NHKの音楽番組「音楽ファンタジー・ゆめ」知ってますか
子供向けの音楽番組ですね。
デジタル音源とCGを組み合わせた、当時としては先端な番組でした。

これはVHS版 DVDも出ていますが、現在取り扱いはないようです
Amazon.co.jp: NHK音楽ファンタジーゆめ 第8巻 [VHS]: ベジタブル・オーケストラ: ビデオ
「母と子のテレビタイム」なので、たいがいは夕方の母親の忙しい時間に放映していました。
5分番組ですが2部構成で、前半は固定キャラクターによるCGアニメーション
後半はCG作家のクレジットが出るメインCG動画でした。
前半の固定キャラクターは2種類
「ゆめ」放映初期および後期の一部で登場していたのが
フルーツ&ベジタブルオーケストラ
くだものと野菜のCGキャラがオーケストラを構成してます。
指揮者は・・・あれはなんだろう?

にんにくかと思ってたけど音符らしい
第一期なので1992年ですね。
コントラバスのナスがかわいいんですよ。
放映中期から後期にかけて登場したのが
「テクテクキッズ」コミー&ハーディという、パソコンとマウスのコンビキャラ。
いかにも当時のiMacを意識したパソコンで、しかもローラーの足もついてます。

左のマウスがコミー、青いPCがハーディ
音楽ファンタジーゆめ 草競馬 フォスター - YouTube
フルーツ&ベジタブルオーケストラは、その時のメイン楽曲のメロディに合わせて
CGアニメーションが作られていたのですが
テクテクキッズの方は、特にメイン楽曲は意識してなくて
短い完結したお話のアニメーションでした。
テクテクキッズは、キャラとしても立ってたので
後日別の形で商品化されてます。
これは絵本。

残念ながら絶版ですが
テクテク・キッズ―ちいさなコミーとおおきなハーディ ライティーンをすくえの巻 | きよたき ゆりこ |本 | 通販 | Amazon

英語学習教材らしいです
Windows(R) View Vol.27
記念すべき第一作「トルコ行進曲」モーツァルト
1992年の最初がこれ。けっこうインパクトありました。
CGの動画のビュー移動があちこち動いて斬新だったよ。
ときどき出てくる静止画+コラージュはまあ、ご愛敬かな?
第一作にモーツァルトのこれを持ってくるって、いいセレクトだと思います。今でも。
一番多く取り上げられてるのはショパン
なんたって1部2部合わせて5分の番組なので
どうしたってダイジェストになりがちです。
ショパンが一番多いのは、やっぱりピアノの小品で有名なのが多いからでしょうか。
ちなみに「ノクターン」「雨だれ」「英雄ポロネーズ」
「別れの曲」「小犬のワルツ」「華麗なる大円舞曲」
この6曲が入っています。
次に多いのは、5曲。モーツァルトとベートーベン、それからシューベルトとチャイコフスキー。
さすがに交響曲はダイジェストですね。
ベートーベンの交響曲第5番の「運命」は、フックト・オン的なビートで
モチーフの繰り返しを中心にした編曲になってます。
CGアニメーションがかわいい
なんと言っても子ども向け番組なので
子どもが見て食いついてくれる絵でないとね。
かわいい系のおすすめをいくつか。
ぴったりマッチというなら、こんなのもある。
かわいい、というわけではないけど、よくできてる。
大人向けかとも思えるマニアなものも
かと思うと、「これは子どもにわかるのか?」と思うような
マニア受けしそうなものもあったりします。
ヘンデルのうららかな「水上の音楽」に合わせて、
なーんでかスフィンクスがベジャールの「ボレロ」を踊る。
これ、子どもには意味わかんないでしょ。
これって内容は、傘の仲間割れというか裁判ですよ。
子ども向けかあ?
そしてトラウマにもなるコワイものも
実は、「音楽ファンタジー・ゆめ トラウマ」で検索すると
いっぱい出てきたりするんですよ。
まずはこれ。
なにがこわいって
あの黄色の異形物体の上に頭が生えるんだよ。
「パリのアメリカ人」は、ジーン・ケリーの映画のながーいナンバーで有名ですが
あの素晴らしいダンスシーンでも払拭できないこわさがあります。
この3つのCGアニメーションは、どれもアートグラフィックスの田中秀幸。
「ウゴウゴルーガ」とか「スーパーミルクチャン」とかを手掛けたひとで
こういう「怖くしてないけどなんか怖い」系の方ですね。
トラウマになるほど強烈な印象の残る番組だったわけですが
これでいろんな作曲家のいろんな音楽を知った子どもは多かったはず。
3DCGアニメーションの萌芽のころ、
今から見れば、昔のゲーム画面みたいにカクカクしてるし、流麗でもないけれど
音楽とCG動画のコラボレーションの5分の番組は、とてもぜいたくな時間でした。