当時流行していた角形4灯のヘッドライトを採用した最末期の117クーペ
Isuzu 117 Coupe Giugiaro (PA90) 1979 pictures
非常に美しいデザインで多くの人を魅了した117クーペでしたが、発売から13年後の1981年6月、後継のピアッツァに後を託し、製造を終了しました。このピアッツァも、ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインで、時代の変化を印象づけました。
117クーペの後継となったピアッツァ
Isuzu Piazza 1981–91 wallpapers
1960年代の国産車は、外国人デザイナーにデザインを依頼することが多かったのですが、その後は社内デザイナーがすべて手がけることが多くなっていました。1970年代後半にジウジアーロに依頼したいすゞは、国産メーカーでは非常に珍しいことで、いかにフラッグシップモデルとしてのクーペを重視していたかが伺えます。
117クーペがデビューした頃、「無個性のな車はつくらない」というキャッチコピーを使っておりましたが、乗用車で大きな利益を上げられないこともあり、経営不振の影響で1993年に乗用車生産の中止、2002年にOEM供給を含む販売そのものもやめてしまい、トラック・バスの専業メーカーとなりました。
現在の国産車は、個性はあっても尖っているだけで、人を魅了するクルマはなかなかありません。もし、現在もいすゞが乗用車を、しかもクーペをつくっていたら……。今こそ、こんな美しいクーペがどこかから発売されてほしいものです。