クランベリーズ (The Cranberries)

The Cranberries
1989年にアイルランドで結成された4人組のロックバンド。当時は、cranberry sauce(クランベリーソース)をもじって The Cranberry Saw Us(クランベリー・ソー・アス)というバンド名で活動していました。
ヴォーカル、ドロレス・オリオーダンの歌声と彼女の声を輝かせているのバンド演奏が特徴。ギターとベースを担当するノエルとマイクのホーガン兄弟に、ドラムのファーガル・ロウラーが加わり、シンプルでドラムとベースとギターの自然なアンサンブルが魅力です。
バンドとしては、1992年にシングル『ドリームス』、翌年の93年にデビュー・アルバム『Everybody Else Is Doing It, So Why Can't We?』をリリース。紅一点のヴォーカル、ドロレス・オリオーダンの個性的で表現力豊かな歌声と透明感や浮遊感のあるギターサウンドで人気に。イギリスでは94年の年明けにチャートを昇りだし、夏に1位となりました。
その後、メッセージ性の強いアルバム『トゥ・ザ・フェイスフル・ディパーテッド』など4作品ををリリースするも、2004年にメンバーそれぞれのソロ活動に専念するためにバンドを休止します。そして2009年、再結成を発表し、2012年には11年ぶりとなる6枚目のオリジナルアルバム『ローゼズ』をリリースしました。
代表曲『ドリームス』は、映画主題歌やCM曲に

映画「ユー・ガット・メール」
クランベリーズの代表曲「ドリームス」は、トム・ハンクス、メグ・ライアンが主演し、1998年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画『ユー・ガット・メール』の主題歌になりました。

映画「恋する惑星」
金城武も出演している若者の恋愛模様をスタイリッシュに描いた1994年公開の香港映画「恋する惑星」。この作品の主題歌が クランベリーズの「Dream」を原曲としたフェイ・ウォンのカバーによる「夢中人」という曲でした。

KIRIN 生茶 のCM
キリンの生茶『草原篇』のCMでも使われている「ドリームス」。女優の松嶋菜々子さんが自転車に乗って緑の中を走り抜け、草原に寝転んで新芽を口にくわえる爽やかで清涼感あふれるCMの内容にマッチしています。
1993年からはじまるディスコグラフィー
『ドリームス』 Everybody Else Is Doing It, So Why Can't We? (1993年)

EVERYBODY ELSE IS DOING IT, SO WHY CAN'T WE?
ポスト「スミス」と言われデビューしたクランベリーズの1stアルバムになります。後に映画やCMで使われ、彼らの代表曲のひとつであり、日本人にも馴染のある曲「dreams」も収録されています。
『ノー・ニード・トゥ・アーギュ』 No Need to Argue (1994年)

NO NEED TO ARGUE
1994年にリリースされた2作目のアルバム。アメリカのビルボードチャートで初登場6位を記録し、25ヵ国でチャート1位を獲得。商業的成功を納めた作品です。
『トゥ・ザ・フェイスフル・ディパーテッド』 To the Faithful Departed (1996年)

TO THE FAITHFUL DEPARTED
1996年、プロデューサーに、ブルース・フェアバーンを迎えて制作されたアルバム。政治や世界に対するメッセージ色も前作より強まり、少しダークで重い雰囲気のある作品です。
『ベリー・ザ・ハチェット』 Bury the Hatchet (1999年)

BURY THE HATCHET
全世界で300万枚を売り上げた、1999年にリリースされたアルバム。「ヒプノシス」が担当したインパクト絶大なアルバムジャケットも話題に。
『ウェイク・アップ・アンド・スメル・ザ・コーヒー』 Wake Up and Smell the Coffee (2001年)

WAKE UP AND SMELL THE COFFEE
クランベリーズ解散前に制作された2001年リリースの通算5枚目のアルバム。 アルバム・アートの巨匠、ストーム・トーガソン率いる「ヒプノシス」が製作したことでも話題に。ストーム・トーガンは、このアルバムを聴いた時、タイトル通りコーヒーの香りの粒が空気を伝わり、寝ている者を起こすという風景を想像し、コーヒーの粒子をクランベリーに置き換え、赤い粒の群れがベットルームに迫ってくるという光景を考え出したそう。
『ローゼズ』 Roses (2012年)

ROSES
前作「Wake Up and Smell the Coffee」から11年ぶりにリリースされた、ファンが待ち望んだ作品。プロデューサーに1作目と2作目のアルバムを手掛けたスティーヴン・ストリートを迎え、初期の雰囲気も感じられそうなアルバム。前面にフューチャーされたドロレス・オリオーダンの独特なヴォーカルや瑞々しいギターサウンドも相変わらず健在です。
まとめ

クランベリーズ
いかがでしたでしょうか。デビューから20年以上経った現在でも、デビュー作などを聴くと色褪せない輝きを持った曲たちに出会えるクランベリーズ。あらためて彼らの曲を聴いてみるのもよいかもしれません。