「お姫様がビキニ一丁で武器を振り回す」というインパクト抜群のキャラビジュアルで少年たちの度肝を抜いた80年代の傑作『アテナ』をご紹介!

「お姫様がビキニ一丁で武器を振り回す」というインパクト抜群のキャラビジュアルで少年たちの度肝を抜いた80年代の傑作『アテナ』をご紹介!

1986年にアーケードゲームとしてSNKよりリリースされた、アイテム取得による成長要素を含んだアクションゲームが本作『アテナ』です。当時の水準としてはかなり美麗な色遣いで描かれたカラフルでポップな世界観と、「一国の王女がビキニ水着一丁で武器を振り回す」というインパクトでゲーマー少年に(大人も?)人気を博し、80年代におけるSNKの代表作のひとつとなりました。


『アテナ』のファミコン移植版です。当初はディスクシステムでの発売を予定されていましたが、後にROMカートリッジでの発売に変更されました。
ファミコンへの移植作品の質の悪さで有名であったマイクロニクスの担当ということで、移植の質はやはり相変わらずの有様でした…。
移植担当の技術的な問題で質の悪さが目立ち、ACの人気作の移植作品ということで非常に残念な出来ばえになってしまいました。

評価点

明るくポップなファンタジー世界と個性的なキャラクター

赤ビキニ一丁のおてんば姫というアテナ姫のビジュアルとキャラクター性は、当時のゲーマー少年たちの度肝を抜いたことでしょう。
片手の肘で杖代わりに剣をつき、口を半開きにして正面を向いているメインビジュアルが象徴的です。このイラストはアーケード版ポスターを初めとして、攻略本やファミコン版のパッケージなど様々な媒体に使われており、キャラクターのビジュアルと共に作品そのもののイメージも大きく決定付けました。

美麗なグラフィックとコミカルなBGM

グラフィックは当時の水準から見てもかなりの美しさで描かれており、綺麗で見やすいです。
ギリシャ神話を想起させるデザインやネーミングが多く見受けられ、王道的なファンタジー世界ながら独特且つ個性的なテイストに仕上がっています。
BGMもファンタジー世界にマッチしたコミカルな曲で彩られており、各ステージの雰囲気に良くあっています。

豊富なやりこみ度

普通にプレイしていても十分難しい本作ですが、装備の組み合わせ方によっても当然難易度は変化します。
装備の組み合わせ方も様々なタイプがあるため、やりこみ派のプレイヤーにとってはやり応えは抜群でした。

…中には装備取得による露出度の低下を惜しみ、防具を一切取らずにビキニのままエンディングに到達した猛者もいるとか(笑)。

問題点

ジャンプ動作の制限により操作し辛い

素のジャンプ性能自体が極めて貧弱なアテナ姫。きわめて低い高さのジャンプしか出せず横方向への飛距離もかなり短いため、敵の突進や攻撃を回避し難いです。
ジャンプ力を強化しないと移動や攻撃も満足にままならないため、強化アイテム「イカルスの靴」は必須です。
強化しても特殊な数段ジャンプの挙動が独特で、高いジャンプを出すためには2回以上跳躍しないといけないため、敵の攻撃が来ると分かっていてもとっさに避け難いです。
数段ジャンプは常にふんわりとした挙動で落下スピードも遅いため、高い位置にいるモンスターやフィールド上を機敏に動き回って襲い掛かってくる敵に狙いを定めるのが難しく、ジャンプ中の隙も大きいです。(落下中の機動制御はできます)

敵の無駄に洗練された動き

敵はフィールド上をうろついており、アテナ姫を見つけると早足で近づいてくるのですが、敵を倒してもすぐフィールドの端々から湧いて出てくるようになっています。更に、攻撃に移行して近づいてくる際の動きが機敏で、移動性能も圧倒的に敵の方が高いです。

近距離攻撃を行う敵はハシゴなどの移動地点をジャンプひとつですり抜けるようにして移動してきます。また、遠距離攻撃を使う敵は画面外からも攻撃を連発してくるという厄介な性能を持っています。
中でも、地形を無視して縦横無尽に飛び回りながら飛び道具を連射してくる飛行タイプの敵は厄介千万。姿を自在に消しつつダメージを与えた上に装備のランクを下げてくる魔法を放つ敵もいます。
敵の機動性に対して自機の機動性能は上述の通りなので対処が難しく、多数の敵が群がる状況だとどうしてもダメージを受け易くなってしまいます。

画面スクロールの仕様

本作は右側に進んだ後、左側に戻ることが可能ではありますが、右側へ進む際は画面中央を中心にスクロールするのに対し、左スクロールさせるには画面左側の端にピッタリキャラクターを寄せないとスクロールしません。このため、敵と不意に接触しやすい仕様になっています。
また、約3画面分ほど右にスクロールさせると、それよりも前の画面には戻れなくなります。

総評

詳しくはページ最後の余談にて!

ファミコン版『アテナ』にはある付属品が…?

SNKアテナ・ファミコン・カセットテープ付き... - ヤフオク!

当時のSNKだからこそできた作品

アイテム取得でキャラを強化していくアクションゲームは、記事のトップで紹介したように前例は既にありました。

本作はそれらの要素を取り入れつつも横スクロールアクションを基調としていることと、主人公が露出度の高いビキニ姿のヒロインというインパクトあるキャラクター性や、明るくポップな雰囲気の世界観を特徴として、それらの先行作とはまた異なるテイストを打ち出しています。

ゲーム性の面では、キャラクター強化の仕様や癖のある操作性により、やや理不尽な方向に難度が高まっており、その点で人を選んでしまう一面があるのは否めませんが、武器・防具の選択によるやりこみ要素があり、難易度が高い分、腕に覚えのあるゲーマーにとっては非常にやり応えのある作品に仕上がっていました。

『T.A.N.K.』『ASO』『怒』を立て続けにヒットさせ波に乗っていた当時のSNKだからこそできた挑戦的な作品であり、且つ同社の80年代を支えた代表作として十分な要素を秘めた傑作であると評して差し支えはないでしょう。

関連する投稿


祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

放送開始から55周年を迎えた国民的アニメ『サザエさん』が、コナミアーケードゲームスより初のアーケードゲーム化!タッチパネルで楽しむ「まちがいさがし」が2026年春に稼働予定です。アニメ本編の画像を使った問題や、2人対戦モードなど充実の内容で、小さなお子様からシニア層まで幅広い世代が楽しめる期待の新作です。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。