当時の日本のウイスキーは、等級制度が取られていて、モルトの含有量によって区分けされていました。
特級:モルトの含有率が20%以上
1級:モルトの含有率が10%~20%
2級:モルトの含有率が10%未満
(1962年当時の区分)
時代と共にモルト含有率の基準の数値は変動しますが、2級酒が主流だった国産ウイスキー市場の黎明期にあって、ブラックニッカは誕生時、国産ウイスキーとしては最高級の位置にあったと言えるでしょう。
良いウイスキーをリーズナブルに
1965年、新ブラックニッカとして生まれ変わります。
それまでの高級な特級酒から1級酒に変更して発売されます。
1級酒と言っても、ウイスキーとしてもレベルを落とす事ないよう、1級酒として定められている上限ギリギリまでモルトを含有し、デリケートなカフェグレーンをブレンドした、香り豊かなブレンデッドウイスキーとして作られました。
「良いウイスキーをリーズナブルに」というマッサンの思いは市場に届きます。
顧客の立場からすると、1級酒の方が価格的にも手に取りやすく、それでいて味や風味は特級酒にも負けないという事で、爆発的なヒット作となったのです。
この新ブラックニッカから、ラベルにヒゲのおじさんのキャラクターが描かれ、現在までニッカウイスキーの象徴とも言うべき存在として親しまれています。
このヒゲのおじさんは、King of Blenders と呼ばれた、W.P.ローリー卿。
マッサンの信念である、ウイスキー造りにおける、モルトとグレーンのブレンドの重要性を現していると言えるでしょう。
1976年、大容量で更に低価格のブラックニッカデラックスが登場。
オイルショックの不景気に悩まされる庶民の強い味方として、歓迎されます。
ウイスキー低迷期を経て新時代へ
1997年、ブラックニッカ・クリアブレンドを発売。
ウイスキーを飲む人口が低迷期に入った時期で、新しいウイスキー人口を獲得しようと、口当たりの良い味を求め、ピートを焚きこまないノンピート製法で、スモーキではない、スッキリした味わいを実現。
ブラックニッカの新しい歴史のスタートとなる商品となります。
そして2013年には、芳醇なコクと、シェリー樽モルトを使用した、フルーティーな味わいが印象的な、ブラックニッカ・リッチブレンドを発売。