【オール2階建て通勤電車登場】鉄道ジャーナル【1992年6月号】を振り返る

【オール2階建て通勤電車登場】鉄道ジャーナル【1992年6月号】を振り返る

鉄道雑誌は数多くのものが出版されていますが、私が主に購読しているのは、「鉄道ジャーナル」「鉄道ファン」「鉄道ピクトリアル」です。今回は、「鉄道ジャーナル」の1992年6月号(通巻No.307)から、オール2階建て通勤電車の登場を振り返ります。


鉄道ジャーナル 1992年6月号表紙。

この近辺の時期の鉄道ジャーナルは、もう「新幹線のぞみ」特集が続いており、こちらの表紙も300系新幹線電車デビューの華々しい表紙となっています。
「のぞみ号」について、一番詳しく書いてある号ですが、既に記事にしましたので、それ以外の鉄道シーンから、ピックアップしてみたいと思います。

300系のぞみ号の記事はこちら。

【新幹線のぞみ300系・山形新幹線登場】鉄道ジャーナル【1992年5月号】を振り返る - Middle Edge(ミドルエッジ)

オール2階建て通勤電車 215系登場!。

バブル経済は既に崩壊した1992年ですが、バブル経済の影響で土地が値上がりし、住宅地は遠くへ遠くへ、と広がっていた時代です。
遠距離から立って通勤し、クタクタになっていたサラリーマンにJR東日本が救世主を送ります。
それが、「オール2階建て通勤電車 215系」です。

裏辺研究所さまサイトから引用させていただきました。

オール2階建て通勤電車「215系」

215系近郊型電車 - 日本の旅・鉄道見聞録

先頭車と最後尾こそ、機器の搭載のため1階部分は座席がありませんが、10両編成オール2階建てという、おそらく日本初の通勤電車がこの年登場します。
座席数も、1編成1010席というすごい電車です。

「快速アクティー」の電車として憧れの電車に。

【迷列車で行こう 第1回】 東海道線 快速アクティー ( 鉄道、列車 ) - 管理人こうの趣味のページ—鉄道館 - Yahoo!ブログ

上のブログに快速アクティーの歴史が書いてあります。
東海道線という、日本で一番忙しい路線に、「アクティー」というしゃれた名前で登場した快速。
そこに、オール2階建てという度肝を抜く車両が投入されました。
JR東日本としては、熱海という一大観光地へ観光客を輸送する際に、競争相手となるのがJR東海の管轄である東海道新幹線だったので、新幹線への対抗の意味もあったかもしれません。あくまで個人的な想像ですが。

215系の魅力はなんといっても「2階席からの展望」。

華々しく登場した215系を報じる鉄道ジャーナル。

鉄道ジャーナル 1992年6月号 48、49ページより引用。

215系の魅力は、なんと言っても、2階部分からの展望です。
これは素晴らしいものがあります。
2階部分は、駆動部分(モータ等)から離れているので静粛性も高く、極上の旅気分を、普通料金のみ、時期によっては「青春18きっぷ」でも味わえます。

駅のアナウンスがまた秀逸。

快速電車ということもあるとは思いますが、215系の登場時は、駅のアナウンスで、「この電車は普通乗車券のみでご乗車になれます。」とわざわざアナウンスがありました。
ドアが開くと、みんな2階席の座席確保にダッシュです。
かなりの割合の人が、始発の東京駅から、終点の熱海駅まで乗りとおす人だったのではないでしょうか。

アクティーの半分は215系ではなかった。

これは記憶でしかないのですが、当時の時刻表には、215系のアクティーか、そうでないかが書いてあったようにも思えますが、時刻表をろくに調べないで、215系アクティーにルンルン気分で乗ろうとしたら、113系が、アクティーの字幕を出してやってきたこともありました。
113系はもちろん従来の車両で、2階建てではありません。しかもピカピカの215系と違って、いぶし銀の味わいの深い「湘南電車」ですので、「アクティー」という名前と、113系のオンボロさ、モータ音の轟音などとのギャップが激しく、乗っていながら思わず苦笑したものです。

113系快速アクティー。

国鉄113系電車 - Wikipedia

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