『ガンプラり歩き旅』その50 ~連載50回記念! 歴代1/144 ガンダム勢ぞろい! これが本当のオールガンダムプロジェクト!~

『ガンプラり歩き旅』その50 ~連載50回記念! 歴代1/144 ガンダム勢ぞろい! これが本当のオールガンダムプロジェクト!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載も、とうとう第50回を迎えました!


宇宙を駆けて今進撃する、10機のガンダム!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回、50回記念ということで紹介するのは、『機動戦士ガンダム』(1979年)主役メカ・ガンダムの、歴代の1/144キットを全て紹介するという極めつけの特別企画です!

ずらり並んだ、歴代ガンプラのRX-78 ガンダム! 撮影ブースに収まりきらない列のボリューム!

さて、今回上の写真でエントリーされた、10機のガンダムに関して語る前に。
ガンダムのキットのバリエーションを語るのであれば、もっと数があるだろうという意見もあるだろう。
特に近年では、クリアーバージョンやメッキバージョン、東京ガンダムフロントでのみ販売された特別カラーバージョンや、成型色違いのガンダム、ガンキャノン、ガンタンクを揃えた「HGUC V作戦セット」という商品もある。

しかし、そういったバージョン違いまでカウントしていったらきりがない。
特に1/144 HG Ver.G30th ガンダム等は、タイアップのセブンイレブンカラーVer.など、25種類もバリエーション展開をしているので、そういった違いまで全部揃えていたら、この連載も同じキットの話ばかりで埋まってしまう。

全ガンダム、ビーム・ライフルで一斉射撃!(1機除く) もはや「ガンダム戦隊」ではなく『特攻野郎!ガンダムチーム』である

なので、今回この10商品を選ぶに当たって、筆者基準ではあるが明確にルールを設けた。

・アニメ版『機動戦士ガンダム』(1979年)主役のガンダムのキット化であれば、どんなアレンジの商品も今回のエントリーの中に入れる。明確にアニメ版『ガンダム』を原作としていなくても、例えばモチーフがお台場ガンダムであったとしても、他の映像、漫画作品のガンダムでなければエントリーに受け入れる。
なので、はっきりと原作が他にある『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版のガンダムは、今回カウントしていない。

・金型流用のカラーバリエーション版やメッキ版、特別仕様版などはカウントしない。
明確に「その商品のために、金型がゼロから作られた」ガンダム単位でカウントする。例えば、HGUC 050 Gアーマー付属のガンダムは、HGUC 021 ガンダムの微改修版であり、そもそもHGUC 021 ガンダムが、Gアーマーを見越して設計されていたからこそのマイナーバージョンなので、今回は勢ぞろいにはカウントしていない。

それでは、歴代の10機のRX-78 ガンダムの1/144キットを、順を追って紹介していこう。
どのガンダムキットも、これまでの連載で一度は紹介しているので、今回は、『機動戦士ガンダム』テレビ版のオープニングで印象的だった決めポーズの

本編演出でもバンクで使用された、ビームライフルを撃つ決めポーズ!

このカットを、各ガンダム単位で再現した画像を、それぞれの解説の最後にお送りすることで、個々の味わいの違いを感じて欲しい。
それでは、1/144 ガンダム37年間の歴史の流れを、一気に駆け抜けてみよう!

まずは、1980年7月に発売された、最初の1/144 ガンダム。これを今回は「初代」と呼ぶ。

初代1/144 ガンダム

全てはここから始まった。
バンダイは既にベストメカコレクションシリーズを展開し始めていたとはいえ、スーパーロボットアニメのプラモデル化全盛期を知る者からすると、オリジナル合体要素も、ゼンマイ歩行もスプリングパンチ発射ギミックもない、プロポーションと可動優先のアニメロボットのプラモデルは、この1/144 ガンダムが大きなインパクトを与えたと言い切れる。

初代にして、完成度の高い顔

この初代の優れたところは、ガンプラの始祖としてのパイオニアという冠だけではなく、その顔の造形が、1980年の初代にして、その後のHG以降までの、どんなガンダムバリエーションガンプラと比較しても「安彦良和顔」だということも挙げられる。
成型色は白オンリーで、全塗装必須だが、このキットで、初めて「プラモデルを塗装する」という行為を覚えた、当時の少年も多かったであろう。
初代にして偉大なガンダムである。

さすがに初代ゆえにポーズが固いが、1980年のロボットプラモが、ここまでのポーズが出来る方が凄かったのである

さて次は、1981年9月に発売された、1/144 Gアーマーのキット付属版の1/144 ガンダム。こちらは今回の記事では「GA版」と呼ぶ。

Gアーマー版なので、シールドを2枚装備している!

パッと見は初代と同じだが、顔の造形や肩の接続方式などが根本から変えられており、構造やサーベルの角度などが、Gアーマーに合せて再設計され、いわば「1/144 ガンダムVer1.5」とでもいう存在なので、今回の勢ぞろいに参加させた。
初代との、ギミック的な違いは、Gアーマーと各種変形合体するために、上半身と下半身で分割できるようになっていることと、Gアーマー時にシールドがしっかり腕にロックされるように、肘に固定するフックと、拳の外側に刺すピンが追加されていること。

分割されるGA版のボディは、合体させればしっかりロックされる

シールドは、肘と拳の外側の、2か所でホールドされている

初代(左)とGA版(右)の比較

こうして並べてみると、胸のダクトの角度や、ふんどしのV字マークの位置や角度など、さまざまな違いが見受けられ、GA版が新規造形であることが確認できる。

GA版の顔

惜しむらくは、GA版はカメラアイが左右に長く細いため、アニメ劇中の作画への似せ方は、初代よりも退化してしまったことか。

初代同様、上腕にロール軸回転可動がないので、このポーズが精一杯

続いては、1990年3月に発売された、初代1/144 HGガンダム。これを今回は「初代HG」と呼ぶ。

色分けが成型段階からされているガンプラも、HGの冠をつけたガンプラも、これが最初のキット

このキットも既に連載で紹介済みだが、一つ言い足せることは、「全身フレームに装甲」という組み合わせと「スカートがプレートアーマーとして分割」という要素は、ガンダムでは『機動戦士Zガンダム』(1985年)、サンライズロボットアニメでは、その前年の『重戦機エルガイム』(1984年)で、メカデザイナーの永野護氏が、ロボットアニメに持ち込んだ設計概念であるということ。
このキット以降、『機動戦士ガンダム』のモビル・スーツのガンプラも、デザインリファインされる時は、それらの要素が主流になっていく。

バックパックにバーニアが付いた最初のガンダム

「半完成済みのフレームに、装甲を被せていく組み立てスタイル」は、20年後のリアル・グレードのガンダムにも受け継がれているが、フレームの可動強度に弱点があるという難点も、そのまま受け継がれている。

初代HGの顔

マスクの出来は、今でも通用するクオリティの高さだが、キット自体が絶版になってしまったこと自体が惜しい。

まだ少しポーズが固い?

上腕ロール可動軸は当然装備しているので、過去のガンダムよりはアニメに近いポーズになったが、肩のスウィング可動がないので、ライフルの角度が調整できない画像になった。

ガンプラガンダム4代目は、1999年7月に発売された、1/144 FGガンダム。これを今回は「FG」と呼ぶ。

写真だけでは分からないが、これも初代同様、商品の成型色は白だけである

FGは、ガンプラが本格的にカトキハジメ氏のデザインアレンジを、別機体扱いではなく、リファインとして採用し始めた時代の代表的な商品例となった。

意外と顔だけを見ると、正統派的なガンダム顔である

カトキハジメ氏アレンジのガンダムは、肩アーマーのアレンジや、胸の黄色いダクトが、形状変化と共に独立して別パーツ化しているところなどが特徴で、しかし、RX-78 ガンダムのVer.kaのガンプラは、未だ決定版がないということもあって、このFGにも根強いファンは多い。

FGの可動箇所と範囲は、初代準拠レベルである

しかし、初代と比較した時に、上腕ロール軸が追加されたことによる、ポージングの幅の広がりは意義が大きく、賛否両論別れるが、このキットを徹底的に作り込むことで、オンリーワンの「1/144 RX-78 ガンダム Ver.ka」が作れるという意味では、ユーザーを試すキットとしても、趣は深いだろう。

単独の画像として見れば、格好良いガンダムである

肩のスウィングがないと、どうしても限界は出てしまう。
可動に拘って手を加えるか、ディテールや細部にこだわって改造するか。作る人が選ぶ楽しさがあるキットではある。

ガンダムキット5作目は、2001年5月に発売された、1/144 HGUC 021 ガンダム。これを今回は「HGUC 021」と呼ぶ。

満を持してHGUCに登場したガンダム!

FGとは真逆に、極力アニメでのデザインやシルエット、バランスを尊重したリファインをされたガンダム。
可動面など、今の最先端基準からすると厳しい部分も目立ってきているが、そのバランスの良さから、今でもこのキットをオールタイムベストに推す古参ファンも少なくない。

カメラアイ周りのシール処理が目立つが、アニメ準拠の男前の顔造形

この頃には既に、「ガンダムの顔」の造形と再現性は最高レベルにまで達しているので、後は好みの問題での選択が主になってくる。
後は技術的な問題では、カメラアイ周りの色分けを、色分けパーツとシールで、どのようなアプローチで再現するかの問題ぐらいだろう。

最新のモデルほど可動はしないが、アニメ劇中のポーズ再現であれば十分なアクションが可能

可動範囲も、箱型デザインや当時の技術論から逆算すると、相当動く出来にはなっている。今の目で見てもそん色はないだろう。最新版REVIVEキットのアレンジなどに違和感を覚える人にはこれがお勧め。頭身なども、いわゆる「安彦プロポーション」の究極であるともいえる。

今回の再現画像の中で、最高の出来を誇る仕上がりの一枚

安彦プロポーションの完全再現ゆえに、テレビ版ガンダムを再現する時は一番しっくりくるのがこのキット。
シミルボン『機動戦士ガンダムを読む!』再現画像でも、『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』(1981年)までの殆どでは、このキットを使用している。

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