『ガンプラり歩き旅』その16 ~地球連邦軍旗艦マゼラン登場!~

『ガンプラり歩き旅』その16 ~地球連邦軍旗艦マゼラン登場!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第16回は、ガンダム世界の地球連邦軍の旗艦にして、レビル将軍もワッケイン司令も乗り込んでいた、宇宙戦艦・マゼランの、1/1200キットの紹介です!


ソロモン決戦へ向けて、ジムを搭載して進軍する戦艦マゼラン!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回は、宇宙戦艦としてはかっこよく、あの『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)登場のSF的宇宙戦艦を彷彿とさせるものの、砲塔と艤装だけ見掛け倒しで、機動力と一撃離脱先方に秀でたモビルスーツ相手に、大戦初期から翻弄され続けた挙句、いいとこまったくなしだった、でも、宇宙戦艦好きのツボは押しまくるデザインのマゼランを紹介!


マゼラン 1/1200 1982年11月 500円

連邦軍旗艦だけあって、ジム、ボール、サラミスを従えた雄姿のボックスアート!

さぁそろそろ、商品化メカが残弾僅かになってきて、チキンレースかロシアンルーレットみたいな状態になってきた初期ガンプラ。
このタイミングで出すは、もはや番組企画初期に、『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)ブームへの保険として配置しておいた、戦艦メカぐらいしかなくなってきたのがこの時期。
既に、映像作品には登場していない、オーパーツかロストテクノロジーみたいな没モビルスーツ群までプラモデル化していた時期で、ここからの戦艦シリーズ商品化は、むしろ「そもそもちゃんと、映像に登場していたメカ」という意味では、ミデアと共にちょっとホッとする展開になる。

キットの成型色は、序盤に主に登場した、ワッケイン指令艦のグリーンで商品化されている

ガンプラは、この後ざざっと戦艦系を出し尽くし、最後には汚名挽回と晩節汚しとの分岐点のような1/60 ゲルググ量産型を出して、後はモビルスーツバリエーション(MSV)へとジャンルが移行するのだけれども、こうした、悪い言い方をすればあからさまな落ち葉拾い、良く言えば、ここまで徹底してくれたメカアニメとその商品化というのも、『宇宙戦艦ヤマト』のメカコレクションシリーズと、『機動戦士ガンダム』(1979年)の初作のガンプラ程度のものだというのが、この業界の限界論。

いざ進軍するマゼラン! 戦いは数だよ、兄貴!

むしろ37年を経て、2010年代も中盤に差し掛かる頃合いになって、プラモデルだけではなく、プライズ商品や完成品フィギュアや食玩、ガシャポンまで集めきれば、ハロからドップから、ガンダムのトレーラーから、エレカから、大物だと、ソロモン、ア・バオア・クー、ズム・シティ、果てはマ・クベの壺や、アムロが子どもの頃に哀願してたピノキオみたいな人形や、テム・レイの謎の回路まで、商品化ネタは掘り尽くされ、およそ『機動戦士ガンダム』登場創造物で、立体にできそうな物は商品化し尽されたのだが(諸般の事情で、スペース・コロニーの模型(WAVEのスペース・セツルメントは、ガンダムの商品じゃない)と、キャラクターのアクションフィギュアだけは、未だに正式には手を出せないでいるが)、まだまだ、この1982年という時期では、そこまで発想が翔べるわけもなく、この辺りの戦艦続々シリーズでも、バンダイの気おくれがそのラインナップに現れている(ジオンの戦艦でも、チベやパプア、ドロスなどが出せなかった辺りが、明確に及び腰であったことの証明であるだろう)。

サラミスを露払いに、ホワイトベースを従えて、一斉射撃でジオン艦隊に猛攻をかける!

しかし、メーカーの及び腰と、仕上がってくる商品のクオリティはまた別物であり、この、今回紹介するマゼランは、レビル将軍も乗り込んでいた、ある意味ガンダムの世界の主人公サイド、地球連邦軍の最主力戦艦であっただけに、キット化を待ち望んでいた隠れ戦艦ファンも少なくなかったと思われる。

加えて、良くも悪くもヤマトの戦艦デザイン概念から脱皮しきれていなかった、マゼランやサラミスなどは、むしろヤマトのメカコレクションシリーズで技術ノウハウを蓄えていたバンダイにしてみれば、その立体化は得意中の得意であり、完成品がハズレるわけも道理もない。

激戦続くソロモンに、マゼランの雄姿が浮かび上がる

アニメ登場モビルスーツのガンプラは、この後一時期だけ、1/250スケール、多色成型仕様の「いろプラ」で、主要モビルスーツを開発展開するのだけれども、まだこの時期は、スケールやディティールを犠牲にしてまで塗装をしないで済む仕様というのが受け入れる市場がなく、時代のあだ花で終わったのであるが、その多色成型は90年代以降に改めて取り入れられ、むしろその後現代まで続くガンプラの基本仕様になっていくという歴史は面白い。

しかし、驚異のビグ・ザムの前では、連邦軍の大型艦もひとたまりもない

マゼランキットに話を戻せば、昨今では非モビルスーツ系のガンプラの、高価格帯アイテムが「EXモデル」として発売展開されていて、そこではこのマゼランとサラミスが、セットで2005年の8月に4000円で新規発売されていたが、スケールが1/1700と中途半端な上、今風のディティールが余計な味付けをしていて、しかし、大艦巨砲主義を象徴すべきマゼランの主砲が無意味に小さく造形されているなどの改変は、そういったデザインリファインがお好きな人には好まれる商品なのだろうが、筆者的には価格的にもキットの出来的にも、この旧キットの方がなにもかもニーズに合っているので、何も考えずに今回は旧キットを選択した。

キットを真横から見た構造。アニメどおりで、デザインにもメリハリがある

キットの方は、緑色で成型されていて、これはテレビ版第4話『ルナツー脱出作戦』などで登場した、ルナツーのワッケイン指令専用艦マゼランの塗装仕様である。
ワッケイン指令専用マゼランは、ソロモン戦等でも登場するが、その他のマゼランは、サラミス同様青系で塗装されているので(ワッケイン艦も、カットによっては間違って青系で塗られている)、今回は量産型を目指して全塗装することにした。

前面から見たマゼラン。近年の1/1700EXモデル版では、艦前部主砲が小型化されていたり、個性が薄まっている分、当時キットの価値は高い

その、「艦体グリーン仕様ワッケイン艦」マゼランは、こちらは近年、バンダイが発売した、極小サイズのメカフィギュア、マイクロメカコレクション版で妥協。
まぁワッケイン指令、劇場用映画版では、テレビ版から大幅に出番を削られてるしねぇ……。

マゼラン後部。4個並んだ6角形のバーニアノズルが、当時のヤマトブームの影響をうかがわせる

ちなみに、ワッケイン艦以外で一番目立ったマゼラン艦として、星一号作戦時のレビル艦隊第1大隊所属艦ルザルが挙げられる。ルザルは艦体こそ量産型と同じ青系だが、砲座がルザルだけサンディイエローで塗られていいた。

艦橋付近のディテールも、アニメデザインに沿ってなかなか精密に出来上がっている

しかし、今回は完全量産型を狙って塗装するので、ワッケイン艦ともルザルとも配色が異なる。
キット塗装解説書には、量産型の場合、ボディは「ミディアムブルー+すみれ色」砲座は「明灰白色+すみれ色」と書かれているが、すみれ色とかのMrカラーへの置き換えが思いつかないのと、マゼラン一隻のためにいちいち調色するのも面倒なので(暴言)、艦体をミディアムブルー、砲座をMr.カラー C74 エアスペリオリティブルー(旧ガンプラファンには「シャアフィギュアの、シャアの仮面の指定色」と言えば、あぁと思い出す人もいるはず)でそれぞれ塗装。
艦体後部下部のインテーク(?)と、4基のエンジンノズル内はモンザレッドで塗装した。
艦橋の窓はイエローで塗ってある。

再現画像で登場させた、マイクロメカコレクション版のマゼランを使用した、ワッケイン艦がソロモン戦に参戦したシーンより

さすがにアップで見せるには厳しいが、指の上にも乗る極小サイズにも拘わらず、ディテールも塗装もそれなりに匠の技のマイクロメカコレクション版マゼラン艦

最後は墨入れをして、全体に艶消しを吹いて完成。
うん、どこからどう見ても「宇宙戦艦」です。ひたすら、それだけの代物です(笑)

市川大河公式サイト

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