はじめに
前回までのおさらい
先ずは前回までのガンダム系MSの発展のざっとしたおさらいをしておきましょう。というのはグリプス戦役と第一次ジオン抗争の間の期間が短く、ZZガンダムとその時期のMSはZガンダムのシリーズで登場した機体とかなり被っていて混乱が生じないようにザクッとまとめた表がありますのでそれをまず見ていきましょう。

ガンダムの進化と変遷(1)
TJ MOOK 「ガンダム」白書 宝島社刊

ガンダムの進化と変遷(2)
TJ MOOK 「ガンダム」白書 宝島社刊
この図が実に分かりやすいと思います。(勝手に引用させてもらっちゃってゴメンナサイ!)
実はこの資料集もとても解りやすく解説してあり、僕も愛用させてもらっている1冊です。
RX-78からνガンダム果てはVガンダムまでの流れが良く判りますね。文章でいくら説明しても
この図だけで1目見てもらう方が理解しやすいでしょう。
近藤和久版『機動戦士Ζガンダム』(コミックボンボン)
RX-178V-3

ガンダムMK-Ⅱ3号機
機動戦士Zガンダム メディアワークス
ご存知!ガンダムMK-Ⅱですね。カミーユ・ビダンが搭乗していたのがこの機体です。1号機から2号機と改修されさらに1歩改良したのがこの機体です。近藤版機動戦士Zガンダムでは彩色されている画像がありませんでしたのでモノクロとなっていますがカラーリングは皆さんご存知の通りだと思います。ティターンズがこの後の4号機の事故も含めて開発を中止したというのが公式設定とされていますが近藤版ではティターンズでクワトロ・バジーナが百式改を運用していることから考えてもその後のガンダムタイプの第2世代MSの開発を続けていたと考えてよさそうだと思います。
RX-178V-2

ガンダムMK-Ⅱ2号機
機動戦士Zガンダム メディアワークス
以上のような経緯から生まれた近藤版MK-Ⅱはアニメ版とデザインが異なる部分があり30年以上も過ぎているのにまだ新しい想いでコミック版が楽しめます。特にこの近藤版機動戦士Zガンダムはストーリーそのものからして公式設定とかけ離れていて読んでいてワクワクさせてくれるものでした。
RX-178V-1

ガンダムMK-Ⅱ1号機
機動戦士Zガンダム メディアワークス
この機体が初めてのMK-Ⅱです。2号機や3号機と違う装備が各所に見られますね。AE社が解析のため持って行った機体がこの機体のはずです。この辺のくだりはこのコミックでは説明されていませんでしたが、公式設定ではこの機体がAE社へ、2号機は3号機のパーツ取りのためアーガマに持ち込まれたことになっています。但し、これだとコミック版ではMK-Ⅱ~メタス~百式~Zガンダムという流れが全然別物になってしまいますが・・・ちなみに北爪 宏幸氏の機動戦士Zガンダム DefineではAE社に持ち込まれたのは3号機でカミーユは1号機で実践投入されるとなっています。
近藤和久版『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』(電撃コミックス)
RX-100

Hyakusiki Kai by Kazuhisa Kondou
上記の通りAE社製の百式改は型式番号が元々違うため、スペックが資料通りのものかはわかりません。いづれにしてもティターンズはRX系のガンダムタイプの開発を続けていたという事ですね。この辺は完全にアナザーストーリーなので矛盾は無視してよいのではないかと思います。それよりもこういう外伝を許してしまうMSVの世界の懐の深さに感じ入ってしまうばかりです。
RX-178R

ガンダムMk-III
SIDE STORY OF GUNDAM Z 近藤和久著
僕の知る限りではこの前後数コマしか登場していないようです。アムロ・レイ救出作戦の実行部隊(カミーユ・ビダンがアッシマーで参加)を追撃するクワトロ・バジーナの率いるティターンズ部隊が使用しています。一般的に知られているガンダムMK-ⅢはAE社製でエゥーゴが運用していて型式番号もMSF-007が公式設定されていますがこちらはストーリーそのものがオリジナルとかなり違うこともあってか公式設定されていません。ライフルなどは全く違う装備ですが背部スラスターの形状などはほぼ同じように見えます。両者とも複雑だったムーバブルフレームの簡素化と強度アップにより生産性、整備性の向上を図っているところは同じ発想と言えるでしょう。かといってMK-Ⅱのデチューン版かと言えばそうでもなく装甲はガンダリウム合金を使うなど贅沢な資材も使用されていて決してお手軽な機体とは言えません。何故型式番号をRX-178Rとしたのか(あくまでMK-Ⅱの改良、改修版の様なイメージを持たせるような)近藤氏自身に聴いてみないと分かりませんね。
TMS-007X

Z-GUSTAV
SIDE STORY OF GUNDAM Z
この物語の中で登場するのがZガンダムではなくてこのZグスタフでした。巻末のMS紹介の部分で近藤氏いわく個人的趣向だそうです(笑)。設定ではガンダムのノウハウプラス、ジオンのニュータイプに関する研究をミックスしてしてあるそうです。そのために額の部分にモノアイがついていたりもしています。これがまたこの機体の迫力を増しているデザインになっていると思いませんか?勿論変形機構もちゃんとあってウエーブ・ライダーにも変形できるし、単独での大気圏再突入も可能な設定にしてあるそうです。ただし、この物語はごく一部の部分だけをピックアップして描き、終了してしまうので本編上では何者か全然わかりません。ただ、巻頭に付属しているイラストや表紙などから妙に引き付けられる機体です。余談となりますが先程のイラストにかかれている型式番号が違うのはなんだったのでしょうか?
M-MSVより・・・次の項の為に
MRX-007

Prototype Psyco Gundam
M-MSVで設定がされた機体でした。『SD CLUB』で初登場を果たしましたが、その時の機体名はプロトサイコガンダムでしたね。小説版(『モビルスーツコレクション・ノベルス Act.1「破滅の機体」』望月正雄著)では予定されていたテストパイロットが精神不調で急遽代理のパイロットが搭乗するも模擬戦中に暴走、エライ暴れようで大被害を出したためパイロットごと破壊されています。しかしこの機体は後のUC0096が舞台の漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』でザナドゥ(XANADU)として型番末尾にXをつけ生まれ変わります。基本性能が高かったのでしょうね。
小説『機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』
MRX-008
小説版ですので画像はありません。物語の中での説明ではそれまでの試作機とは違い、既にサイコガンダムとほぼ同じ姿をしていたようです。この機体の存在がフォウの傷ついていた心をさらに引き裂いていくストーリーが救いようのない悲しいものとなっていくのですが、科学の進歩の犠牲としては余りにも無慈悲であるように思うのは僕だけでは無いでしょう。Zガンダムの中では表現しきれなかった部分を補う小説ですが、この機体がそれの象徴となっていました。
SE.DJ-1R

ディジェSE-R
機動戦士ガンダムMS大全集2015
本当はSEシステムという今までと全く違う発想の武装の運用機だったはずなんですが・・・
今回のまとめ
今回はZガンダムのサイドストーリーや外伝のものがかなり入っています。それだけにかなりマニアックな機体も紹介させていただきました。派生機の改造型などガンダムの血が混じっていて尚且つ濃いものは入れてあるはずです。今までにご紹介させていただいた機体は被ってしまうので極力避けましたが、流れの中で必要と思えたもには登場させています。悪しからずご了解ください。次回はいよいよZガンダムの登場です。おたのしみに!
今回使わせていただいた資料
どれもガンダムファンならば是非一度手に取ってみていただきたい者たちです。とくにZガンダムが一番好きという方には意外なZガンダムを発見できるはずです。