『KOFシリーズ』屈指のお祭り感!『THE KING OF FIGHTERS '98』を紹介し、KOF'94~'98までをまとめます。

『KOFシリーズ』屈指のお祭り感!『THE KING OF FIGHTERS '98』を紹介し、KOF'94~'98までをまとめます。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下KOF)は1994年にSNKが「ネオジオ」で発売した対戦型格闘ゲームのシリーズです。SNKのゲームキャラクターが作品の垣根を越えて一つの格闘大会に出場して覇を争う「ドリームマッチバトル」という設定をコンセプトに製作された本シリーズですが、中でも、シリーズ最高傑作との呼び声も高い『KOF’98』は前作で大きなストーリーが完結した後の作品ということでお祭り感満載!シリーズの過去を辿りながら『KOF’98』の魅力を紹介します。


『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下KOF)とは

ほら『餓狼』とか『龍虎』とか懐かしいでしょ?それが集まって戦うなんて、まさにドリームマッチでしたね。コマンドがそれぞれの作品と同じというところも良かった!

圧倒的キャラクター数が魅力の一つである本シリーズ。シリーズに登場したキャラクターは100人以上にも及びます。3VS3という対戦格闘ゲームのチームバトルの基礎を築いた作品でもあり、アーケード黄金期1990年代の対戦格闘ゲームの中でも絶大な人気を誇り、現在も新作がリリースされ続けているビッグタイトルです。

個人的には、『ストリートファイター』と対をなすレベルの人気作だと思っています。
現在も新作を出し続けているKOFですが、今回は『'94~'98』をふりかえります。
特にシリーズ最高傑作と称される『KOF'98』に関しては、より深く掘り下げていきますよ~!

SNKドリームマッチはここから始まった…!『KOF'94』について

「開幕編」

1994年8月25日にアーケードのMVSで稼動後、同年10月1日にネオジオでリリースした記念すべきシリーズ第1作目ですね。ストーリーはまだシンプルなもので、続きモノっぽさは無かったです。
国ごとの代表8チームが集結し、チームメンバーは固定でエディットは無し。基本は3対3の勝ち抜き戦でKOかタイムアップで交代、仕切り直しとなります。

総勢24名というキャラクター数は当時では抜きん出たラインナップでした。そして2本先取が基本だった格闘ゲームにおいて、3本先取を原則とした(=1クレジットで体力ゲージ3本分戦える)というのもかなりの大盤振る舞いだったといえます。
何かとバグが多かったり、いろんな意味で凶悪なボスがいたりしましたが……。

操作系は『餓狼伝説スペシャル』をベースに『龍虎の拳』シリーズなどの要素を取り入れたものとなっており、非常に手に馴染みます。必殺技コマンドは基本的に出場元のゲームのままで、超必殺技がインストラクションカードに書かれていないというのも特徴でした。

アーケードゲームの説明書のようなものですね。コマンド表というやつです。

インストラクションカードとは筐体の上部パネル内と、コントロールパネル上部に取り付けられているアレです。

インストラクションカード - Wikipedia

チームエディット初採用!ライバル、庵のデビュー作『KOF'95』

「オロチ編 第一章」

1995年7月25日に稼動した『KOF'95』。本作から『'97』まで続く「オロチ編」三部作の第一章です。主人公「草薙京」のライバルである「八神庵」がこの作品から登場しました。

この作品から所謂「チームエディット」が可能になりました。また本作から『'97』までは、CPUのチームもエディットされることがあるため、前作にあった国籍によるチーム分けは無くなりました。

「『餓狼』+『龍虎』」システムをベースとした、3on3の1ライン2D対戦格闘で、基本的なシステム面は前作のものを継承しています。
また、前作ではバグ的な存在だったテクニックのいくつかが、正式に(強引に…)システムとして取り入れられました。
純粋にお祭りゲームとして作られていた前作と比べると、本作ではKOFシリーズ独自路線のストーリー展開、キャラクター設定を前面に押し出す作りになっていました。
新キャラ、庵は美形キャラながらバンドマン風の特徴的な衣装やヘアスタイル「青い炎を操る」「完全に悪人ではないが悪役寄り」などのいわゆる「中二病」心をくすぐる設定の数々により、京とともに若年層と女性を中心に爆発的人気を獲得。そのキャラデザインのセンスは卓越したものでした。

爽快感重視のゲーム性と、キャラクターの魅力を引き立てる設定、ストーリー。ゲームバランスは超大味ながらも人気を博しました。

慣れ親しんだシステムを廃止し、静から動へ『KOF'96』

「オロチ編 第二章」

1996年7月30日に稼動したオロチ編第二章『KOF'96』。
シリーズとしては初めて、レギュレーションがゴッソリ変わった作品です。ベースのシステムだけでなく、キャラクターのグラフィックや技のモーションもすべて書き直され、前作とは通常技、必殺技ともかなり性能が違っています。

「攻撃避け」から「緊急回避動作」になったり、「一足跳び」から「ダッシュ」になったり、飛び道具が大幅に弱体化されたり、特殊技が完全に廃止されたりと、挙げていけばきりがないほど変更点がありました。
ゲームデザインの大幅な変更により戸惑うことは多く、過去作から続投しているキャラも性能が根本から変わってしまい、特に全キャラが飛び道具を持つ餓狼、龍虎チームなどの古参組を使うプレイヤーには苦しかったですね~。
主人公の京も大幅に戦闘スタイルが変わりましたが、彼のラッシュキャラへの転向は好評寄りではありました。

人気最高潮の中で稼動した「オロチ編最終章」『KOF'97』

「オロチ編最終章」

1997年7月28日稼動。『KOF』シリーズ第4作目であり、『KOF'95』からメインストーリーとして展開された「オロチ編」の最終章です。
本作はキャラクター選択前に「ADVANCEDモード」「EXTRAモード」という2種類のシステムから1つを選ぶという形式になりました。
前者は『'96』をベースに、新方式のパワーゲージを採用したシステム。後者は『'94』『'95』がベースのシステムです。

完全新キャラクターはエディット専用の矢吹真吾、ニューフェイスチームの七枷社、シェルミー、クリス。矢吹真吾は草薙京の押しかけ弟子で、炎こそ出せないものの京から(適当に)教えられた草薙流古武術で戦うという、『ストリートファイターZERO』シリーズのさくらとダンを足して2で割ったようなキャラクターでした。
ゲーム中の性能は設定相応でかなり低めですが、コミカルかつ真っ直ぐで純粋なキャラ、子安武人氏による三枚目でコミカルな演技から人気キャラの座を獲得しました。私も大好きです(笑)

いよいよシリーズ集大成『KOF'98』について

歴代最高数のキャラとバランス。
「オロチ編」が『'97』で完結したことを受け、本作は特別編として初代『'94』以来のお祭りゲーに。

ゴージャスにいこうぜ。

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「純粋なオールスターバトル」

進化して帰ってきた2つのモード

ADVANCEDモード
ストックが可能なパワーゲージが特徴です。メインの溜め方は攻撃を相手に当てること。
ゲージストック数は1人目は最大3本ですが、1人敗北するごとに1ストック拡張され、3人目は最大5本までストックできます。この形式は多くの続編にも引き継がれることになりました。
ゲージ1本消費で超必殺技、ガードキャンセル、パワーMAX発動の使用が可能です。
MAX発動中はゲージが溜まらない代わりに攻撃力が上昇し、超必殺技がMAX超必殺技になります。ただし『'97』と違い、超必殺技を使った時点でMAX状態は終了します。
前方ダッシュは「ラン」タイプ、回避動作は前方or後方に短距離移動する「緊急回避」。全体的に小回りの利いた立ち回りが可能で、安定感があります。

EXTRAモード
「パワー溜め動作」か相手の攻撃を受けることでしかゲージが溜まりませんが、ゲージが満タンになると自動的にパワーMAX状態に移行します。
本作では自チームの1人が敗北するごとに、ゲージの長さが短くなるアドバンテージを得られます。3人目はかなり短くなり、作中で最もMAXになりやすいという特徴があります。
また、EX同士の対戦限定で、挑発によって相手のパワーゲージを減らす仕様が復活しました。
残り体力が1/4以下になると超必殺技が使い放題になり、このときはパワーMAX中の間にMAX超必殺技が使えます。
前方ダッシュは「ステップ」タイプ、回避動作はその場で避ける「攻撃避け」。
ステップ中に空中特殊技を出せる、攻撃避けから専用の「カウンター攻撃」に派生できるなど、トリッキーな立ち回りが可能ですが、投げ外しができないなど安定感に欠けます。

評価点

『'97』や他のSNK作品で培われたシステムに調整が行き届き、攻守にバランスの取れたシステム体系が完成しました。強過ぎたコマンド投げにはきちんと調整が入り、それでも充分に有用たりえる技が多く、良調整であると言えます。
優れた対戦バランスもポイントですね。登場キャラクターの多さ、制作期間の短さによる大味な作りから、一貫してバランス面に問題があるとされていた『KOFシリーズ』にあって(奇跡的に)極めてバランスが良いです。

『'97』の登場キャラに加えて、旧作からの復活キャラも多数登場し、合計51名に。それぞれの性能も多岐に渡り、祭典に相応しい豪華な顔ぶれとなっています。
キャラが多いと言われる一般的な作品でも20~30名が普通で、KOFはそれをやや上回る程度ですが、本作のキャラ数は驚異的な数字ですね。
しかも、ストーリー上で死亡扱いになっているルガール・バーンシュタインやマチュア、バイスといったキャラも、ストーリー性の無い祭典ということで再登場を果たしました。
また、『餓狼伝説』『龍虎の拳』からの客演キャラの一部には元のシリーズに準拠した性能の「裏性能キャラ」が用意されており、ファンにも納得の出来でした。

BGMや背景演出もシリーズの集大成と言える出来となっており、「祭典」感を盛り上げていました。

課題点

モード間の格差というのが、問題の一つでしょうか。
特殊動作が使いやすく、守りが安定しているADVモードがEXモードよりも強いというのが定説です。
ただしEXモードでもキャラ次第では十分に特長を生かすことができ、また使用者が少ないため対策が立てられにくいというのも利点にはなります。

『'96』のボスチームや、過去作ラスボスでキャラ的な人気も高かったゲーニッツ、オロチなど、一部の人気キャラクターが登場しないことに対する不満もありました。

総評

総勢50名を超える圧倒的なキャラクター数にしてシリーズ中最高の対戦バランスを誇り、今でも本作をKOF最高傑作に挙げる声が多い作品です。
それだけに、KOFオロチ編のカーテンコールというには若干欠けのあるラインナップであることが惜しまれます。この点の補完は後のリメイク『UNLIMITED MATCH』で果たされることになりますが…それはまた別のお話。

純粋で個人的な感想

「KOFの最高傑作は何?」
そう聞かれればマニアはまず間違いなくこの作品を挙げるでしょう。
他シリーズの人気が堕ちて行く中、このKOFだけは勢い衰えず、
もはや完全にNEOGEO=KOFといった図式となっていました。

そんな本作は原点に還り、ストーリーなしのドリームマッチとなっています。
そうです。人気キャラが死亡したり身を引いたり、ストーリーの都合で出られなくなるという不測の事態を招き賛否両論だったKOFに、あの人たちが帰って来るのです!

このゲームが最高傑作と呼ばれるのは、当然「キャラが多い」という理由ではありません。
問題点はあったものの、ほぼ完成していた『'97』のシステムを完璧にしたKOFの最終結論、
極まったゲーム性がその所以です。
普通に考えて不利だったEXTRAモードは小、中ジャンプの導入や、『'95』にあったカウンター(避け)攻撃の復活で充分ADVANCEDと渡り合えるようになりました。
勿論、問題だった技暴発も改善され、もう何も言うこと無しです。
細かい部分まで文句なしのシステムでした。

そして本作を最高傑作たらしめている最大の理由は……
対戦バランスが奇跡的に良い!!

SNKゲーは全体的に対戦バランスが悪く、使用キャラが偏るのは至極当然でした。
しかしこの『KOF'98』は…… 奇跡的にバランスが良い! バランスが良いのです!
ああ!対戦したくなってきた!

他にも『リアルバウト餓狼2』に準じた裏餓狼キャラ含む、多数の裏キャラが搭載されていてKOF好きにも原作好きにも対応。まさに最強のKOFなのでした。過去作から選りすぐられた楽曲群も最高です!

本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。

出典元はコチラです。

THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ

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