「行動派鉄道ファン」とは何ぞや?。
今や東京から山陰・出雲市へ向かう「サンライズ出雲」の車窓の様子がyoutubeで家で寝っ転がって見られる時代となりましたが、本当の鉄道ファンはそんなフヌケではダメなのです!!。
いつもと違う車両が鉄路を走るなら、雨だろうが雪だろうがカメラを持ってどこへでも撮影に行く者こそ鉄道に全ての身を捧げるモノノフであります。
しかし、「いつもと違う車両がいつ走るんだ?」という情報は、電話などでは鉄道会社では一切教えてくれません。電話などしたら業務妨害であります。
しかしそれを公式に教えてくれるのが、この「モノノフのための雑誌」鉄道ダイヤ情報なのです!!。
「鉄道ダイヤ情報」1991年2月号 表紙

なあんだ、これは普通の鉄道雑誌だべさ、と思いながらページをめくると、そこには・・・。

これが「ダイヤ」の「原石」です。
鉄道ダイヤ情報 1991年2月号 112ページより引用。
これを読みこなしてこそ、一流の鉄道ファンなのです。
まあ、これはこの書籍の中のごく一部であり、これを翻訳したものが、わかりやすく掲載されていますので、多少ヘタレのモノノフでも、安心して撮影ができるわけです。
この号では、どんな情報が・・・?。
この雑誌は、名前の通り、「ダイヤ情報」ですので、基本的には電車の詳しい紹介などはされていません。
後半はひたすら「どんな珍客がいつ、どこを走るのか?」が書かれています。
ただ一部に「普通の鉄道雑誌」っぽい内容も記載されています。
「新車トピックス」成田エクスプレス253系

首都圏の方にはおなじみ、「初代成田エクスプレス」ですね。
「成田エクスプレス」と表現するのは素人。ファンなら「N'EX」と標記します。
253系は、今は成田エクスプレスからは完全に引退し、観光列車として運行されています。
【羽田空港に負けるな!】成田空港のアクセスが便利になったのは1991年から - Middle Edge(ミドルエッジ)
この号では、どんなダイヤが掲載されているのでしょうか。
ぱっと見て「おっ!」と思ったのは、小田急20000系の甲種回送ダイヤ。
【富士山を両側から登った電車】JR東海371系【青から赤へ華麗な転身】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
20000系は、タッグを組んだJR東海371系とともに、今は富士急行で特急として活躍しているようです。

小田急20000系。
小田急20000形電車 - Wikipedia
兵庫県の川崎重工業で製造された新車・20000系は、1991年1月18日に、兵庫を10:55に出発し、安城で日付をまたぎ、小田原に7:54に到着。小田原で昼寝をして、さらに翌日の0:02に小田急線に入り、相模大野の車庫に2:08に到着するダイヤとなっています。
北アルプス号もこの号に掲載。
名鉄新名古屋(現在は名鉄名古屋)の地下駅で思い切り排気ガスを出しながら、地下区間を走行する珍しいディーゼル特急・北アルプスも、この時2代目が新造され、甲種回送されています。

名鉄は、日本屈指の鉄道車両メーカー、日本車輛が地元にあるので、この甲種回送はあっさりしたものです。
1991年1月31日に、豊川を10:30に出て、目的地笠寺に13:34に到着。
豊橋ー名古屋ー岐阜で激しい競争をしている名鉄とJRが乗り入れしていたという、なんとも不思議だった「北アルプス」号。
この時新造された8500系は、どこに行ったのでしょうか。
会津鉄道を退いた後、オークションで個人に購入され、大震災により福島・会津若松に展示された後、さらに2015年にマレーシアに渡って、ファーストクラスの急行として、再び乗客を乗せて現役復帰しているようです。

マレーシアに渡った8500系(youtubeより。)
サバ州立鉄道 元名鉄キハ8500系 Tanjung Aru~Putatan間高速走行 - YouTube
ご覧ください。この流麗な姿。
日本で活用できる場がなかったのは残念ですが、マレーシアで活躍しているのは非常にうれしいことですね。