少年チャンピオン最盛期に、こんなギャグマンガがあった
『マカロニほうれん荘』(マカロニほうれんそう)は、鴨川つばめによるギャグ漫画作品。「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)において1977年から1979年まで連載された。
秋田書店のこの背表紙。なつかしい!
Amazon | マカロニほうれん荘全9巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス) | 鴨川つばめ 通販
1970年前半の少年チャンピオンは「少年マガジン」「少年サンデー」「少年ジャンプ」の3大週刊少年マンガ雑誌の後発誌でした。
伝説の編集者といわれる壁村耐三のもと、全作品に対し原則読み切り、各回にクライマックスをつくるという方針で誌面をつくり、
虫プロ倒産で半分死に体だった手塚治虫を復活させ、
1977年には200万部を売り上げ、それまで業界トップのジャンプを抜くまでに至ります。
秋田書店【週刊 少年チャンピオン 1978年(昭和53年)33号】
秋田書店【週刊 少年チャンピオン 1978年(昭... - ヤフオク!
当時の少年チャンピオンの連載陣は
「ブラック・ジャック」手塚治虫
「がきデカ」山上たつひこ
「ドカベン」水島新司
「750ライダー」石井いさみ
「エコエコアザラク」古賀新一
「月とスッポン」柳沢きみお
といった豪華なもので、
そこの一角に「マカロニほうれん荘」はありました。強烈に。
作者の鴨川つばめ もとはジャンプでデビューの人
1977年4月の週刊少年チャンピオン増刊号に
「呪われた夜」という読みきりが掲載されましたが
そこに、のちの「マカロニほうれん荘」のキャラは揃っていました。
「呪われた夜」を連載という形で掲載することを
少年チャンピオン編集部のほとんどが反対したが、
編集長の壁村氏が「かわいいから」という理由でごり押しした
というエピソードがあるそうです。
あらすじは・・・ほぼ、ない(笑
マカロニほうれん荘のwikipediaには、ストーリーとしてもう少し書き足してあります。
その2人組はそうじの住まう「ほうれん荘」の住人だったという落ちですが
それとて連載第一回の内容のみ。
つまりそれ以降はストーリーがありません。
ピーマン学園とかほうれん荘周辺でのドタバタが毎回毎回くりひろげられます。
ちなみになんでピーマンかと言うと
当時「話がピーマン」「頭がピーマン」という言葉がはやっていたんですね
(ピーマン→中身がすかすか)。
とんでもないキャラ立ち「トシちゃん」と「きんどーさん」
この二人、主人公じゃありません(笑)
トシちゃん:膝方歳三(ひざかたとしぞう) 高校1年生25歳
ブライアン・フェリーはこんなひと
Amazon | The Best Of Bryan Ferry | Bryan Ferry | ポップス | 音楽 通販
きんどーさん:金藤日陽(きんどーにちよう) 高校1年生40歳
一応主人公も紹介しておきますね。
沖田そうじ(おきたそうじ) 高校1年生 16歳
ピンの画像が見つからない・・・
「マカロニ」おしゃれまとめの人気アイデア|Pinterest |kenji | Pinterest | マカロニほうれん荘、鴨川つばめ、マカロニ
扉絵がアーティスティック
マカロニほうれん荘第2巻p37「哀愁の浜辺」扉絵
qwecx: 2425: Barisand - Photo 鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」 2巻のなかの扉絵のはず。 この回はプールの話だったか。天才的な画力とギャグセンスが未だ輝く。 | 鴨川つばめ | Pinterest | 鴨川つばめ、マカロニほうれん荘、プール
マカロニほうれん荘第6巻「謀略のカーニバル」扉絵
マカロニほうれん荘第6巻89ページ 鴨川つばめ 秋田書店
扉絵のすべてがアートなわけではないのですが
アーミー系、戦時中系、ロック系、70年代特撮もの
こんな傾向の絵が多かった気がします。
もちろんメルヘンな絵もあって、
その場合はどこかにかならずトシちゃんかきんどーさんか3人組が入っていました。
コマ割りが規則的ながら、独特
コマ割りは基本4段。
よくある見開きや斜めカットのコマ
断ち切り(誌面の端まで描き込んである)はありません。
ときどきタテに強調したい時に
4段を2段に抜いたり、全段抜いたりします。
マカロニほうれんそう第2巻p40
横の流れを強調したいとき、1段のコマを一つにして
2次元のゲーム画面みたいに
右向きの流れ
左向きの流れ
が見えるように配置されてます。
マカロニほうれん荘第2巻「哀愁の浜辺」より
マカロニほうれん荘第2巻51ページ 鴨川つばめ 秋田書店
そんな調子でコマ的には淡々と続いていって
最後のページに俯瞰で大ゴマ
という展開がほとんどでした。
淡々としたコマに、スラップスティック
スラップスティック、つまりは「ドタバタ」
当時のギャグ漫画は
ストーリーがあって、ときどきギャグを言って「ずっこける」系
もしくは主人公の行動のみが不条理(がきデカなんかそういう感じ)
というものだったんですが
全ページにわたってドタバタを前面に出すタイプは、初めてかと。
マカロニほうれん荘第1巻「負けるな!ひざかたさん」より
マカロニほうれん荘第1巻89ページ 鴨川つばめ 秋田書店
全面がちゃがちゃしたページもあるかと思えば
スタティックな場面でコントをかます
そういったシーンもかなりあって
そのリズムが予測できないんです。
マカロニほうれん荘第2巻「敵前上陸」より
マカロニほうれん荘第2巻176ページ 鴨川つばめ 秋田書店
少年向けにしては高尚な、カオスなギャグと
とてもわかりやすいドタバタが混在している状態は
今から考えると「ジェットコースタームービー」的なスピード感がありました。
ただトップスピードで流れるのではなく、流れがいきなり止まり、脳内でずっこける感じ。
唐突な場面転換に、突然挿入される理解不能なアクション、
セリフとアクションに脳内がシャッフルされるようなグルーヴ感。
同時期にジャンプで連載されていた江口寿史の「すすめ!!パイレーツ」と並んで
現代のギャグマンガの方向性を決定づけたと論じている人もいます。
ときどき挿入される微エロとパロディ
マカロニほうれん荘第1巻「地上最強の男」より
マカロニほうれん荘第1巻140ページ 鴨川つばめ 秋田書店
別にエロマンガじゃないんで、最初からそういうのは期待(^^;)してないけど
ギャグ炸裂の途中で挿入されると
微エロでも「おっ」となったりします。
マカロニほうれん荘第5巻「バミューダ・トライアングル」より
マカロニほうれん荘第5巻146ページ 鴨川つばめ 秋田書店