布袋寅泰の『スリル』イントロを聴くとあの”黒タイツの男”が頭に浮かんでしまう!

布袋寅泰の『スリル』イントロを聴くとあの”黒タイツの男”が頭に浮かんでしまう!

1995年10月18日発売の布袋寅泰の『スリル』。激しくも疾走感のある楽曲で、PVは後年「ポケモンショック」の症状をも引き起こすと総務省から発表された。また、黒タイツの男こと江頭2:50のテーマ曲的扱いがされているが、布袋との関係もまとめる。


布袋寅泰の『スリル』

布袋寅泰の10thシングルであった『スリル』。発売は1995年10月18日。
作詞は森雪之丞、作曲を布袋寅泰が担当している。藤井フミヤがコーラスとして参加。

ちなみにこの楽曲の前後に発売したシングルは、同年1月25日の「POISON」と1996年1月24日に発売した「ラストシーン」。

布袋寅泰の代表曲の一つ『スリル』

BOØWY解散後の1988年に布袋が発売した、全曲英語詞のファーストアルバム「GUITARHYTHM」(ギタリズム)では、90年代のデジタル・ロックを提示しているが、『スリル』はGUITARHYTHMプロジェクト終了後初のシングルであった。

「GUITARHYTHM」

布袋寅泰にとって2度目のオリコン1位を獲得した!

『スリル』はTBS系音楽番組「COUNT DOWN TV」とのタイアップが組まれ、1995年11月度のオープニングテーマに起用された。
深夜番組ながら、情報に敏感な音楽好きの心を掴んだのか、売り上げは好調で、2ndシングル「BEAT EMOTION」以来2度目となるオリコン1位を獲得した。

8cmシングルの裏面

1995年度の年間順位でも62位を獲得している。
最終的に70万枚近くを売り上げ、布袋自身「POISON」に次ぐセールスを誇る代表曲となった。

GUITARHYTHMプロジェクトの「最強・最後のシングル」として発売された。

「POISON」

江頭2:50の登場時の出囃子に使用され、『スリル=江頭2:50のテーマ』が定着してしまう!

イントロが特徴的な『スリル』。
この曲のイントロを聴いて思い起こす人物が一人いる。
そう、春夏秋冬いつでも、上半身裸で黒タイツを履いている男、江頭2:50だ。

『スリル』と江頭を結び付けた人物は、ナインティナインの矢部浩之だったという。
「笑っていいとも!」のクリスマス特大号で江頭2:50のものまねを披露する際に、それまでの江頭の出囃子であった曲が分からず、うろ覚えで似ている雰囲気の曲を探した結果、『スリル』を採用したという経緯がある。

当時「いいとも」の曜日ディレクターを担当していた片岡飛鳥が、絶大な人気を誇っていた「めちゃイケ」で江頭の出囃子に使用し、以降テーマ曲として定着した。

黒タイツの男、江頭2:50

人気バラエティ「浅草橋ヤング洋品店(ASAYAN)」などに出演する際など、使っていた曲はワイルドハーツの「シェイム・オン・ミー」だった。
「ASAYAN」がDVD化された際は、権利関係で曲が使用できずカットされている。

江頭自身がこのことに触れ、”(当時の出囃子の)曲名を知りたがっている人が凄くいるんだよ。「昔は絶対、曲は違ってたよね」って。”とMUSICSHELFのインタビューで答えている。

《スリル×江頭2:50の名シーン動画》

布袋寅泰と江頭2:50が横浜アリーナ公演で邂逅!!

江頭のテーマ曲化した『スリル』。世間に定着していった頃、江頭は”本家”の布袋寅泰に呼び出されている。その指定された先は、布袋の横浜アリーナ公演だった。つまり、ライブへと招待されたのである。

その時の様子を江頭は、MUSICSHELFのインタビューでこう言及している。

”実は横浜アリーナ公演で、布袋さんから招待されたことあるんだよ。アリーナ席のボックスシートで、シャンパンでもてなされて。それで「やったー、布袋さんに認められた」って思ったんだけど。公演後、「布袋さんが会いたがってます」ってマネジャーに呼ばれたんで、楽屋を訪ねたら「お前のせいで俺のイメージがガタガタだよ!」って首締められた(笑)”と答え、さらに”ありゃ半分マジだった(笑)だって、コンサートで「スリル」がかかると、みんなゲラゲラ笑い出すんだよ。オレがどっかから出てくるんじゃないかって(笑)。CDも「スリル」だけとばして聴くファンもいるらしい。オレは、カッコイイ人のファンにとっては天敵だから(笑)”と自虐的に語っている。

おふざけも大概に!

figma 江頭2:50

また、布袋はツイッターで(おそらく批判ではないが)迷惑と綴っていたとされ、ブログ上では「江頭さんとは仲が良いの?」と聞かれ「スリルは大好きな曲だから、こういうことを言われると本当に悲しい」と語っている。

事実楽曲としては素晴らしく、ロックの神髄が表現されているが、やはりイメージとして江頭が思い浮かんでしまう。しかし、江頭の疾走感と暴走感にマッチしていることが、『スリル』のロック的な秀逸さを証明していると前向きに受け取るべきなのかも知れない。

ロックンロール!!

また、1997年12月に「最も多くの視聴者に発作を起こさせたテレビ番組」として、ギネス世界記録にも認定される放送事故を起こしたいわゆる「ポケモンショック」があるが、『スリル』のPVも「パカパカ」と呼ばれる赤と青の点滅の演出が多用されている。

当然、ポケモンショック前の発売であり、ポケモンとは直接関係ないが、『スリル』のPVにおける映像の演出の激しさから後年、健康被害を訴えた一般人がおり、総務省が注意を呼び掛けている。

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