アナログレコードに復活の兆し
1980年頃までは音楽を聴く手段として主流だったアナログレコード。
しかし、1982年に登場したCDに立場を奪われ衰退していった。
時は流れ、そのCDすら売り上げを落とし、音楽配信が伸びている現在において、アナログレコードの復活という逆転現象が起きつつあると言われている。
有名アーティストのアルバムがCDと同時にLPレコードも発売されたり、かつての名盤がアナログレコードで復刻されるなど、その現象は着実かつ確実に広がってきている。
この動きは日本のみならず、アメリカにおいてもレコード盤の販売は2007年に底を打って以降、毎年のように2桁の増加を続け、2015年には1700万枚まで回復。
デジタルストリーミングの売上をレコードが上回っている。
※アメリカレコード協会(RIAA)調査より
きっかけとなったのはビートルズのLPボックス
レコード復活のきっかけになったのは2012年に発売されたビートルズのLPボックスだと言われている。
その後、触発された国内外の有名アーティストも新譜や復刻でLPレコードを発売するようになり、一つの大きな流れとなった。
なぜ、いまさらレコードなのか??
聴き放題の音楽配信や、無料で楽しめるYoutubeのような存在がある現在、なぜ大きくかさばり、再生も面倒なレコードが復活してきているのか。
①形あるものを収集、飾りたいという欲求
レコードやカセット、CDというパッケージから解き放たれた音楽は非常に便利である。
狭い部屋を気にせずにパソコンやスマートフォンに何万曲もの音楽を詰め込める。
ただ、言葉レコードのジャケット自体もアーティストやレコード会社がこだわり尽したアートを楽しむためにはやはりパッケージが必要。
なかでもその大きさを存分にキャンバスとして生かせるLPレコードは、『ジャケ買い』という言葉を生み出したほど、購買に大きく作用する要素であった。
レコード屋でジャケットを手に取った瞬間「ビビッ」と来る感覚。
人の家に遊びに行った時に飾ってあるレコードでわかる嗜好。
これはやはりレコードならではの楽しみではないだろうか。

レコードジャケットをインテリアに
②レトロなものへの懐古主義、新鮮さ。
レコード盤の手触りや、レコードプレーヤーに対して40代以上の方なら「ああ!これだよ、これ。」と懐かしく感じる。
そして、レコードを知らない若者からもレコードが支持されているのは、インスタントカメラなどと同様に「なにこれ?カッコいい」とかえって新鮮さを感じるのが理由である。
③音楽に集中したいという願望と音質へのこだわり
ハイレゾ音源がもてはやされる一方で、同じくCDではカットしている高音域をカバーしている「レコードで聴くのが一番」という声も根強い。
それは、アナログレコードならでなの迫力・温もり・生々しさ等々、理論や理屈では説明できないLP独特の味わいによる『気分』だとも言える。
それにはレコードを聴くための面倒も影響している。
CDなどと違って早送りも巻き戻しもできない。
簡単に違うアルバムへ移行することもできない。
だからこそ、「よし!今日はこのアルバムを聴こう」という明確な意思が必要となり、必然的に音楽に集中するスイッチが入るのである。
自分の手で針を落とし、集中して耳を傾ける作業は、手間暇かけて豆を挽きドリップしたコーヒーを楽しむのと同じような『心地よさ』を感じるのである。
④手軽に買える低価格帯のレコードプレーヤーの出現
以前はマニアのための高額品の印象があったレコードプレーヤーだが、初心者が気軽にレコードを聴くのに充分な機能を備えた1万円以下のレコードプレイヤーが登場。
アナログレコード復活に大きく貢献している。
もう一度レコードが聴きたい!【レコードプレイヤー】が近年売れています。
あの有名アーティストもアナログレコードを復刻発売!
THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)
THE BLUE HEARTSの名盤が一挙アナログレコード化
BOØWY(ボウイ)
2017/7/26、BOØWY結成35周年を記念し、ライブ盤などでもお馴染みの曲がオンパレードの中後期となる4枚目~6枚目のスタジオアルバム3タイトルが180グラム重量盤で同日発売!
スピッツ
2017/7/5、スピッツ結成30周年を記念して、1stアルバム『スピッツ』から15thアルバム『醒めない』までのオリジナルアルバム15作品にミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』を加えた全16タイトルを180グラム重量盤で一挙再発売!
RCサクセション
2017/5/3、80年代に発売されたRCサクセションの3作品を、オリジナル・アナログ・マスターからの最新リマスタリング、初の重量盤LP(180g)として復刻発売した。
要チェック!完全生産限定盤の復刻レコード
復刻版以外にも、尾崎豊・桑田佳祐、ピチカートファイブ、おニャン子クラブ、原田知世、大瀧詠一、THE YELLOW MONKEY、佐野元春、坂本龍一、PERSONZ、角松敏生、アン・ルイス、ユニコーン、オリジナル・ラブなど、多くのアーティストが新譜やベスト盤をアナログレコードで発売している。
レコードプレーヤーを買ったとしてもレコード自体の入手が難しいのでは?なんて心配は無用。
お気に入りのアーティストのレコードを見つけたら、是非アナログならではの良さを体感して頂きたい。
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