安達祐実の出世作となった『カリー工房』テレビCM
当時10歳、子役時代の安達祐実(あだちゆみ)が出演し、俳優・小林稔侍との絶妙な掛け合いと「具が大きい」のキャッチコピーで話題となったハウス食品『咖喱(カリー)工房』のテレビCM。
「具が大きい」以外にもあった初期バージョン
「具が大きい」のイメージが強すぎて、記憶に残っていない人も多いが実は新発売を告知するバージョンのCMも初期に放送されていた。
話題になった「具が大きい」はシリーズ化されていった。
娘役の安達祐実による可愛らしい仕草や表情と、父親役の小林稔侍による味のある演技が絶妙な空気感を醸し出し、「具が大きい」のCMはあっという間に話題となり、1991年の流行語にも選ばれた。
出演者二人の演技力と巧みな演出は、「具が大きい」という単純なキャッチコピーを流行語にまで変えてしまった。
大ヒットになった『咖喱工房』のテレビCMは、「具が大きい」の訴求を軸に小林稔侍と安達祐実の親子の掛け合いを楽しむシリーズとして数多くのバリエーションが制作された。
安達祐実は『咖喱(カリー)工房』以外も、ハウス食品のテレビCMに多く出演している。
「具が大きい」の前には『クリームシチュー星の王子さま』、『白雪姫のホワイトシチュー』、『バーモントカレー』にチョイ役で出演。
「具が大きい」の後には『フルーツインゼリー』、『ふっくらケーキ屋さん』に出演している。
小林稔侍もハウス食品『特選生わさび』に出演しているが、二人が共演したのは『咖喱(カリー)工房』だけである。
1995年には小林稔侍が離脱。
1991~1994年まで母親役は変われど、父親役・小林稔侍と娘役・安達祐実は不動であった。
このCMで知名度を高めた安達祐実はドラマ・映画・CMに続々起用されて、1994年には日本テレビのドラマ『家なき子』で12歳とは思えない演技力を披露し大ブレイク。
『家なき子』は最高視聴率37.2%を記録し、ドラマでのセリフ「同情するならカネをくれ」は新語・流行語大賞にも選ばれるなど社会現象となった。
しかし、1995年に『咖喱(カリー)工房』のCMから小林稔侍が離脱。
飛躍的に知名度を高めた安達祐実をメインに起用しつつ、多くのバリエーションを制作するにつれ徐々に飽きられつつあった状況の打破を狙ったのか、小林稔侍に代わる安達祐実の相手として、母親役に榊原郁恵、家庭教師役に植草克秀が起用された。
キャスティングを変更し、再び注目度アップを狙ったが小林稔侍が出演していた初期の盛り上がりを再現することはできず、安達祐実の起用も終了することになった。
キャスティングを一新し、赤井英和を起用するがこちらも約1年で終了。
その後、『咖喱(カリー)工房』自体もひっそりと販売終了となった。
今もネタにされる「具が大きい」の表現
数多くのドラマや映画に出演し女優として大成した安達祐実であるが、いまもCM出演時の「具が大きい」のイメージが強く、週刊誌やスポーツ新聞などゴシップ記事において、体の成熟度と掛けたネタにされることがある。
商品の特徴を伝えるたった一つのフレーズがここまで長い間、多くの人の記憶に残っているというのは極めて異例ではないだろうか。
もし、ハウス食品が昔よりも具を大きくした商品として『咖喱(カリー)工房』を復刻。
安達祐実と小林稔侍をそれぞれ母役と祖父役とし、新たな子役を出演させたCMを制作するならば話題沸騰間違いなしではないだろうか。
是非、検討してもらいたい。