『ガンプラり歩き旅』その39 ~超解像度! 超難易度! 究極至高の1/144 RGガンダム、満を持して只今見参!~

『ガンプラり歩き旅』その39 ~超解像度! 超難易度! 究極至高の1/144 RGガンダム、満を持して只今見参!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第39回は、究極精密組立地獄。空前絶後の超絶モデルの1/144 RGガンダムが登場です!


RGガンダムが立った大地は、お台場か? サイド7か!?

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回紹介するのは、ガンプラの歴史を新たに塗り替えたとも言われている、RGシリーズから、先週に引き続きガンダムの紹介になります! ……っていうか、みんなそろそろ、1/144 ガンダムに飽きてない?

ガンダム 1/144 RG 2010年7月 2500円

高級感溢れるパッケージであると同時に、商品の完成形をただ佇まわせているだけという、自信に溢れたデザイン!

RG! リアルゴールド! それまでは大塚製薬のオロナミンCの独占市場だった、安価栄養ドリンク市場に、コカ・コーラボトラーズが1981年に参入発売した、大人のための栄養ドリンク! ミドルエッジ世代ならみんな飲んだはず! ……ちぃいいがぁああううぅっ!
RG! レイザーラモンRGは、レイザーラモンHGと共にコンビを組んでいたお笑い芸人で、プロレスラーとしても活動している、1974年生まれのタレントで、まさにミドルエッジ世代である! ……ちぃいいがぁああううぅっ!

見よ! これが誰もが驚愕した1/144 RGガンダム

解像度なのだよ、解像度!
もうね、ガンプラもこの時点で30周年を迎えて、なんか一旗あげなくちゃって機運が高まって。だからお台場に1/1 ガンダムも立てました、それを基にした1/144 HG Ver.G30thも発売しました! しかし、バンダイ的にはジレンマがずぶずぶ残り火を燻ぶらせていたのだ。

アドバンスドMSジョイントのフレキシブルな動きで、過去になかった多彩なポージングが可能に!

要するに、30周年記念の1/144 HG Ver.G30thは、見た目ほどには組み立ても可動も複雑ではなく、ライトユーザー、出戻りユーザー目当てで、30周年を機に今一度ガンダムを手にしてもらおう的なアイテムとして仕上がったわけだが。
むしろ、その30年間、ガンプラを、バンダイを、しっかりと支え続けてきてくれたヘビーユーザーでは、1/144 HG Ver.G30thでは正直「物足りない」と思わせてしまうことは、1/144 HG Ver.G30th開発前からバンダイホビー事業部は、恐らく感づいていたのだろう。

上半身のUP。この情報量の高密度感!

ここへきてバンダイは、既存のHG、MG、PG、FGというそれぞれのスケールの、それぞれのシリーズとは別個に、究極(なんどめだなうしか)の1/144を目指すというコンセプトを掲げ、リアル・グレード(RealGrade=RG)というカテゴリシリーズを新たに立ち上げ、その1作目にRX-78 ガンダムを当然選んだのである。

リアル・グレードとは?
それは、1/144の大きさの中に、バンダイの既存の技術と新技術を詰め込んで、百戦錬磨のプロ級モデラー達をも唸らせる、究極のガンプラ、という意気込みを託したブランドである。

基本構造としては、ABS樹脂とPP(ポリプロピレン)で構成された「アドバンスドMSジョイント」というフレームが既に半完成品状態で用意されていて、そこへ外装パーツをはめ込んでいくことでガンダムが完成するのだが、この作業とパーツ数が半端じゃなく細かい。

腰部のUP。V字マークが別パーツなだけではなく、白一つとっても多段構造なのが分かる

それも、パーツが細かいというだけではない。
小さいサイズに、巨大なモビル・スーツの存在感を詰め込むために、全ての装甲が無数のパーツに分けられているだけではなく、同じ白や青でも、少しずつ色味を変えた成型色で構成されていて、しかもそれら外装が、四肢を動かしたときなどに、フレームと連動してスライド可動するという代物。

もちろん、基本的な色分けは完璧で、目の周りの黒や赤、腰のふんどしのVの字マークのイエローまでもが色分けされているのは当たり前で、プラスアルファとして、今も書いた装甲の多段色分けが付加されている。

バックから見たRGガンダム。バックパックの立体情報量などが更に高密度でハイクオリティさを醸し出している

なので、そのパーツ数も、要する組立工程も組み立て時間も、半端なく忍耐と努力を要する代物。
確かに大河さん、初代『機動戦士ガンダム』登場のメカのガンプラで「解像度を上げる」という概念が苦手で、ディテールなどが凝ったガンプラでも、これまではシミルボンの『機動戦士ガンダムを読む!』再現画像に登場する可能性のあるガンプラに関しては、極力塗装処理などで「解像度を下げる」方向で統一する作り方をしてきた。

しかし、それはこの連載を読んでいる人にとって「市川大河ってガンプラ作りが下手なんじゃないの?」「解像度をわざと下げたって言ってるけど、高度なガンプラになると、解像度が上がった商品仕様のままでは作れないんじゃないの?」という誤解を生んでしまっているかもしれない!

もちろん、シールドを背中にマウントすることも、ライフルのフォアグリップが可動して、両手で構えることも可能!

いかん、いかん! いかぁあん! それではいかんのだ!
ちゃんと筆者にも、イマドキのガンプラをイマドキ風に作れるところは、見ておいていただかなくてはならない!

その上で。
『機動戦士ガンダムを読む!』再現画像制作も終え、むしろこの『ガンプラり歩き旅』の連載が「この際だから、1/144で発売されたRX-78 ガンダムは、全部紹介しちゃおうよ」へとシフトしていったとき、絶対にこのRGガンダムは外せない、ガンプラの歴史の句読点だと、がっぷりよっつに向き合う覚悟を決めたのだ!

今回だけはアニメカラー塗装は無視!
RGの成型色を活かしつつ、その上で関節や武器類のディテール部分は、キットのパーツが持っている情報量を、さらに上げる方向で、メタリックのカラーや墨入れで解像度を強調していくのだ!
バックパックにつけられる意味不明の「手すり」も含めて、今回ばかりはとことん、RGのルールに従ってモデリングを行ってみる!

RGガンダムは、1/144 HG Ver.G30th以上に1/1お台場ガンダムのスケールモデルを目指しており、1/144 HG Ver.G30thでは再現できなかった、お台場ガンダムの細かいディテールやパネルラインなども丁寧に再現してある。
このキットの発売時期が、ちょうど1/1ガンダム立像が、お台場潮風公園版から東静岡へと移設された時期であるので、デカールもその両方を再現する仕様が同梱されていて、徹底的にそこは拘って作られている。

こうして素手で、佇んでいる姿を下から見上げると、まさにお台場の1/1ガンダムを思い出させてくれる

なので筆者も、慎重かつ丁寧に作業を行わなければならない。
このRGガンダムは、RGシリーズの第1弾ということもあり、まだ技術的な蓄積も無い状態からのスタートであったので、アドバンスドMSジョイントに対する、プラ装甲パーツのはめ込み強度がしっかり精査されておらず、組み立て中も完成後の可動時にも、あちこちの装甲がポロポロ外れて落ちて、ストレスが溜まること請け合いである(笑って請け合えるレベルではないが)。

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