【第10位】California Girls / David Lee Roth

当時ヴァン・ヘイレンのリード・ヴォーカリストだったデイヴですが、この曲でソロ・デビューを果たし、全米最高3位を記録。これはビーチ・ボーイズのカバーなのですが、本家ビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンがバック・コーラスで参加していたことも話題に。このヒットの後、同年4月には正式にヴァン・ヘイレンから脱退するという残念な結果となりましたが、長い年月を経て2007年にバンドに復帰。ソロも良いのですが、ヴァン・ヘイレンもお似合いですよね!
【第9位】The Boys Of Summer / Don Henley

1980年にイーグルスとしての活動が停止してから、ソロ活動を始めたドン・ヘンリー。この曲はトム・ペティの相棒として知られるマイク・キャンベルとの共作で、全米最高5位を記録。グラミー賞ではベスト男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しました。ちなみに印象的なドラム・マシーンのサウンドは、当時レコーディング中だったパット・ベネターのスタジオを訪ねたときにその音を聴かされ、気に入ってしまい真似したのだとか(もちろん承諾を得た上で)。名ドラマーなのに、あえてドラム・マシーンを使っているのは、まさに80年代ならでは!夏が過ぎ去る季節感と、年を重ねて過去を振り返る姿を渋く表現した名曲ですね。
【第8位】The Heat Is On / Glenn Frey

9位のドン・ヘンリーと共にイーグルスの中心メンバーだったグレン・フライが、8位にランク・イン!エディ・マーフィー主演の映画『ビバリーヒルズ・コップ』のサントラ用にレコーディングされたこの曲。レコード会社側は複数の男性シンガーに声をかけてオーディションで選ぼうとしていたそうで、フライは「自分向きの曲じゃない」と思ってたのに、まさかの採用となり驚いたのだとか。結果、自身のキャリア最高となる全米2位を記録する大ヒットとなりました。

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【第7位】Can’t Fight This Feeling / REO Speedwagon

ヴォーカリストのケヴィン・クローニンが10年以上前から書き始めながらも、未完成のままだったというこの曲ですが、「曲作りで悩むのはやめよう!」と思った途端、「変わらなくちゃいけないけど、変わるのが怖い」という歌として仕上がったのだとか。ケヴィンが特殊メイクで老人の姿になるプロモーション・ヴィデオも、印象的でしたね。3週連続で全米1位となり、彼らの代表曲となりました!
【第6位】Neutron Dance / The Pointer Sisters

8位のグレン・フライと同様に、映画『ビバリーヒルズ・コップ』サントラからのヒットで、全米最高6位を記録!但し、この曲は同映画のために書かれたわけではなく、元々は別の映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のために書かれたというのだから、驚きですね!当時は冷戦時代だったこともあり、タイトルにある「ニュートロン(中性子)」という単語から、「核戦争についての歌じゃないか?」とロシア政府が本気で疑っていたとの逸話も残っています。
【第5位】Method Of Modern Love / Daryl Hall John Oates

アルバム『ビッグ・バン・ブーム』からシングル・カットされ、全米最高5位のヒットを記録。この曲をダリル・ホールと共作しているジャナ・アレンは、ダリルの長年のガールフレンドだったサラ・アレンの妹で、他にも「キッス・オン・マイ・リスト」や「プライベート・アイズ」など、数々のヒット曲を一緒に書いてきた才能溢れるソングライターでした!コミュニケーションの手法は変わっても、本当の愛は変わることがないという歌ですが、ラップ風なアドリブで歌うダリル・ホールがカッコイイですね!
【第4位】Lover Boy / Billy Ocean

トリニダード・トバゴ出身の歌手、ビリー・オーシャン。「カリビアン・クイーン」で一気に世界的人気を獲得し、続くこのシングルも全米最高2位の大ヒットを記録!そして楽曲以上に、このプロモーション・ビデオが衝撃的でした!まるでスター・ウォーズのような世界観で、登場する宇宙人というか怪物というか、謎の生物たちがインパクトありすぎです(笑)
【第3位】Easy Lover / Philip Bailey With Phil Collins

当時「世界一忙しい男」と言われていたフィル・コリンズ!ジェネシスのメンバーとしてヒットを飛ばす一方で、自身のソロ、さらには他アーティストのプロデュースやバックバンドのドラマーとしても活躍していたのだから、すごいとしか言いようがありません。そんな中、フィリップ・ベイリー(アース・ウインド&ファイア)のソロ・アルバムをプロデュースし、さらにこの曲では一緒にデュエットまでして、全英1位、全米2位のヒットを記録しました!
【第2位】I Want To Know What Love Is / Foreigner

全米、全英、共に1位を獲得した、フォリナー最大のヒット曲。基本的にフォリナーのソングライティングといえば、ミック・ジョーンズとルー・グラムが共作することで知られており、当然この曲もそうだったようですが、なぜかクレジットではミックが一人で書いたことになってます。なんでも、印税の取り分で揉めて、最終的にルー・グラムが放棄したのだとか。元々はハードなロックを得意としていたバンドですが、このようなバラードが特大ヒットを記録したことで、「産業ロック」などと呼ばれるようになってしまったのも、いかにも80年代らしい現象でした。
【第1位】Careless Whisper / Wham! featuring George Michael

全米、全英、をはじめ、25か国以上で1位を獲得したヒット曲。英国ではジョージ・マイケルのソロとしてリリースされたものの、米国では「ワム!フィーチャリング・ジョージ・マイケル」としてリリースされるという、ちょっと分かりづらい状況でしたが、PVを見てもお分かりのとおり、実質的にはジョージのソロ・ナンバーでした。但し、ワム!の相棒アンドリューにも印税が入るよう、作詞作曲のクレジットにアンドリューの名前も入れていたのですから、いかにジョージがアンドリューのことを思いやっていたかが窺い知れるエピソードですね!また、日本では西城秀樹や郷ひろみが日本語でカバーしたことでも知られている名曲です!
以上、1985年2月16日付全米シングル・チャートのトップ10を振り返ってみましたが、いかがでしたか?8位のグレン・フライと、1位のジョージ・マイケルは、昨年訃報が伝えられたのも記憶に新しく、残念でなりません。
この週の全米チャート、トップ100をご覧になりたい方は、下記リンク先をご確認ください!
The Billboard Hot 100 | Charts | Billboard JAPAN