【第10位】Addicted To Love / Robert Palmer

この前年にザ・パワー・ステーションに参加したことで一躍注目されるようになったロバート・パーマーが、ソロでも大成功を収めた代表曲!そのパワステからの流れで、デュラン・デュランのアンディ・テイラーや、シックのトニー・トンプソンらがレコーディングに加わっています。ホントはチャカ・カーンとデュエットしたかったそうですが、チャカのレコード会社側がNGを出したため、実現せず(同じ年にリリースされたスティーヴ・ウィンウッドの新曲には参加してくれたのに!)。そして何といっても印象的だったのが、このPV!演奏する女性バンド・メンバーたちの白塗りメイクが衝撃でしたね~。最高で全米1位、全英5位のヒットとなりました。
【第9位】If You Leave / Orchestral Manoeuvres In The Dark

映画『プリティ・イン・ピンク』のエンディングに使われ、OMDにとってアメリカで最大のヒットとなりました(全米最高4位)。OMDのツアーが始まる2日前に、映画の製作総指揮をとっていたジョン・ヒューズから依頼を受け、わずか24時間以内で仕上げたというのだから驚きです!ちなみにこの曲はBPM120のテンポで作られているのですが、これは映画で使われるダンスのシーンで、最初に流していた(ダンサーたちが合わせて踊っていた)曲、シンプル・マインズの「ドント・ユー」のBPMに合わせたからなのだとか。
【第8位】Bad Boy / Miami Sound Machine

前のシングル「コンガ」で遂にブレイクを果たしたマイアミ・サウンド・マシーンの、2曲目となる全米トップ10ヒット!それまではラテン色の強いサウンドが魅力でしたが、このモータウン・ビートを取り入れたポップな楽曲で、新境地を切り開いた感がありましたね~。ジャケやPVでもヴォーカルのグロリア・エステファンが前面に出てくるようになって、ここから快進撃を始めていったのです!
【第7位】Take Me Home / Phil Collins

大ヒット・アルバム『ノー・ジャケット・リクワイアド』から、4曲連続で全米トップ10ヒットとなったシングル!なんとバック・コーラスには、元ジェネシスのピーター・ガブリエルをはじめ、スティングやヘレン・テリー(カルチャー・クラブのバック・ヴォーカルで有名)も参加しているという豪華さ!PVでは、フィルがロンドン、ニューヨーク、パリ、東京など世界各国を訪れ(ワールドツアー中に撮影したのでしょう)、最後にようやく家に帰ってきたフィルに対して、奥さんが「どこ行ってたの?パブにでも行ってたんでしょ?」と言うオチが面白い(笑)
【第6位】Your Love / The Outfield

イギリスのバンドなのに、なぜかイギリスではなくアメリカで売れたという、いわゆる一発屋のアウトフィールド!プロデューサーのリック・チャートフとウィリアム・ウィットマンといえば、あのシンディ・ローパーのデビュー・アルバムを手掛けたことでも知られているだけに、レコード会社の期待がそれだけ高かったことが分かりますね~。
【第5位】Live To Tell / Madonna

元々はこの曲をマドンナと共作したパトリック・レオナルドが映画『Fire with Fire(邦題:禁じられた恋)』のために書いた曲だったそうですが、その映画に採用されなかったため、マドンナを介して当時マドンナの夫だったショーン・ペンが主演した映画『At Close Range(邦題:ロンリー・ブラッド)』主題歌となり、全米最高1位の大ヒットを記録!それまでダンサブルなヒットが多かったマドンナにしては珍しく地味なバラードでしたが、ヴォーカリストとして幅広い楽曲を歌いこなすことが出来ることを示すことになりました!
【第4位】What Have You Done For Me Lately / Janet Jackson

当時、公私共にうまく行っていなかったジャネットでしたが、ジェームス・デバージとの離婚、そして彼女のマネジャーでもあった父親の元を離れたことで、ようやく自分がやりたい音楽活動が出来る環境を作ることに成功。元タイムのジミー・ジャム&テリー・ルイスのプロデュースで、遂に才能が開花した記念すべきシングルとなり、全米最高4位のヒットに!PVには、この振り付けをしたポーラ・アブドゥルも出演してますね~
【第3位】Why Can’t This Be Love / Van Halen

人気者デイヴ・リー・ロスが脱退し、サミー・ヘイガーが新たなヴォーカリストとして加入しての初シングル!エディが弾くシンセサイザーのリフが印象的で、全米最高3位を記録しました。このヒットによって、この曲を含むアルバム『5150』はヴァン・ヘイレンにとって初の全米アルバム・チャート1位を獲得。デイヴがいなくなった不安を一掃し、その人気と実力はさらにパワー・アップしていったのでした~
【第2位】West End Girls / Pet Shop Boys

1984年にリリースされたときは、ベルギーなどでマイナー・ヒットした程度でしたが、EMIと契約後にレコーディングし直して再リリースすると、全米・全英共に1位となる大ヒットとなりました!グランドマスター・フラッシュの曲や、T・S・エリオットの詩などからインスピレーションを得たという歌詞(都会で生活するプレッシャーなどに関する歌詞)と、当時としてはまだ珍しかった白人によるラップを駆使したこのシンセ・ポップ・ナンバーは、ペット・ショップ・ボーイズの代表曲として今でも大人気ですね!
【第1位】Greatest Love Of All / Whitney Houston

元々はデビュー・シングル「You Give Good Love」のB面に収録されていた曲なのですが、ラジオで大量にエアプレイされるなど人気が高かったため、遂にA面としてシングル・リリースされ、全米1位のヒットに!実はオリジナルはジョージ・ベンソン(1977年リリース、全米最高24位)なのですが、今となってはホイットニーのヴァージョンの方が有名になってしまいましたね~
以上、1986年のチャートを振り返ってみましたが、いかがでしたか?10位のロバート・パーマーや、1位のホイットニー・ヒューストンなど、既にこの世から去ってしまったアーティストもいますが、その魅力的な歌声はこれからも聴かれ続けていくことでしょう!