フルハウスの魅力と思い出

フルハウスの魅力と思い出

1987年から8年間放送されていたアメリカドラマ『フルハウス』。本国アメリカでも人気のあった作品でしたが、日本でもNHK教育テレビで放送された人気ドラマでした。この作品のヒントになった作品紹介と主役であるタナー家に住む6人とそれを演じた役者、日本での吹き替え声優を中心に魅力を語ります。


フルハウス作品紹介

本国アメリカでは、1987年9月第1シーズンが始まり、1995年5月まで第8シーズンまでシリーズ化されて全米ABCネットワークで8年間放送されました。
日本では、NHKで1993年4月から第1シーズン放送開始、1997年2月まで第8シーズンまで放送されました。
アメリカでの年間視聴率は、3年目で22位、14位、7位、10位、6位を記録した人気番組。
2016年、続編の『フラハウス』がネット配信ドラマされるなど、今も高い人気を誇る作品です。

3人のパパ!? とおませな3人の娘が繰り広げるハッピー・ライフ

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舞台はサンフランシスコ。妻、パメラに先たたれたローカルテレビ局チャンネル8のスポーツ・キャスター、ダニーが妻の弟で義弟のジェシーと、親友のジョーイと三人で残された三人の娘達、上からしっかり者の長女DJ(放送開始時年齢10歳)、おしゃまな次女のステフ(放送開始時年齢5歳)、末っ子で愛らしいミシェル(放送開始時年齢生後6ヶ月)を育てていきます。
6人は一つ屋根の下、いろいろな騒動を起こしながらも、楽しく元気に生活をししていきます。

元になった作品『赤ちゃんに乾杯!』

『フルハウス』は、1985年のフランス映画コリーヌ・セロー監督脚本『赤ちゃんに乾杯!』に強く影響を受けた作品です。
『赤ちゃんに乾杯!』は、コリーヌ・セロー監督・脚本作品で、第11回セザール賞で作品賞、助演男優賞、脚本賞を受賞しています。
『赤ちゃんに乾杯!』は、1987年にアメリカでレナード・モニイ監督で『スリーメン&ベビー』というタイトルでリメイクされています。

赤ちゃんに乾杯!

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『赤ちゃんに乾杯!』と『スリーメン&ベビー』は3人の男性が1人の赤ちゃんを育てるコメディ映画ですが、『フルハウス』は、3人の男性が子育てをするのは同じでも、子ども達は3人。それも、赤ん坊の末っ子ミシェル(開始時生後6ヶ月)、次女のステフ(開始時5歳)、長女のD.J(開始時10歳)と5歳間隔で年齢幅もあり、8年の長期シリーズになったことで、微妙な年頃の問題も取り扱っていて、物語の幅が広くとられていたと思います。
明るく楽しく、ほのかに心温まるタナー家、増えていく家族、愉快な隣近所、娘達の友人、ボーイフレンド、特にD.Jの親友キミーのインパクトの破壊力に、振り回されたのは、懐かしい思い出です。
親子関係、家族愛、友情が明るさの中に楽しかったのが、『フルハウス』の世界でした。

魅力を引き出した役者たち

『フルハウス』は、アメリカの俳優の人達も魅力的でしたが、日本ではさらに吹き替えの声優の人達の演技が魅力を引き上げていました。
アメリカで演じた俳優と日本で吹き替えを演じた声優の人達を紹介します。

ダニー・タナー

タナー家の大黒柱。3人娘のパパ。シスコのローカルTV局チャンネル8に勤めるスポーツキャスター。穏やかで、優しく、真面目な綺麗好きで、掃除が得意。

2014年ブルックリンブックフェスティバル時の写真

ボブ・サゲット(1956年5月17日生まれ)

Bob Saget - Wikipedia

タナー家の大黒柱、ダニーを演じたボブ・サゲットさん。
バージニア州ノーフォークで育ち、テンプル大学で映画を学び在学中に短編ドキュメンタリーで学生映画賞を受賞。
1978年ロサンジェルスに移住し、USC映画学科に入学。
その後、有名クラブで、スタンダップコメディアンとして芸能人デビューします。
『フルハウス』で人気になったサゲットさんは、1990年テレビ番組の司会も担当。
1996年テレビムービー『For Hope』で監督デビューしています。
『For Hope』は、サゲットさんの実姉の自叙伝で、実姉が難病強皮症で若くして亡くなったことから、監督を務めました。強皮症の研究法人の一員でもあります。

(吹き替え)大塚芳忠

サゲットさんが演じたダニーを吹き替えたのは大塚芳忠さん。
優しく深みのある声がダニーにぴったり。
掃除好きで、穏やかで優しく、見ていて癒されました。
私は、このダニー役で大塚さんを意識したので、大塚芳忠さんと言えばダニーを思い出します。
他に大塚さんと言えば、『重戦機エルガイム』(1984年)のキャオ役、『キャプテン翼』(1983年~1986年)の早田誠役が有名だと思います。
大塚さんの奥様の同じく声優であり女優の弥永和子さん(代表役『新・エースをねらえ!』(1978年)緑川蘭子役、『装甲騎兵ボトムズ』(1983年)フィアナ役)も『フルハウス』で第5シーズンから登場するビッキー役(演:ゲイル・アドワーズ)の吹き替えで出演され、夫婦共演されています。
妻、パメラの死後、ビッキーと愛し合い、プロポーズをするも、仕事を優先したビッキーと家族を選んだダニーの別れは、吹き替えをされた大塚さんと弥永さんが夫婦だと思うと、役と役者は別だと分かっていても、ドラマチックに感じます。
弥永さんは、2014年にお亡くなりになり、大塚さんとは死別されてしまったのが残念です。

ジェシー・コクラン(カツォポリス)

ダニーの義弟、三姉妹の叔父、交通事故で死んだパメラの弟。本名は、ハーミス。高校中退、第6シーズン(アメリカ放送1992年、日本放送1995年)後に妻となるベッキーと出会い夜間高校に通って卒業。バイク好きでロック歌手になるのが夢。エルビス・プレスリーに憧れている。両親の害虫駆除会社を手伝っていたが、実家にいるのが息苦しく、姉パメラが死んで3人の娘の子育てに困っている義兄ダニーの家に居候して、一緒に住み、子育てをしていくことに。

1990年のグラミー賞に出演した時の写真

ジョン・スティモス(1963年8月19日生まれ)

John Stamos - Wikipedia

ジェシーを演じたのは、ジョン・スティモス。1983年、アメリカで1963年から始まった長寿ソープオペラ(ソープオペラは日本での昼ドラにあたる)“Genereal Hospital”のオーディションに参加して合格し、ブラッキー・パリッシュ役に選ばれます。最初は5話しか出ない役でしたが、魅力が認められて2年間のレギュラーになりました。1984年CBS系のシットコム『Dreams』でゴールデンタイムに。音楽界にも進出してロックバンド『John Stamos and the Bad Boyz』でリーダー。
実際はロックバンドのリーダーであるジョンが、ロック歌手を夢見るジェシーを演じたところが面白いですね。これは、ジョーイを演じたデイブも同様です。
『フルハウス』のジェシーは、アメリカでは第4シリーズで、ジェシーの結婚式に祖父母がギリシャからやってくるエピソードに合わせて、ギリシャ系の苗字「カツォポリス」に改名されています。(日本では最後までコクラン姓)これは、ジェシーを演じたジョンが自身のギリシア系としてのルーツを大切にしていことによる名前の変更でした。

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