ほとんど失敗?!アントニオ猪木が起こしたサイドビジネス特集

ほとんど失敗?!アントニオ猪木が起こしたサイドビジネス特集

プロレス界で数々の伝説を残した偉大なる男・アントニオ猪木。その豪快な生き様を語る上で欠かせないのが、彼の手掛けてきたさまざまなビジネスです。そのほとんどが失敗であり、時に数十億円もの借金を拵えながら、果敢にあれこれ手を出していったその軌跡を振り返っていきます。


不世出の傑物・アントニオ猪木

「小学5年生だった頃の猪木は教室に入ってくるとき、よく扉の上枠に頭をぶつけていた」

これは、アントニオ猪木と同じ母校だった筆者の小学校に残る逸話です。当時、見上げるほど高かった教室の扉。それ以上の長身だったという40年前に卒業した郷里の英雄の話を聞き、そのスケール感に圧倒されたものです。

実際、アントニオ猪木という人物は、規格外のスケールを有した傑物です。現代プロレスの礎を築いただけではなく、モハメド・アリとの異種格闘技戦をしたり、スポーツ平和党を結成したり、湾岸戦争で日本人人質解放のために尽力したりと、特にプロレス好きではない筆者でも知っているほどのトリックスターぶりで、世間に多大なインパクトを与え続けています。そんな旺盛な好奇心ゆえか、猪木はさまざまなビジネスにも着手しているのですが、そのほとんどがプロレスラーや政治家ほどの成果を挙げられていません。しかし、いずれの事業も猪木らしいユニークさに溢れているので、今回はそんなアントニオ猪木が推進したサイドビジネスについてまとめてみたいと思います。

アントン・トレーディング

の名が示す通り貿易会社です。70年代に設立された同社は、マテ茶やスペアリブ、ひまわりのタネ(アントンナッツ)といったブラジルの物産販売を目的としていました。中でも有名なのが、タバスコの代理店契約。もともと終戦直後、進駐軍によって持ち込まれたタバスコは、アントン・トレーディング社誕生以前から喫茶店に置かれるなど、国内で一定の市民権を得ていました。しかし、この有名プロレスラーが輸入に携わったことで、一気に知名度が上昇。「タバスコを持ち込んだのは猪木だ」との俗説を生むきっかけとなったのです。

今ではすっかりおなじみの嗜好品となっているタバスコですので、さぞかし大儲けしたのだろうと思いきや、決してそんなことはありません。当時の猪木は、別件で多額の負債を抱えていたために代理店契約をすぐに解除してしまったのです。彼が利権を手放してから、「激辛ブーム」の影響によりタバスコの需要は飛躍的に向上。まさに逃した魚は何とやら…です。

Tabasco タバスコ ペッパーソース

Amazon | Tabasco タバスコ ペッパーソース 355ml | TABASCO(タバスコ) | 唐辛子 通販

アントン・フーズ

こちらは、アントン・トレーディング社が輸入してきた食品・食材の販売を担う会社です。基幹事業は、スペアリブ(アントン・リブ)料理を提供する六本木のレストランチェーン。他にも健康食品などを取り扱っていましたが、やはり業績は振るわなかったようです。

スペアリブ

Amazon | 特選松阪牛専門店やまと ポーク スペアリブ 厳選豚 無添加 (約450~530g) 2~3名様用 自家製スパイシーダレ (真空パック) | 特選松阪牛専門店やまと | 味付肉 通販

アントン・ハイセル

1970年代のブラジル政府は、石油の代わりにサトウキビから精製したアルコールをエネルギー源として使用する研究を進めていました。しかし、その精製過程で出来るアルコール廃液と絞りかす(バカス)が問題に。バカスを放置すれば土質が悪化し、牛などの家畜に与えてみても下痢をしてしまう…。そこで立ち上がったのが、我らがアントニオ猪木です。

サトウキビ

サトウキビ - Wikipedia

猪木は妻・倍賞美津子の友人から紹介された男に「バカスの中に含まれる下痢の元となるリグニンという物質を食べる細菌がある」と聞かされ、この事業の可能性に着目。もしも、リグニンを食べる物質が実用化されれば、バカスによる公害はなくなるし、バカスを食べた牛の糞を有機肥料として資料すれば農業生産率のUPにもつながるではありませんか。

倍賞美津子/さよなら

Amazon | さよなら (MEG-CD) | 倍賞美津子 | ミュージック | 音楽

ということでアントン・ハイセルが立ち上げられたわけですが、日本とブラジルの気候の違いによりバカスを食べる物質がつくられない、ブラジル国内のインフレによる生産コストの急騰、そもそも牛がさとうきびの絞りかすを食べるのか不確定など問題が山積し、結果として、数年のうちに経営破たん。猪木は数十億円にも上る莫大な負債を抱えるに至ったのでした。

永久電気

事業家・アントニオ猪木には、2人の男のマインドが宿っています。一人は師匠の力道山。もう一人は父親の猪木佐次郎です。力道山はプロレスラーの傍ら、総合スポーツレジャービル「リキ・スポーツパレス」、高級賃貸住宅「リキマンション」、ナイトクラブ「クラブ・リキ」などを経営したバリバリの実業家。一方の猪木が5歳の時に逝去した父・佐次郎は、石炭問屋の経営者。2人の遺伝子を受け継いだ猪木だからこそ、力動山のように果敢に事業へチャレンジした末に、無き実父が志したエネルギー事業の究極系「永久電気」へとたどり着いたのでしょう。

2002年3月12日。ホテルオークラで多くのマスコミ関係者が見守る中、永久電気「Inoki Natural power-VI」の開発記念記者会見が行われます。人類恒久の夢がついに実現したとして誇らしげな猪木。そして、いよいよデモンストレーションとして起動スイッチをオン!…しかし、点灯するはずの電光板に光は灯らず。「午前中は動いていたんですけどね。一週間くらい調整して、それで動かないようならダメですね!ガハハハハ!」と豪快に爆笑。もちろん、一週間後も動きませんでした。

アントニオ猪木という名のパチンコ機オフィシャルDVD

Amazon | アントニオ猪木という名のパチンコ機オフィシャルDVD | アニメ

(こじへい)

関連する投稿


猪木vsアリ戦の舞台裏を再検証!プロレス専門誌『Gスピリッツ』最新号が1976年の日本マット界を特集

猪木vsアリ戦の舞台裏を再検証!プロレス専門誌『Gスピリッツ』最新号が1976年の日本マット界を特集

辰巳出版は、プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.79を3月25日に発売します。今号の特集は「1976 昭和51年のプロレス」。アントニオ猪木vsモハメド・アリの“世紀の一戦”をはじめ、新日本・全日本・国際プロレスが激しく競い合った1年を、当時の関係者による貴重な証言とともに独自の視点で掘り下げます。


猪木の伝説的な試合の数々を純金で再現!『燃える闘魂アントニオ猪木 純金カードコレクション』が発売決定!!

猪木の伝説的な試合の数々を純金で再現!『燃える闘魂アントニオ猪木 純金カードコレクション』が発売決定!!

ニッポン放送プロジェクトより、プロレスラー・アントニオ猪木の伝説的な試合の数々をK24(純金)で再現したコレクターズアイテム「アントニオ猪木 純金カードコレクション」が発売されることが発表されました。


桜庭和志  初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

桜庭和志 初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

かつてサムライの国がブラジルの柔術にガチの勝負で負けて「日本最弱」といわれた時代、舞い降りた救世主は、180cm、85kg、面白い上に恐ろしく強いプロレスラーだった。


1975年の新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスを再検証!プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.75が発売!!

1975年の新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスを再検証!プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.75が発売!!

辰巳出版より、プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.75が現在好評発売中となっています。価格は1540円(税込)。


獣神サンダーライガー  山田恵一がライガーのマスクをかぶるまで

獣神サンダーライガー 山田恵一がライガーのマスクをかぶるまで

獣神サンダーライガーの中身は山田さんは、超一途、超根アカ、超ピュア、超ポジティブなナイスガイ。


最新の投稿


昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

国立公文書館で「昭和100年記念特別展」が開催中。昭和の日本人が挑んだ南極・深海・宇宙という3つのフロンティアをテーマに、JAXA名誉教授や南極観測隊長ら豪華講師陣によるスペシャルトークセッションや展示解説会が実施されます。歴史的公文書と共に、未知なる領域へ挑んだ先人たちの情熱と軌跡を深掘りする貴重な機会です。


昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100周年を記念し、東宝・松竹・KADOKAWA・東映・日活の邦画5社がタッグを組んだ特集上映が池袋・新文芸坐で開催。山田洋次監督のトークショーや最新の4Kリマスター技術を語るイベントも実施されます。銀幕のスターが蘇る名作10選とともに、日本映画の黄金期をスクリーンで体感できる貴重な機会です。


『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

1946年の連載開始から80年。昭和を代表する漫画家・長谷川町子の名作『サザエさん』全68巻と『いじわるばあさん』全6巻が、ついに初の電子書籍化。戦後日本の生活や家族の姿を鮮やかに描いた不朽の名作が、スマホやタブレットでいつでも楽しめるようになります。時代を超えて愛される原作の魅力に迫ります。


エリザベス女王生誕100周年!南青山で「英国王室が愛した名車」展が4月28日開幕、ベントレーを特別展示

エリザベス女王生誕100周年!南青山で「英国王室が愛した名車」展が4月28日開幕、ベントレーを特別展示

南青山の「ヴァルカナイズ・ロンドン」にて、エリザベス2世女王生誕100周年を記念した特別イベント「英国王室が愛した名車」展が2026年4月28日より開催されます。英国王室御用達の「ベントレー」特別車両の展示や、ロイヤルファミリーと名車の絆を紐解く貴重な写真展など、英国文化の神髄を体感できる2週間です。


昭和の食卓がよみがえる!懐かしの食品が大集合した『日本懐かし食品大全』が4月21日に発売

昭和の食卓がよみがえる!懐かしの食品が大集合した『日本懐かし食品大全』が4月21日に発売

辰巳出版は、昭和の時代に日本の家庭を支え、賑わせてきた即席・レトルト、冷蔵・冷凍食品、調味料、おやつなどを網羅した新刊『日本懐かし食品大全』を2026年4月21日に発売しました。当時のパッケージと共に昭和の食卓の歴史を振り返る本書は、40代以上の世代には懐かしい記憶を呼び起こし、若い世代にはレトロな食文化として楽しめる一冊です。