映画『ヌードの夜』余貴美子が男を騙すミステリアスな殺人者に!

映画『ヌードの夜』余貴美子が男を騙すミステリアスな殺人者に!

1993年の映画『ヌードの夜』。監督・脚本は「天使のはらわた 赤い眩暈」「死んでもいい」の石井隆。出演は竹中直人、余貴美子、根津甚八など。キネマ旬報ベストテンで第9位に輝いた。


ヌードの夜

監督・脚本は「天使のはらわた 赤い眩暈」「死んでもいい」の石井隆。カメラマンは両作品でコンビを組んだ佐々木原保志。
主演は「死んでもいい」にも出演した竹中直人。ヒロインは「眠らない街・新宿鮫」の余貴美子。

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他にも石井隆のほとんどの映画作品の音楽を担当している安川午朗が加わり、石井隆周辺のスタッフが集結した映画だった。

恋人のヤクザを殺した女とその女に惚れたがゆえに、殺人事件に巻き込まれていく男の不思議な関係を描く。本作はキネマ旬報ベストテンで、黒澤明の「まあだだよ」を抑え、第9位に輝いた。

あらすじ

ぶつくさすぐ文句を言うが、情に厚い一面も。

ハードボイルドを気取る三枚目の何でも屋・村木哲郎(竹中直人)

名美はミステリアスでいて、エロティック。

どこか影のある土屋名美(余貴美子)

上から5コマ目、血だらけで死んでいる男は根津甚八。
別れたがる名美を暴力的に支配。この日も名美が隠していたナイフを見つけ、逆上し暴力をふるい、犯した。されるがままの自分も許せない名美。
その後、男はシャワーに入っているところを名美に刺され、絶命した。

東京を巡り、水族館を楽しみ、食事をし、最後はホテルで人を殺す。目まぐるしい1日。

ボクシング経験者のようで、兄貴同様に暴力的。また、兄貴に心酔しており、執拗に村木の事務所兼自宅に押しかけ、居場所を問いただした。

仙道(椎名桔平)

銃が一つあるだけで、空間内の雰囲気が一変する。3人が緊迫したシーンを好演。

名美のアパート。銃で仙道を撃つ村木。

港での二人。雨が降り、切ないシーン。

ヒロイン・余貴美子

本名も余 貴美子(よ きみこ)。
1956年5月12日生まれ。神奈川県横浜市中区出身(東京都や神戸市にも一時期暮らしていた)。
台湾人の父と、日本人の母親との間に生まれた。

余 貴美子(よ きみこ)

高校卒業後の1976年にオンシアター自由劇場に入団した。自由劇場時代の代表作は『上海バンスキング』のリリー役。
1984年に自由劇場を退団し、1985年に大谷亮介らと東京壱組を旗揚げする。原田宗典の戯曲を中心に解散まで14公演を公演。その後は活躍の場をテレビや映画に移す。

若い頃は横浜で「ハマのマリア」と呼ばれ、テーマソングまであったという。かなりの酒豪で、明るくさばさばした性格の姉御的存在である。

監督・石井隆

石井 隆(いしい たかし)。本名は石井 秀紀。
1946年7月11日生まれ。宮城県仙台市出身。

早稲田大学では「映画研究会」に所属。卒業後は1970年に出木英紀のペンネームで劇画漫画家としてデビュー。
自作「天使のはらわた」(1977年)が大ヒットし、1978年から日活ロマンポルノにてシリーズ映画化される。シリーズ第2作目にて自ら脚本を手がけることとなり、脚本家としてもデビューする。

1988年に「天使のはらわた 赤い眩暈」で監督としてもデビュー。

監督する映画に同じ俳優が幾度も出演する傾向があり、著名な俳優としては竹中直人や椎名桔平、女優では大竹しのぶや余貴美子などが複数作品に出演している。

石井 隆(いしい たかし)

【受賞歴】
「天使のはらわた 赤い淫画」
第8回おおさか映画祭脚本賞

「ラブホテル」
第7回ヨコハマ映画祭脚本賞
第12回おおさか映画祭脚本賞

「夢犯」
第7回ヨコハマ映画祭脚本賞

「死んでもいい」
キネマ旬報脚本賞
第33回ギリシャ・テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞(シルバー・アレクサンダー賞)
第10回トリノ国際映画祭審査員特別賞(準グランプリ)

「ヌードの夜」
サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー'94 グランプリ
第9回高崎映画祭最優秀作品賞

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作品データ

監督 石井隆
脚本 石井隆
出演 竹中直人、余貴美子、根津甚八、椎名桔平等
公開 1993年
配給 ヘラルド・エース
時間 110分

本作での余貴美子演じる名美はミステリアスな雰囲気を漂わせているが、普段は普通のOLであった。そのギャップにまた惹かれた。
石井隆は女性をエロティックに描くのが非常に巧い監督だと思う。

本作はフィルムノワール(虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画)だが、女性の闇を描く事にも成功した良作だった。

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