90年代後半のNHK朝ドラ主題歌集

NHK社屋
90年代後半は、朝ドラ低迷期なんて言われていますが、それでも視聴率を見ると、やはりお化け番組だと思います。わずか15分で、毎回主題歌が流れるので、アーチストとしては朝ドラ主題歌くらい宣伝効果が高い抜擢は今もないのではないでしょうか?主題歌で朝ドラのイメージを残っているものも多い、90年代後半のNHK朝ドラ主題歌集を紹介します。
1995年10月~「走らんか!」 主演:三国一夫

長谷川法世の青春漫画「博多っ子純情」を現代風にアレンジした作品。1年間の大作である「春よ来い」の次作ということもあり、話題性はいまいちでした。
準主役で登場した菅野美穂さんですが、この頃から既に朝ドラ女優だったのですね。
平均視聴率は20.5%、最高視聴率は28.0%。
主題歌は、財津和夫が作詞・作曲とし、Dual Dreamが歌った「I Say Hello」。
(主題歌)Dual Dream「I Say Hello」
1996年4月~「ひまわり」 主演:松嶋菜々子

弟の窃盗事件をきっかけに弁護士を目指す女性の一代記。脚本は、「昼顔」や「緊急取調室」など今や大物脚本家となった井上由美子氏。
平均視聴率は25.5%、最高視聴率は29.6%。
主題歌は、山下達郎のメロディアスなナンバー「ドリーミング・ガール」。
(主題歌)山下達郎「ドリーミング・ガール」
1996年10月~「ふたりっ子」 主演:三倉茉奈 三倉佳奈

真面目でおとなしい姉と、やんちゃで破天荒な妹の双子の人生を追うストーリー。その後の、主演だった三倉茉奈、三倉佳奈が辿っている人生も対照的ですね。
平均視聴率は29.0%、最高視聴率は31.9%。朝ドラとしては久々の大ヒットとなりました。
主題歌はNOKKOの「natural」。
他にも、出演していた河合美智子がオーロラ輝子名義での曲もリリース。これもヒットしました。
(主題歌)NOKKO「natural」
(挿入歌)オーロラ輝子「夫婦みち」
1997年4月~「あぐり」 主演:田中美里

小説家である吉岡淳之介や女優の吉岡和子の母で、美容家としても知られる吉行あぐりの実話を基にしたストーリー。
平均視聴率は28.4%、最高視聴率は31.5%。
主題歌はなく、テーマ曲はバイオリン奏者である矢部達哉が奏でています。
(テーマ曲)矢部達哉「素晴らしき日々へ」
1997年10月~「甘辛しゃん」 主演:佐藤夕美子

神戸にある老舗酒蔵を舞台に、女性酒職人を目指すストーリー。朝ドラとして初めて1995年に起きた阪神大震災を本格的に扱って話題になりました。また、当時、ドラマを観て酒蔵ブームが起きましたよね。
平均視聴率は26.6%、最高視聴率は30.0%。
主題歌は旦那の桑田佳祐が作り、原由子が歌う「涙の天使に微笑みを」 。
(主題歌)原由子「涙の天使に微笑みを」
1998年4月~「天うらら」 主演:須藤理彩

体が悪いおばあちゃんも住める家を作るため、女性大工を目指す一代記。この朝ドラからバリアフリーと言う言葉が定着し、世の中にバリアフリー化が広まり始めたと言う功績もあります。
平均視聴率27.7%、最高視聴率35.6%。
主題歌はこちらもなく、オープニングテーマは、ロシア人のバイオリン奏者・セルゲイ・ナカリャコフが奏でる「うらら イン・ザ・スカイ」。(作曲:小六禮次郎)。
朝から優雅な気分になった人も多いのではないでしょうか。
(オープニングテーマ)セルゲイ・ナカリャコフ「うらら イン・ザ・スカイ」
1998年10月~「やんちゃくれ」 主演:小西美帆

「失敗したらやり直せばいい」がモットーのポジティブシンキングの女性が、これでもかと言うほど次々と襲ってくる困難に立ち向かい、実家の造船所再興を目指すストーリー。
平均視聴率は22.5%、最高視聴率は26.3%。
主題歌は、大阪制作らしさが溢れているウルフルズの「あそぼう」。
(主題歌)ウルフルズ「あそぼう」
1999年4月~「すずらん」 主演:遠野凪子 倍賞千恵子

北海道の留萌の駅に捨てられていて駅長に育てられた女の子が、その後、恋をして、また実母を探しているストーリー。女性を通じて、炭鉱で発展した町である留萌の流行り廃りも描かれていた。女性の幼少期から高齢者になるまでの一代記で、初期の朝ドラを彷彿とされるヒロインが3代にわたり変わっていった。
平均視聴率26.2%、最高視聴率30.4%。
主題歌は、nonが歌う「星の線路」。
(主題歌)non「星の線路」
1999年10月~「あすか」 主演:竹内結子

奈良と京都を舞台に和菓子職人を目指す女性のストーリー。ここから、竹内結子は大女優への道を歩み始めましたね。
平均視聴率は24.4%、最高視聴率は27.6%。
主題歌はなく、テーマ曲はオーボエ奏者の宮本文昭が奏でる「あすかのテーマ」。
(テーマ曲)宮本文昭「あすかのテーマ」
まとめ
いかがでしたでしょうか?今や主題歌は超大物アーチストを起用、ヒロインも民放ドラマなどで有名になっている人気女優が定番になっていますが、90年代後半くらいまでは挑戦的な朝ドラも多かったのですね。今後の朝ドラでも、「誰?」と言う人が歌う主題歌なども見てみたいですね。