おもいでの夏
今の中高生が、この映画を見てときめくとは思えませんが、おじさんはそうではありません。この淡く甘美な世界は永遠なのだ!
「おもいでの夏」というタイトル、このタイトルの響きだけでグッとくるものを感じます。内容は美しい人妻とのひと夏の経験。これでグッと来ないはずかありません。
過激な描写はありませんが、「だからこそイイ」という青春の1本です。
15歳の少年ハーミーの甘くせつない、ひと夏の思い出を詩情豊かに描いた「おもいでの夏」。
「人は何かを得て、同時に何かを失う」という、大人になった主人公の回想シーンでのセリフが心に迫ります。原題は「The Summer of '42 」ですが、これはもう邦題の方が圧倒的にステキです!

おもいでの夏
あらすじ
物語は、1942年の夏、15歳の少年ハーミーは家族と一緒にニューイングランドの沖合いにあるナンタケット島へやって来るところから始まります。
ハーミーは丘の上の一軒家に夫と住んでいるドロシーの美しさに魅かれ、一目惚れをしてしまいます。
そんなある日、お使いを頼まれたハーミーは、大量の荷物を持ったドロシーに出会います。
とにかくドロシーを演じるジェニファー・オニールが魅力的です。この笑顔にやられちゃいます。

おもいでの夏
そして、荷物持ちとなる。

おもいでの夏
美しい年上の女性の荷物を家まで運ぶという、こうした何気ない描写が良いんですよね!
荷物を持ってもらってドロシーは大喜びするのですが、ハーミーの方は内心もっと大喜びです。

おもいでの夏
その日はコーヒーをご馳走になり帰るのですが、数日後、ドロシーから荷物を屋根裏に入れるので手伝いに来て欲しいと頼まれます。
喜び勇んで駆けつけるのですが、ドロシーのセクシーさにドギマギしてしまうハーミー。しかし、手伝いを終えたことでドロシーからオデコにキスをしてもらいます。
この時、ハーミーは自分が好きであることを思わず伝えてしまいます。
しかし、何と言ってもここはオデコにキスをしてもらうシーンよりも、その前の梯子にドロシーが上るシーンが最高です。ハーミーが至近距離で見るドロシーの足や胸。これがたまらないんですね。
それにしても、ジェニファー・オニールは美しい。スタイルも最高です。
如何ですか?梯子のシーンは最高でしょう?
その後は、友人たちと童貞卒業のために、あれやこれやと思わず笑ってしまうエピソードが続きます。が、結局ハーミーは経験出来ないままです。
そんなある日、ハーミーがドロシーの家を訪れると、彼女の夫が戦死した手紙が来ていました。悲しみに明け暮れるドロシーとハーミーは抱き合います。そして、ついにハーミーは思いを遂げるのです。
ドロシーが一枚ずつ服を脱いでいくシーン。下着姿が美しすぎますが、最後にその下着を脱ぐところは、おじさんのナイーブな感性がないと分からないとは思いますがドキドキものです。
次の日、ドロシーの家を訪ねたハーミーでしたが、そこに彼女の姿はなく、「この間の思い出が重荷にならないことを祈る」と書いた手紙が残されているのでした。
スタッフ
主人公を務めたゲーリー・グライムスも良いのですが、この映画は何と言ってもドロシー役のジェニファー・オニールに尽きます!

ジェニファー・オニール
10代はモデルとしてテレビ・雑誌で活躍していたジェニファー・オニールですが、「おもいでの夏」で一躍ハリウッドのスターになりました。その後、ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作「イノセント」に出演し、ここでも素晴らしい演技を見せてくれています。
監督は「アラバマ物語」でも知られるロバート・マリガン。

ロバート・マリガン
そして、あまりにも美しい音楽を担当したのは、ご存知ミシェル・ルグランです。この作品で第44回アカデミー賞 と第25回英国アカデミー賞において作曲賞を受賞しています。

おもいでの夏/ピカソ組曲 ※画像は『続・おもいでの夏』日本版劇場ポスター
ミシェル・ルグランのテーマ曲はアカデミー作曲賞を獲得しましたが、今はジャズの世界でもスタンダードになっていますね。 映画と音楽がパーフェクトにマッチングした典型例です。
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それでは、ミシェル・ルグランの素晴らしいテーマ曲とともに「おもいでの夏」を振り返ってみましょう。
誰にでもある青春時代の一コマを詩情豊かに描いた大傑作(おじさん限定)。夏の終わりに観るのにピッタリな映画です。