだしますね。カール・マツバラがテスト中に爆散の危険が生じたため、無理やり機体から引きはがしていました。その後、数値も安全域までもどって来たことから、あのままテストを続行していても問題はなかったのでは?無理やり引きはがして使い物にならなくすることはなかったのでは?という問いかけに、カールは「実験なんかで死んでたまるか!仲間のために命を懸ける!」と叫んでいましたね。僕としてはこのシーンがとても好きで、印象が深く残っています。後にビグウィグ・キャノン改をTR-6用に技術士官が持ち込んでいましたね。
RX-124

ガンダムTR-6[フライルーⅡ]射撃形態[GUNDAM TR-6 [HURAIROOⅡ]]SHOOTING MODE
機動戦士ガンダムMS大全集2015

ガンダムTR-6[フライルーⅡ]格闘形態[GUNDAM TR-6 [HURAIROOⅡ]]FIGHTING MODE
機動戦士ガンダムMS大全集2015
これが「ガンダム」と言われても判る人はほとんどいないんじゃないでしょうか?そもそもジオン軍の人間にとって、「ガンダム」とは敵の象徴であり、「白い悪魔」と呼ばれた憎悪の対象としては最たるものだったはずです。それが成り行きとはいえ、自分たちが使用、運用するなど考えてもみなかったでしょう。それでも「ガンダム・インレ」の完成を心待ちにし、TRシリーズの完成度を高めていくというのは何という皮肉でしょうか?
RX-124

ガンダムTR-6[ギャプランⅡ][GUNDAM TR-6[GAPLANTⅡ]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
見た目、扱いやすそうな機体ですね。デザインのバランスがいいと言うか、携行している武装もサブアームで保持してはいるものの、無理のない可動範囲がとれていそうで安心できる機体なんじゃないでしょうか?それにしても見た目はやはりギャプランに近いですね。
RX-124
![ウーンドウォートの高性能火器管制により、複数の火器を制御し、多数標的への同時攻撃を目的とする拠点防衛形態。
背部スラスターユニット上にマウントされるウェポンカーゴが、あたかも王冠のように見えることから「クインリィ形態」と呼ばれる(設定画稿の記述に[女王形態]との記述あり)。](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
ガンダムTR-6[クィンリィ][GUNDAM TR-6[QUEENLY]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
最初は「TR-6 デンドロビウムⅡ」の名称も考えられていたそうです。それほどの火器を搭載しているということなのでしょう。「インレ」の出動はコスト・政治的配慮も考慮しなくてはいけないため、その下位機種にあたるこの機体が「インレ」の代わりに出撃することが多かったようです。そして「レジオン建国戦争」を勝利に導く原動力となりました。
RX-124

ガンダムTR-6[クィンリィ]フルアーマー形態[GUNDAM TR-6[QUEENLY]]FULL-ARMER
機動戦士ガンダムMS大全集2015
地球圏にまだいた(スイートウォーター)シャアに技術協力を頼む事が出来れば「サイコフレーム」を使った最強の「サイコガンダム」が登場していたことでしょう。もっともシャアが「レジオン」などという国を認めるわけもなかっただろうし、ジオン公国ザビ家の末裔を名乗るジオンの亡霊と協力関係をむすぶこともあり得なかったでしょう。それにしても「インレ」は全長100mをこすような戦略兵器であり、これは別としてもグリプス戦役最終局面から以降、最強をうたったこの機体がもし第2次ネオジオン抗争に現れることがあったとしたら、結果はどうなっていたんでしょうね?
RX-124

ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ギガンティック形態[GUNDAM TR-6[WONDWART]GIGANTIC MODE]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
あの巨大MA「サイコガンダム」の手足を付けた状態でこのバランスのデザインということは「サイコガンダム」のMS形態とほぼ同じ大きさということですね。『Re-boot』でサイコ・ガンダムIIという名称を使い再設定したわけもうなずけます。名称から当然「サイコミュ・システム」を搭載しているでしょうし、これを敵には回したくないですね。
RX-124

ガンダムTR-6[インレ][GUNDAM TR-6[INLE]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015

射出形態,巡航形態,大気圏離脱形態(MA形態)、大気圏離脱形態
機動戦士ガンダムMS大全集2015
この形態が「TR計画」の完成形です。全長、全高共に100mを超える超大型MAです。2機のMSを同時に使用してそれぞれの分担が火器管制と操縦系の管制と分けているのがすごい発想だと思いませんか?その上、キハールⅡのみを射出出来てしまう、これはもう想像の範囲を完全に͡越されてしまいました。確かにこんなものが戦場に現れたら手も足も出せないでしょう。それにしても「ティターンズ」そのものがジオン残党軍の掃討が目的で結成されたはずが、その最終兵器をジオン残党軍が、それも火星で完成させようとしているとは・・・今後の展開はまだ判りませんが、『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』では題名通りに物語の中核を担う存在。レジオンの手によって防衛兵器としての完成が進められ、搭乗者はNT部隊のアリス親衛隊から選定される予定となっています。
RX-124

ガンダムTR-6[サイコ・インレ][GUNDAM TR-6[PSYCO・INLE]]
機動戦士ガンダムMS大全集2015
ジオンとしてはこのサイコミュ・システムを組み込んだものが「インレ」の最終形態なのでしょう。「TR計画」はコンペイトウのティターンズ開発チームによって生み出されたもので、ニュータイプに対しては敵意すら感じる組織によるものです。そのニュータイプもしくは強化人間それもジオン兵となると恐らく心情的には許せないものがあるんじゃないでしょうか?いずれにせよこの形態をもって「TR計画」は終了となるはずです。このA.O.Zの物語はこれで終了なのでしょうが、外伝とはいえもう「ガンダム」というMSの枠を完全に逸脱していますね。
終わりに
毎回、資料として使わせていただいていますが、今回も大変お世話になった本をご紹介させていただきます。
WEB版「くろうさぎのみた夢」もどうぞ
次回はサイドストリーとファーストガンダムシリーズ最後の「ガンダムUC RE0096」までを書いてみます。ぜひお楽しみに!