概要ゥ!!

『ジョジョの奇妙な冒険』PS移植版のパッケージ
PS ジョジョの奇妙な冒険 格闘ゲーム 第3部 - ヤフオク!
ジョジョの奇妙な冒険は漫画『ジョジョの奇妙な冒険』Part3『スターダストクルセイダース』を原作としたカプコン製作の対戦型格闘ゲームです。
1998年にアーケード版が稼働し話題を呼びました。
ゲームバランスは即死・永久なんでもありで壊れ気味でしたが、システム自体の完成度は高い上に非常に細かい原作再現を行なっており、現在でもなお高い評価を得ています。
翌年1999年にはオリジナルのモードを追加してPlayStationに移植されました。同年11月にはドリームキャストでも移殖版が発売されています。
ゲームシステムだッ!
1998年に一作目「ジョジョの奇妙な冒険」、1999年に「未来への遺産」の稼働が開始。基板はCPシステムIIIでした。操作形態はレバー+弱・中・強・スタンドの4ボタン。
本作の特徴的なシステムに「本体モード」と「スタンドモード」があります。原作におけるスタンドについては最早説明不要ですね。プレイヤーキャラの多くはスタンドで戦闘を行い、半数以上はスタンドボタンを押すことで二つのモードを切り替えることが出来ます。モードを切り替えると技の性能が変化し、それぞれのモード専用の技もあります。スタンドモードではカプコンの「ヴァンパイアシリーズ」のチェーンコンボに似た連続攻撃「スタンドラッシュ」が使用可能で削りダメージ無効、ダウンしないなどの利点がありますが、攻撃を受けることで「スタンドゲージ」が空になると「スタンドクラッシュ」が発生し大きな隙ができるというリスクがあります。また回り込みや中・大ジャンプといった特殊行動は本体モードでしか使えません。本体とスタンドが分離できるキャラは本体モードでスタンドと同時攻撃が出来ます。
「タンデムアタック」…だとォッ!?
スタンドモードが存在するキャラだけが「タンデムアタック」を使用出来ます。スタンドボタンを押している間にコマンドを自由にプログラムし自動で動くスタンドと本体の同時攻撃が可能な「プログラムタイプ」と、スタンドモードのキャラが全ての技を全ての技でキャンセルできるカプコンの「ストZEROシリーズ」の「オリジナルコンボ」に似た状態になる「リアルタイムタイプ」が存在し、キャラによって異なります。スタンドモードがないキャラがシステム的に不利と思える程強力な技になってしまっています(笑)。
家庭用に移植!移植ゥ!!
移植版はPS版の無印、DC版の「未来への遺産」、PS3/Xbox360版の「未来への遺産HDVer.」が存在します。
PS版は無印のキャラに加え「未来への遺産」で追加されたキャラが使えます。スタンドが減色していたり、各キャラストーリーのデモがOPEDを除き削除されていたり、各技の性能や演出の変化がある等、全体的に見れば移植度は低いのですが、原作のストーリーに沿ってプレイヤーキャラになっていないキャラともミニゲームで戦える「スーパーストーリーモード」が実装されています。
また、それ故か移植度の低さにも関わらず中古価格が暴騰しています。
DC版は無印と「未来への遺産」のカップリングとなっており、どちらも移植度が高いです。そのためDC版の移植度とPS版の独自要素を兼ね揃えた完全版の発売という贅沢な望みを抱くファンが後を絶ちません。
HDver.は「未来への遺産」のほぼ完全な移植となっており、PS版の独自要素はカットされています。またその名の通りグラフィックがHD化され、オンライン対戦も実装されました。ただし全キャラの防御力を均一化するという乱暴なバランス調整のため、「あるキャラクター」の強さに手が付けられなくなっています。
対戦動画だッ!!
動画はHDリマスターですが、流石はカプコンさん!
すごくいい動きです。
「長所」…ってやつだぜッ!
初心者でも容易に遊べる爽快感!
原作さながらの「スタンド使い同士の異常な戦い」を見事に再現しています。また、キャラの一挙一動が細かくしっかりと作られています。さらに一部の技がHit数過剰だったりと、爽快感に溢れています。
必殺技のコマンドが全体的に簡単なので初心者でも容易に技を出したり、そこそこコンボをつなぐことができ、格ゲー初心者も十分楽しめる内容となっています。しかし、それでいてマニアックな仕様やテクニックも存在するため奥が深く、熟練者との対戦も面白い。というモノに仕上がっています。
最高峰の原作再現度!
戦闘終了時に表示される文字「再起不能(リタイヤ)」は原作で頻繁に用いられる単語です。
ゲーム中でもカットインをコマ割していたり、キャラクター選択画面が漫画のページになっていたりと、漫画っぽさを取り入れた多数の演出は他に似る物の無い、独特な世界観を表現しています。
ゲージを消費する技でとどめを刺されると血を吐いたモノクロのカットインが表示されますが、これはそのキャラクターが原作漫画内で致命的ダメージを負ったシーンのコマをほぼそのまま使っています。また、チャカの場合相手のカットインが真っ二つになったり、ホルホースなら銃痕が表示される等、といった凝った演出も多数搭載しています。
また、一部の技を当てると非常に独特な「ズギャ---ン」等の擬音が表示されます。擬音としてはやや風変わりな物ですが、コレもまた完全に原作通りです(笑)。
承太郎の「オラオラ」とDIOの「無駄無駄」がぶつかり合うと原作再現の鍔迫り合いが起きたり、DIOの時止め攻撃最中に承太郎の「スタープラチナ・ザ・ワールド」で時止め返しが出来たり、誇り高き血統ジョセフ(第二部の若かりしジョセフ)が挑発で「次にお前は○○と言う」(○○の中には相手の挑発時の台詞が入る)と言ってくれたりと、原作ファンなら感涙ものの数々の仕様が施されています。
声優陣は本作独自のキャスティングでした。どのキャラクターもハマり役との声が多く、その評価は極めて高いです。特に当時は名脇役声優だったDIO役の千葉一伸氏の「無駄無駄無駄無駄!!」の叫びは多くのプレイヤーの度肝を抜いた迫真の演技でした。
フフフ……「短所」ですよ
短所(アーケード版)
ゲームバランスが悪い
初代ではほぼ全てのキャラクターにお手軽即死、永久コンボが多数存在するなどかなり壊れたバランスになっています。
ただし逆に言えばほぼ全員がかなり尖った部分を持っているということでもあり、「むしろ逆にバランスが取れている」と言われることも。
バグがやや多く、まだこの頃は調整が足りていない部分も散見されます。
短所(移植版)
移植版『未来への遺産』では全体的な調整が行われ、(前作と比べれば)ややマイルド気味なバランスとなりました。
しかし、下記に挙げる1匹は恐ろしい壊れ性能を有していたのです…。
それが、格ゲー史上に残る壊れキャラ「ペット・ショップ」です。ハヤブサです。
1匹だけ別次元の強さを誇るペット・ショップ。全キャラクターに対して有利、それも7:3~10:0クラスの超高性能です。
その主な要因は設置型飛び道具の必殺技「アイスィクルピック」。攻撃ボタン押しっぱなしでつららを設置し、時間と共に大きくなっていき、成長後にボタンを離すことで任意につららを落とす飛び道具なのですが、中段技であるため設置したまま本体が攻め込んでダッシュ下段技を同時に当てると実質ガード不能!コンボの中継にも最適で威力も高く、ガード中に設置してガードしたまま発射でき相手の攻めを簡単に切り返せるのです。さらに設置硬直はほとんど無し、1ボタンで発動できるため弱・中・強で同時に最大3本設置可能、とやりたい放題できる異常な性能を誇っています。
勿論上記のつららだけのキャラという訳ではなく、通常技が全体的に素早くて使い勝手が良く、さらにスタンドボタン1つのみで連射でき、レバーで撃ち分け可能な飛び道具「キルフリーズ」、相手をホーミングする飛び道具の「フリーゾン」、相手の足下を氷漬けにし追撃可能な「デスフリーズ」、ゲージを腐らせること無く色々な状況に対応できる各種スーパーコンボなど、技性能が何から何まで優秀で、コンボ火力も非常に高いです。
そのうえ一人だけ空を飛んでいて食らい判定も小さいので攻撃が当たりにくいなど、強い部分しかないと言っても過言ではないでしょう。唯一の弱点としては防御力の低さがありますが、ほとんど弱点になっていません。
このためデフォルトキャラクターにも関わらず大会では使用禁止という措置が取られることも多かったのです。
「1人だけ出るゲームが違う」と言われる強キャラッ!?
総評をッ!まとめるまで!書くのをやめないッ!
今回の作品は前年、静かに終焉を迎えようとしていたアーケード対戦格闘ゲームブームの中で、異彩を放った傑作『ジョジョの奇妙な冒険』でした。いかがでしたでしょうか。
この時に使用されていたのがCPシステムIIIという基板でして、2D用システムとしては非常に高い性能を誇っており、アニメーションパターンが多く、なめらかな動きをするゲームに向いたものでした。『ウォーザード』や『ストリートファイターIII』などが代表作ですね。
移植版を作る際、当然すでに時代遅れの機種となっていたプレイステーションでは、移植はできたとしても、また大量にアニメーションパターンが削られるんだろうなぁと、「ヴァンパイアの悲劇」を思い起こしたものでした。
結果として、その懸念点はその通りになったのですが、削らざるを得なかったものの埋め合わせとして新たに実装された「スーパーストーリーモード」の作りこみが素晴らしく、そのためだけにPS版を買っても惜しくないほどの出来に、私たちは「最高に買いッてやつだ!」と叫んだものです(笑)。
細かな演出と原作再現が魅力というわけですね。原作が持つ独特かつ異質な雰囲気を忠実に再現しており、その独特の雰囲気に引き込まれたプレイヤーが原作にも興味を持っていった…はず。
スタンドシステムも他の格闘ゲームと一風変わった攻め方が出来ると好評でした。
はっきり言ってしまえばバランスは非常に悪く、格闘ゲームの出来としては決して褒められたものではありません。しかし、欠点を上回るほどに爽快感とジョジョらしさにあふれているため、ファンも十分に納得の出来る一品だったのですね!
余談
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。
出典元はコチラです。
ジョジョの奇妙な冒険シリーズ - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ
ジョジョの奇妙な冒険 (AC) - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ