『ガンプラり歩き旅』その40 ~ある意味究極の機動兵器、ボールただいま参上!~

『ガンプラり歩き旅』その40 ~ある意味究極の機動兵器、ボールただいま参上!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第40回は、地球連邦軍の大量生産棺桶……じゃなかった、機動兵器・ボールです!


最終ア・バオア・クー決戦で、次々と出撃していくボール!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回紹介するのは、『機動戦士ガンダム』シリーズ後半、ホワイトベースが再び宇宙へ上がってから大量に戦局に投入されることになった、地球連邦軍の簡易量産型機動兵器、ボールのHGUCの紹介です!

ボール 1/144 HGUC 114 2010年9月 1300円

HGUC ボールのパッケージ。ツインセットということで、ボックスアートでも2種2機のボールが描かれている

ボール!
どうしたんでしょう江川。これでカウントは1-3です、今日2本ヒットを打っている掛布に対して江川第5球、振りかぶって投げた! ボールゥウウッ! フォア・ボールです! ……って! 違うだろぉおおおっ! それ何年!? それ昭和何十何年の巨人VS阪神戦!?

HGUCボールの完成状態。関節可動ギミックも豊富で、問題点は殆どない

ボール!
え? 「それって、どこかで見たことある。あ、『2001年宇宙の旅』(1968年 原題:2001: A Space Odyssey)のクライマックスに登場した、ディスカバリー号の脱出ポッドだ!」だって?
いきなり核心を突くなぁああっ!
それは目の錯覚だぁっ! なんでいきなりガンプラ解説冒頭で、メカデザインの模倣元……じゃなくって、パスティーシュ元を指摘せねばならんのだぁ!
それ言ったら、ジオンの戦艦ムサイだって、上下を逆にひっくり返したら、『スター・トレック』(1966年 原題:Star Trek)のエンタープライズ号そのまんまじゃないのかね!?
だったらなんだって言うのかね!? えぇっ!?

……いや……その……。いきなりおとなげない発言で申し訳ありませんでした。
市川大河、この辺で冷静になって、今回のガンプラをご紹介します。

しかし……やっぱり見た目は「砲塔かついだ、『2001年』の作業ポッド」だよなぁ(笑)

今回、紹介するのは、2007年のゾックから数えて3年ぶりになる「アニメ版『機動戦士ガンダム』(1979年)に登場したメカのHGUCプラモデル」である、1/144 ボールである。
この商品は、REVIBEやRG等の、後のリファイン企画を除くと、HGUCブランドで最初の『機動戦士ガンダム』に登場したモビル・スーツの、最後の商品化ということになる(もっとも、これがモビル「スーツ」なのか?という疑問は尽きないが……)。

アームの可動はかなりフレキシブル

1/144 ボールは、旧キット時代は、1/144シリーズが主要なモビルスーツのキットを発売し終えて、残るはGアーマー、旧ザク、ドダイYSという状況の中で1981年9月に発売されたが、ある意味ボールも非人間型メカではあるので、当時から出来も1/144ガンプラ最高クラスの完成度を誇っていた。
プロポーション(?)はもちろん最高峰。メカニカルアームで、動きそうになっている箇所は全て可動する。しかも同スケールで1/250 ボールがオマケについてくるという素晴らしい仕様。
むしろ、いかなHGUCでも、この時点でここまで究極に完成度の高い1/144 ボールを出されてしまえば、それを凌駕し、30年の差をアピールするのは、さすがに至難の業ともいえた。

サイドビューのクオリティも高い。砲塔がやや細くて華奢か?

というか、ぶっちゃけて言ってしまえば、一部の主役級のモビルスーツを除けば、80年代の初期ガンプラブーム以降、「HGUCが2度目の1/144キット化」が殆どなのだが、実は1/144 ボールのキット化は、これで3度目なのである。
いや、この『ガンプラり歩き旅』で掲げている「純粋に1979年放映の『機動戦士ガンダム』に登場したメカのガンプラ化」かと言われると微妙な線なのだが、以前1/144 ガンダムトレーラーの回で紹介した、リミテッドモデル(LM)シリーズというのが90年代に展開されていた時代があって、そのラインナップの第4弾として、カトキハジメ氏がクリンナップしたデザインのボールが、1/144で800円で、1996年に発売されていた時期があったのだ。
もっとも、このLM版ボールはあくまで、当時一年戦争の別側面を描いてマニアに好評だったOVAシリーズ『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』(1996年)版だという前提があるので、普通なら「『ガンダム』のメカの模型化回数」には大河さんはカウントしないのだが、なにせボールなもんで、ザク改やジムカスタムほどにはデザインが変えられたわけもなく、なにせボールなもんでLM送りになったのが不憫でもあり(他の『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したメインモビルスーツは、通常のガンプラでしっかり商品化されていた)、一応回数にカウントしてあげても、良いのかもしれないとは思う程度。

HGUC ボールのバックビュー。パーツの色分けもほぼ完璧

さて、話題をHGUC版ボールに戻すと。
このボール。HGUC最後の『機動戦士ガンダム』アニメ版登場モビルスーツキット化というのもあってか(ボールを「これは『ガンダム』登場メカであっても、ドップとか61式戦車と同じで、モビルスーツじゃないだろう」というツッコミもあるかもしれないが)、なかなかに素晴らしい出来栄えを誇っている。

斜め後方から見ると、あまり砲塔の細さは気にならないバランス

ボールのHGUCと聞かされれば、まぁ試作品発売前から、コックピットのクリアパーツ化と、カトキアレンジとパーツ色分けまでは予測期待できていた。だが、アニメ準拠であれば旧キットでも、全塗装は難しくないし、今も書いたようにメカニカルアームの可動も充分クリアできていたのである。
そこで、今回のHGUC 114版は、とりあえず旧キットをいきなり越えるバリューとして、1/144を2個1セットにした「ツインセット」と銘打ち、さらにそこで、アニメには登場しなかった、カトキハジメ氏デザインのツインキャノンというでっちあげ武装を追加することで、旧キットとの差別化に挑んだのである。

クリアパーツの下で、コクピット周りも充分に作り込まれている

HGUC 114版ボールの実サイズそのものは、初代ガンダム放映当時の旧キットより小さくなっている(っていうか、旧1/144がどう考えても大きすぎたという意見があるわけで……)。
デザインリファインは、もうお馴染みのカトキハジメ氏であり、今回も元デザインの良さと個性を残しつつ、上手く現代的にリファイン……と、手放しでほめたいところではあるが、今回ばかりはちょっとメイン武装のキャノン砲の砲身が細すぎる気がする。

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