テレビアニメ『ハイスクール!奇面組』
集英社『週刊少年ジャンプ』に連載され、コミカルで愛らしいキャラクターが続々登場し、好評を博した漫画『ハイスクール!奇面組』。

漫画『ハイスクール!奇面組』
漫画の人気をうけテレビアニメ化が実現、フジテレビ系列で毎週土曜日19:30~20:00の枠で1985年10月12日~1987年9月26日まで放送されていた。
漫画では控えめだったラブコメ路線の回も度々登場し、一堂零(いちどうれい)と河川唯(かわゆい)、冷越豪(れいえつごう)と宇留千絵(うるちえ)の二組を中心におバカでちょっと甘い青春シーンが描かれていた。
ここが凄いよ!『ハイスクール!奇面組』アニメ主題歌
①秋元康&後藤次利がほとんどの楽曲を提供
おニャン子クラブを人気にグループに押し上げた作詞家・秋元康と作曲家・後藤次利の『ゴールデンコンビ』が主題歌のほとんどを提供。
秋元康がプロデュースしていた「おニャン子クラブ」をうまく絡ませたタイアップ戦略でヒット曲を連発した。
なかでも初代オープニング曲として、「おニャン子クラブ」メンバーからの選抜ユニット「うしろゆびさされ組」のユニット名をそのまま曲名にした『うしろゆびさされ組』を起用し、たった一曲で知名度を飛躍的に高めた戦術は天才的である。
②楽曲と連動した心を揺さぶるアニメーション
アニメ『ハイスクール!奇面組』主題歌が次々にヒットしたのは楽曲の良さだけが原因ではない。
曲や歌詞と連動し、登場キャラクターの魅力を丁寧に描写し余すところなく伝えたアニメーションも秀逸であった。
ストーリーからの抜粋になりがちなオープニングアニメーションを作品とは切り離し、楽曲の世界観や原作にはあまり登場しない甘酸っぱい青春模様を描きながら、それでいて作品との調和を図るという離れ業を難なく表現している。
また、奇面組メンバーよりも河川唯や宇留千絵など女性キャラクターをメインに起用し、お風呂シーンや水着・浴衣姿などサービス満載。
各キャラクターが持つ魅力を引き出し、多くの男性ファンを虜にした。

キャラクターの性格や特徴を捉えた映像表現
③主題歌を歌うアーティストが作品に登場
1987年3月末で高井麻巳子がおニャン子クラブを卒業するのに伴ってユニット“うしろゆびさされ組”は解散することが決定。
その直前の3月14日に放送された第63話「うしろゆびさされ組の卒業式ジャック」に本人キャラクターが登場してライブを行なった。
それでは一挙紹介!『ハイスクール!奇面組』主題歌集
アニメ『ハイスクール!奇面組』で使用されたオープニングテーマとエンディングテーマの全てをど~んと一気にご紹介。

『ハイスクール!奇面組』ED「ピタゴラスをぶっとばせ」うしろゆびさされ組
『うしろゆびさされ組』の解散後は、同じくおニャン子クラブに所属していた工藤静香・生稲晃子・斉藤満喜子による『うしろ髪ひかれ隊』が最終回までの曲を歌った。
『うしろゆびさされ組』の後を引き継いだ『うしろ髪ひかれ隊』もヒットを連発。
レコード売り上げが好調のため、1987年9月のおニャン子クラブ本体解散後も活動は継続され、『ハイスクール!奇面組』の後番組『ついでにとんちんかん』の主題歌も担当した。
意外と少ない『ハイスクール!奇面組』挿入歌
第86話まで続いた『ハイスクール!奇面組』だが、その長さの割に挿入歌は少ない。
『あぶないサ・カ・ナ』
作詞:沢ちひろ、作曲・編曲:芹澤廣明、歌:うしろゆびさされ組
第33話「全員出席せよ・水着も光る夏の臨海学校」にて使用。
『わたしは知恵の輪』
作詞: 沢ちひろ 、作曲・編曲: 後藤次利
『泣く子も笑う奇面組』
作詞:小山高男、作曲・編曲:山本正之、歌:奇面組ファイブ
劇中で曲の一部がテレビ音声という形で流れたほか、一堂零役の声優・千葉繁によるアカペラで歌われたことがある。
『ちょっと言わせて』
作詞:伊藤アキラ、作曲・編曲:佐藤健、歌:松井菜桜子(宇留千絵役の声優)
宇留千絵のテーマ。第45話「おいでやす!京都・奈良への修学旅行」にて使用(千絵がバス車内で歌うという設定)。
『恋はコットン』
作詞:伊藤アキラ、作曲・編曲:佐藤健、歌:高橋美紀(河川唯役の声優)
河川唯のテーマ。劇場版第2パート「臨海学校・永遠なる遠泳」にて使用。
残念ながら挿入歌の動画は見つからなかった…。
個性豊かなキャラクターが多い『ハイスクール!奇面組』だけに、「あのキャラクターのテーマ曲が欲しかった。」なんて意見も多いはず。
個人的には、天野邪子(あまの じゃこ)のテーマ曲を作って欲しかった。