「お姫様がビキニ一丁で武器を振り回す」というインパクト抜群のキャラビジュアルで少年たちの度肝を抜いた80年代の傑作『アテナ』をご紹介!

「お姫様がビキニ一丁で武器を振り回す」というインパクト抜群のキャラビジュアルで少年たちの度肝を抜いた80年代の傑作『アテナ』をご紹介!

1986年にアーケードゲームとしてSNKよりリリースされた、アイテム取得による成長要素を含んだアクションゲームが本作『アテナ』です。当時の水準としてはかなり美麗な色遣いで描かれたカラフルでポップな世界観と、「一国の王女がビキニ水着一丁で武器を振り回す」というインパクトでゲーマー少年に(大人も?)人気を博し、80年代におけるSNKの代表作のひとつとなりました。


概要

(某オークションサイトで3万でした!3万!)

ファミコン版『アテナ』パッケージ

SNKアテナ・ファミコン・カセットテープ付き... - ヤフオク!

ビクトリー王国の王女アテナ姫を操作し、森、洞窟、海、空、氷、地獄、迷宮の7つの世界を巡って戦うアクションゲームです。
システム的にはアイテム取得による成長要素を含んだアクションRPGに分類され、アイテムを取ってキャラクターを強化しつつ進んでいきます。
残機制で、二人交互プレイ可能となっています。

因みに、アイテム取得によりキャラクターを強化していくRPG要素を持ったアクションゲームは、84年度の『ドルアーガの塔』や本作と同年の2月にファミコンで発売された『ゼルダの伝説』など、前例は既にありました。

ストーリー

ビクトリー王国の王女アテナ姫は、冒険を愛し退屈を誰よりも嫌うおてんば娘。
退屈な日々に飽き飽きしていた彼女は、お城の開かずの間に隠された扉に飛び込み、
不思議な異世界・幻想界へと冒険の旅に出かけてしまった。
目的は王国にちょっかいを出してくる悪者であり幻想界の支配者である帝王ダンテの撲滅!
得意の武術で迫り来るダンテの手下を叩き潰しながら、
目的を達成して元の世界に帰還すべく、アテナ姫は果敢に突き進んでいくのであった。

ゲームシステム

基本操作など

8方向レバー+バトル(攻撃)、ジャンプボタンを駆使してアテナ姫を操作し、武器・防具等のアイテムを手に入れて強化しつつ、フィールドの最後に待ち受けるボスを倒すことで次のステージへ進んでいきます。
各ステージには制限時間が設けられており、時間内にクリアしなければなりません。

基本的にはダメージを受けてライフが0になるか、制限時間が0になるとミスとなり、残機が0になった時点でゲームオーバー。ミス後はステージ冒頭もしくは中間地点から再開となり、ゲームオーバー後は第1ステージからの再開となります。

本作の特徴として、ゲームオーバーになってもコンティニュー画面には移行せず、プレイ中のクレジット投入で任意に残機を増やすという形式でコンティニュープレイを行います。
クレジットを投入してスタートボタンを押す毎に残機が3つずつ増えていき、最大30人分まで追加可能で、コンティニューが受け付けられるのはプレイ中のみとなっています。

アイテム取得による成長要素

ゲーム開始直後のアテナ姫は見た目通り全くの丸腰状態で、初期状態ではリーチの短いキック攻撃しか出せず防御力も最低な上、ジャンプ性能が低いことも相まって非常に弱いです。
そのため、破壊可能なブロックの中に隠されている装備アイテムを探し出し、装備のランクを上げてアテナ姫を強化していかなくてはなりません。

装備強化は上位ランクの装備及び強化用のアイテムを取ることによって行います。
各種装備の保持・任意変更はできず、装備済みの武器・防具は新しく取得した装備に上書きされて消滅します。また、装備中のものより低ランクの武器防具をとった場合も同様に上書きされます。
装備アイテムの他、マイナスの効果をもたらす罠アイテムや、ゲーム進行上取得必須のアイテムもあるので、各アイテムの効果と入手場所・取得方法を頭に入れた上で、マイナスアイテムを避けつつ制限時間内に効率よくアイテムを探す必要があります。

「ホップステップジャンプ」について

初期状態のアテナ姫はジャンプ力がとにかく貧弱で高所への移動や敵の回避もままならない状態ですが、アイテム「イカルスの靴」を取得することで数段ジャンプができるようになり、移動性能が強化されます。

ジャンプ後、着地の瞬間を狙ってジャンプボタンを繰り返し入力することで、ジャンプの高さと飛距離が伸びるようになり、レバーの横方向と組み合わせると放物線を描いて長距離をジャンプできます。

ジャンプの間隔はホップ(小)ステップ(中)ジャンプ(大)の3段階で、アイテム取得後のジャンプはこのローテーションで繰り返します。
高い位置から下に落ちた場合や、地上から地下に落ちた場合等はジャンプの間隔はリセットされ小ジャンプからの入力に戻ります。
次のジャンプのボタン入力が受け付けられるまでには若干の猶予があり、1度目のジャンプを出した後に地面を少しだけ歩いてから次のジャンプを出すことも可能です。

ゲージなど

「LIFE」
体力を表わすゲージです。画面右側に赤のメモリで表わされる。
アイテム取得により最大値を強化できます。
「STR」
手に入れた武器の攻撃力を示すゲージです。高ランクの装備や強化アイテムの取得により増加します。
「HIT」
手に入れた防具の耐久力を示すゲージです。「STR」と同じ条件で増加します。各防具に設定された耐久回数分のダメージを受けると防具が壊れ、その分ゲージが減ります。

マップについて

本作のステージマップは全て広大な1枚絵によって形成された地続きのフィールドとなっており、マップの隅々に存在する破壊可能な岩壁のブロックに各種装備やアイテムが隠されています。
落下穴は存在しないため所謂落下ミスはありませんが、落ちてもミス扱いにはならないものの強制的にステージ冒頭に戻された上、全ての取得済みアイテム・装備を没収されてしまう「罠の地形穴」というものが存在します。

動画で見てみよう

ゲーム開始直後のオープニングシーンにて、開かずの間の扉に飛び込んだアテナ姫のドレスが落下中にスポーンと脱げ落ちてしまう演出もある意味、本作を象徴する名(?)シーンです。

ファミコン移植版と比較してみよう

『アテナ』のファミコン移植版です。当初はディスクシステムでの発売を予定されていましたが、後にROMカートリッジでの発売に変更されました。
ファミコンへの移植作品の質の悪さで有名であったマイクロニクスの担当ということで、移植の質はやはり相変わらずの有様でした…。
移植担当の技術的な問題で質の悪さが目立ち、ACの人気作の移植作品ということで非常に残念な出来ばえになってしまいました。

評価点

明るくポップなファンタジー世界と個性的なキャラクター

赤ビキニ一丁のおてんば姫というアテナ姫のビジュアルとキャラクター性は、当時のゲーマー少年たちの度肝を抜いたことでしょう。
片手の肘で杖代わりに剣をつき、口を半開きにして正面を向いているメインビジュアルが象徴的です。このイラストはアーケード版ポスターを初めとして、攻略本やファミコン版のパッケージなど様々な媒体に使われており、キャラクターのビジュアルと共に作品そのもののイメージも大きく決定付けました。

美麗なグラフィックとコミカルなBGM

グラフィックは当時の水準から見てもかなりの美しさで描かれており、綺麗で見やすいです。
ギリシャ神話を想起させるデザインやネーミングが多く見受けられ、王道的なファンタジー世界ながら独特且つ個性的なテイストに仕上がっています。
BGMもファンタジー世界にマッチしたコミカルな曲で彩られており、各ステージの雰囲気に良くあっています。

豊富なやりこみ度

普通にプレイしていても十分難しい本作ですが、装備の組み合わせ方によっても当然難易度は変化します。
装備の組み合わせ方も様々なタイプがあるため、やりこみ派のプレイヤーにとってはやり応えは抜群でした。

…中には装備取得による露出度の低下を惜しみ、防具を一切取らずにビキニのままエンディングに到達した猛者もいるとか(笑)。

問題点

ジャンプ動作の制限により操作し辛い

素のジャンプ性能自体が極めて貧弱なアテナ姫。きわめて低い高さのジャンプしか出せず横方向への飛距離もかなり短いため、敵の突進や攻撃を回避し難いです。
ジャンプ力を強化しないと移動や攻撃も満足にままならないため、強化アイテム「イカルスの靴」は必須です。
強化しても特殊な数段ジャンプの挙動が独特で、高いジャンプを出すためには2回以上跳躍しないといけないため、敵の攻撃が来ると分かっていてもとっさに避け難いです。
数段ジャンプは常にふんわりとした挙動で落下スピードも遅いため、高い位置にいるモンスターやフィールド上を機敏に動き回って襲い掛かってくる敵に狙いを定めるのが難しく、ジャンプ中の隙も大きいです。(落下中の機動制御はできます)

敵の無駄に洗練された動き

敵はフィールド上をうろついており、アテナ姫を見つけると早足で近づいてくるのですが、敵を倒してもすぐフィールドの端々から湧いて出てくるようになっています。更に、攻撃に移行して近づいてくる際の動きが機敏で、移動性能も圧倒的に敵の方が高いです。

近距離攻撃を行う敵はハシゴなどの移動地点をジャンプひとつですり抜けるようにして移動してきます。また、遠距離攻撃を使う敵は画面外からも攻撃を連発してくるという厄介な性能を持っています。
中でも、地形を無視して縦横無尽に飛び回りながら飛び道具を連射してくる飛行タイプの敵は厄介千万。姿を自在に消しつつダメージを与えた上に装備のランクを下げてくる魔法を放つ敵もいます。
敵の機動性に対して自機の機動性能は上述の通りなので対処が難しく、多数の敵が群がる状況だとどうしてもダメージを受け易くなってしまいます。

画面スクロールの仕様

本作は右側に進んだ後、左側に戻ることが可能ではありますが、右側へ進む際は画面中央を中心にスクロールするのに対し、左スクロールさせるには画面左側の端にピッタリキャラクターを寄せないとスクロールしません。このため、敵と不意に接触しやすい仕様になっています。
また、約3画面分ほど右にスクロールさせると、それよりも前の画面には戻れなくなります。

総評

詳しくはページ最後の余談にて!

ファミコン版『アテナ』にはある付属品が…?

SNKアテナ・ファミコン・カセットテープ付き... - ヤフオク!

当時のSNKだからこそできた作品

アイテム取得でキャラを強化していくアクションゲームは、記事のトップで紹介したように前例は既にありました。

本作はそれらの要素を取り入れつつも横スクロールアクションを基調としていることと、主人公が露出度の高いビキニ姿のヒロインというインパクトあるキャラクター性や、明るくポップな雰囲気の世界観を特徴として、それらの先行作とはまた異なるテイストを打ち出しています。

ゲーム性の面では、キャラクター強化の仕様や癖のある操作性により、やや理不尽な方向に難度が高まっており、その点で人を選んでしまう一面があるのは否めませんが、武器・防具の選択によるやりこみ要素があり、難易度が高い分、腕に覚えのあるゲーマーにとっては非常にやり応えのある作品に仕上がっていました。

『T.A.N.K.』『ASO』『怒』を立て続けにヒットさせ波に乗っていた当時のSNKだからこそできた挑戦的な作品であり、且つ同社の80年代を支えた代表作として十分な要素を秘めた傑作であると評して差し支えはないでしょう。

余談

近い時期に出ていたPCゲーム『夢幻戦士ヴァリス』やファミコンの『マドゥーラの翼』『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』と並んでビキニアーマーを流行させた立役者であり、女の子を前面に押し出した作風から、近い時期にアーケードで出た『奇々怪界』『ワンダーモモ』などとも併せて、所謂ギャルゲーのルーツの一つと言われています。

ファミコン版は本作の他に発売時に稼働中であった続編『サイコソルジャー』の主題歌を収録したカセットテープが付属しており、コレクターズアイテムとしての価値から完品のものが現在もそれなりの価格で取引されています。
ちなみに、カセットはパッケージの中にソフトと共に封入されているためパッケージ自体が非常にでかい上に、ポスターのデザインをそのままパッケージに流用しているため、外箱の色がショッキングピンク一色という非常に目立つ代物でした。ビキニ姿のアテナ姫の絵がデカデカと描かれているのも相まってレジに持っていくのに難儀した男性プレイヤーも多かったそうな。

CMの方はセルアニメで動くアテナ姫とゲーム映像を組み合わせたものになっており、サイコソルジャーのテーマソングがBGMとして使用されています。

下記では続編に関しても紹介しています。良ければご覧下さい。

ゲーム業界初の歌うゲーム!『歌うソンソン』の異名を持つ『アテナ』の続編、その名は『サイコソルジャー』 - Middle Edge(ミドルエッジ)

本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。

出典元はコチラです。

アテナ - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ

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