70mm映画上映も可能なシネマ劇場
1950年後半の超大作映画といえば、『ジャイアンツ』(原題:Giant)からかな!?
物語は、テキサスにおける古い時代(牛の放牧)から新しい時代(石油文明)への30年に及ぶ流れである。
大牧場主ビック・ベネディクト(ロック・ハドソン)と東部から嫁いだレズリー(エリザベス・テイラー)の夫婦の多彩な人生を描く中に、二人に生まれた3人の子供、使用人のレズリーに恋心を持ったジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)の生き様を織りまぜて、アメリカ社会における色々な問題点を浮き彫りにしている。例えば、大牧場主や石油王という財力の社会の意味、南部に残る人種差別と使用人の非人間的扱いの社会、また第二次世界大戦の戦争によって若い命が失われるという悲惨な状況・・・などである。
『ジャイアンツ』出演陣の横顔紹介
ロック・ハドソン(Rock Hudson)
エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)
ジェームズ・ディーン(James Dean)
『ジャイアンツ』と同じ年に公開された『戦争と平和』も大作中の大作だ!!
『戦争と平和』(せんそうとへいわ、原題:War and Peace)
1812年のナポレオン率いるフランス軍の帝政ロシア侵攻を縦糸に、ロシア貴族の三つの家族を含む500人の人物を横糸に、文豪トルストイが1865年から1869年にかけて執筆した大河ドラマを基にして、1956年にハリウッドが全力をあげて製作したドラマである。
4巻にも渡る長い小説を、他はできるだけ省いて、ベズコフ伯爵の庶子であるピエール (ヘンリー・フォンダ)、彼の無二の親友アンドレイ公爵(メル・ファーラー)、そしてロストフ伯爵家の娘ナターシャ(オードリー・ヘップバーン) の三人の愛情の縺れを中心に描いている。
実は、同様の題材で1967年にソ連が威信をかけた7時間の作品を作成していますが、当時では、オードリー・ヘップバーンが出演したこの作品が「戦争と平和」の初めての映画化のようです。
『戦争と平和』出演陣の横顔紹介
ヘンリー・フォンダ(Henry Fonda)
オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)
メル・ファーラー(Mel Ferrer)
今世紀の戦争物で必ず上位に食い込む『戦場に架ける橋』が1957年に公開!!
『戦場にかける橋』(せんじょうにかけるはし、The Bridge on The River Kwai)
タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では、連合軍捕虜を使って、国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。だが、英軍大佐(アレック・ギネス)はジュネーヴ協定に反するとして、所長(早川雪洲)と対立。一方、米軍捕虜の海軍少佐(ウィリアム・ホールデン)は脱走を試み、辛くも収容所を後にした。英軍大佐の気骨に共感した所長は、捕虜の恩赦を条件に再度協力を要請。捕虜たちに生きがいを与えようと考えていた大佐はこれを承諾し、こうして建設工事が始まった。だが同時に、生き延びた米海軍少佐の手引きによって、連合軍による架橋爆破作戦も開始されようとしていた・・・。
戦後50年を過ぎ、次第に明らかになってきた戦中当時の証言によれば、日本軍の行った捕虜を使っての労役にはもっと非人道的なものがあり、この映画で描かれているような事は絵空事でしかないのだろうが、その事実とこの作品の良さは別次元で語られるべきであろう。我々にはもはやこの“戦争映画”は寓話としてしか観る事ができないかもしれないが、その寓話は非常に感動的で、人間ドラマとしての素晴らしさ、スペクタクルの醍醐味を持っているのだ。アカデミー作品・監督・脚色・主演男優(アレックス・ギネス)・編集・撮影・音楽賞受賞。脚本のM・ウィルソンとC・フォアマンは当時赤狩りの疑いをかけられていたためクレジットを削除されていたが、1984年のアカデミーで改めてこれを表彰、後に製作されたドルビー改訂版ではクレジットも復活した(C・ウィリンガムは元々クレジットされていない)。
『戦場にかける橋』出演陣の横顔紹介
アレック・ギネス(Sir Alec Guinness)