「史上最も売れたアルバム」マイケル・ジャクソンの『スリラー』
1982年12月1日に発売されたアルバム『スリラー』(原題:Thriller)。アルバム『スリラー』は全米チャートで37週にわたり1位を記録。日本でもオリコンでの集計でミリオンセラーを達成した。
スリラー[LPレコード12inch]
『スリラー』をはじめ、モータウン25周年コンサートでも披露された『Billie Jean』や『Beat It』など、マイケル・ジャクソンの代表曲が多数収録され、「史上最も売れたアルバム」とされている。その売り上げ枚数に関しては諸説あるもののギネス・ワールド・レコーズには6500万枚の認定を受けている。
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1983年にシングル化された『スリラー』MVが秀逸!
1982年のアルバム『スリラー』からの第7弾シングル。シングルのリリースは1983年11月12日だった。
ビルボード誌では、1984年3月3日に週間ランキング最高位の第4位を獲得。ビルボード誌1984年年間ランキングは第78位。
8cmシングル『スリラー』
当時ミュージックビデオ(MV)に使われる予算は当時5万$(当時のレートで1150~1200万円)程度だったのに対し、この楽曲のPVは50万$(同 1億1500万~1億2000万円)をかけて作られたことからも規格外の作品だったことがわかる。
マイケルジャクソン×ゾンビの組み合わせが当時は異質かつ新鮮だった!
狼男が登場するミュージックビデオが印象的な『スリラー』。この狼男は特殊メイクを施したマイケル自身によるものだが、このインパクトだけでなく、彼の演技も評価された。
音楽専門チャンネルMTVの普及とも同調し、ダンスや壮大な演出を用いたショートフィルム(マイケルにおけるミュージック・ビデオの呼称)が絶大な話題を集めた。当時MTVでは連日オンエアされ、黒人ミュージシャンの映像を流そうとしなかったMTVの暗黙の方針を打開した、その意味でエポックメイキングとなった一作でもある。
また、劇中披露されたゾンビと踊るマイケルのダンスも当然のごとく評価された。
また、当時は社会現象にもなり、『スリラー』のパロディーがいくつも見られた。日本では「オレたちひょうきん族」(フジテレビ)でウガンダ・トラがマイケルを演じたパロディを放送している。”日本版”だけにゾンビではなく、和風なお化け(一つ目小僧など)が登場し、筆者的にはゲゲゲの鬼太郎のオープニング、「夜は墓場で運動会~♪」にしか見えない(笑)
一説によると『スリラー』のビデオは、900万本を売り上げたと言われている。
ミュージックビデオ『スリラー』の感想
赤いジャケットを被った狼!
監督は『狼男アメリカン』のジョン・ランディス
監督を務めたのは『ブルースブラザース』(1980)『星の王子 ニューヨークへ行く』(1988)で知られるジョン・ランディス。ホラー、コメディ映画を得意とする監督が、カルト的な人気を獲得している自身の『狼男アメリカン』(1981)でコンビを組んだ特殊メイク担当のリック・ベイカーと本作『スリラー』で再度製作を行っている。
リック・ベイカーは1982年に新設されたアカデミー賞の「アカデミーメイクアップ賞」初代受賞者であり、しかも『狼男アメリカン』での受賞ということで、”ノッていた”時期でもあった。
また、70年代には『エクソシスト』の製作にも関わっている凄腕の特殊メイクアーティストでもあった。