「落ちぶれてすまん!」
圧倒的な財力を誇る御坊財閥の御曹司で主人公の御坊茶魔。
茶魔の許嫁(いいなけつ)でこれまたお嬢様、御嬢商事の娘、御嬢沙麻代。
御坊家に並ぶ財を一代で築いた大金持ち、袋小路家の子息、袋小路金満。
こんな規格外のお金持ちが登場する「おぼっちゃまくん」にあって、ひと際異彩を放ったキャラクターといえば貧保耐三(通称・びんぼっちゃま)ではなかっただろうか。
貧保耐三(通称・びんぼっちゃま)
上図から分かる通り、実は背面のみでなく足の裏も素足。
しかし元・上流家庭のプライドをもってすれば、外を素足で歩くことなど平気なのだ。
作中では
と、さながら卑しい精神の持ち主であるかのような描写もたしかにある。
事実マンガやアニメを観ていても、高貴な精神を貫いているとは言い難く、前半分が正装であることを除けば、なかなかに卑しいキャラであるとも受け取れるのだ。
しかし
元上流家庭の誇りは前半分、後ろ半分は「おちぶれてすまん」
「おちぶれてすまん」
このセリフを、当時使ってみた人は少なからずいたであろうか。なかなかに重いセリフではある。
まだ小学生であるにも関わらず、一家の栄枯盛衰の結果を一身に背負うびんぼっちゃま。
「自分のせいではないにもかかわらず」誠実に、そして姿勢正しく謝る彼の姿に、私たちは元・上流家庭の意地とプライド、そして「いつか這い上がってやる」という、強烈なハングリー精神をも感じることが出来たのではなかったか。
さらには、上図においては背面が実に清潔な姿であることにも着目してみたい。
曝してはいるものの身ぎれいを保つのは、これまた元・上流家庭出身のなせる業であろうか。
小学生にして一家の大黒柱、質素倹約を履行するびんぼっちゃま
下記の記述は、びんぼっちゃまの日々の生活レベルを推し量るのに十分な内容である。
御坊茶魔、御嬢沙麻代、袋小路金満あたりは、なぜこのびんぼっちゃまの窮状を救えなかったのだろうか。
※ちなみに、貧保家の借金の一部は茶魔の協力で返済され、その後は全て無くなったと取れる描写も
質素倹約だけでは、じり貧であることも分かっているびんぼっちゃま。
貧乏子だくさんを絵にかいたような弟妹5人とともに、働きながら遊ぶという知恵も生み出していたのだ。
引っ越し現場をテトリスに見立てるびんぼっちゃま
「弱音はくんじゃない!このテトリスには生活かかってるんだぞっ!」
小学生でこんなコメントが出せるのは、おぼっちゃまくんか日向小次郎しか知らない。
おぼっちゃまくんが羨む貧保家の食卓
見ての通り、あまりにも粗食な貧保家の食卓。
しかし、同時に見ていただきたいのはこの笑顔。
この漫画の主役、おぼっちゃまくんを完全に食ってしまっているのだ。