陸上自衛隊【歴代主力戦車】を並べてみました

陸上自衛隊【歴代主力戦車】を並べてみました

陸上自衛隊発足時にアメリカから供与を受けて主力戦車が配属されました。第4代目の国産戦車の開発、製造までこれらの供与品でしたが、その後現在に至るまで国産車両のみで構成、運用されています。これらを年代を追いご紹介いたします。


はじめに

陸上自衛隊は1950年(昭和25年)の朝鮮戦争勃発時、GHQの指令に基づくポツダム政令により警察予備隊が総理府の機関として組織されたのが始まりである。日本国外においては陸上自衛隊は「Japanese Army」(「日本陸軍」の意)として認知されている。

陸上自衛隊旗

近年では部隊ごとに部隊章、エンブレムなどが車両につけられているものも多くあるようです。

M24軽戦車

チャーフィー

全長	5.56m
車体長	5.03m
全幅	3m
全高	2.77m
重量	18.4t
懸架方式	トーションバー方式
速度	約56km/h(整地)
約40km/h(不整地)
行動距離	161km
主砲	40口径75mm戦車砲M6×1(48発)
副武装	12.7mm重機関銃M2×1(440発)
7.62mm機関銃M1919×2(3,750発)
装甲	砲塔防盾38mm
砲塔側・後面25.4mm
砲塔上面13mm
車体前面・側面前部25.4mm
車体側面後部・後面19mm
車体上面13mm
車体底面10-13mm
エンジン	Cadillac Series 44T24
4ストロークV型8気筒水冷ガソリン×2基
110+110hp(220hp/164kW)
乗員	5名(砲塔:3名)

第2次世界大戦中開発、製造され長く西側諸国で配備、運用されて来ていたようですね。ただ、1950年に朝鮮戦争の勃発によりアメリカは戦線にこの車両を多く投入しましたが、ソ連製のT-34-85には通用しないことから、新型車両との入れ替えを迫られていました。そこで戦線から退役する車両が大量になったことから日本の当時、警察予備隊として防衛、治安維持に用いるため、その一部375輌が供与されることとなりました。小柄な車体から日本人の体格に合い、操縦性、踏破性など高く評価されたそうです。それと当時は供与された車体を塗装もせず配備されていたようでアメリカ軍の白い星のマークがそのままの状態で運用されている画像が多く出てきます。

M4中戦車

シャーマン

車体長	5.84 m (19.2 ft)
全幅	2.62 m (8 ft 7 in)
全高	2.67 m (8 ft 9 in)
重量	30.3 t
懸架方式	VVSS(垂直渦巻きスプリングサスペンション)
速度	38.6 km/h(整地)
19.3 km/h(不整地)
行動距離	193 km
主砲	37.5口径75mm戦車砲M3(90発)
52口径76.2mm戦車砲M1(71発)
副武装	12.7mm重機関銃M2×1(600発)
7.62mm機関銃M1919×2(6,250発)
装甲	防盾:76 mm
砲塔:前面64–76 mm、側面50 mm、後面64 mm
車体:前面51 mm、側面38–45 mm、後面38.1 mm
エンジン	Continental R975 C4
4ストローク星型 9気筒空冷ガソリン
400 HP
乗員	5 名

第二次世界大戦の連合国側の主力となった車両で、アメリカ合衆国の高い工業力を基盤にして大量生産されました。1945年までに全車種で5万輌近くが生産されたそうです。各生産拠点に適したエンジン形式や生産方法を採る形で並行生産させたため、多くの派生型があるようですが、構成部品を統一して互換性を持たせることにより高い信頼性が保たれていました。車輌単体での戦闘力はドイツ軍のV号戦車パンターやVI号戦車などに劣っていたが、数的優位を利用したチームワーク戦法で対抗したそうです。信頼性・生産性など工業製品としての完成度は高かったようですが、兵器としてはアメリカ軍の戦車戦の経験不足もあって問題点も多く、特に経験豊富なドイツ軍が相手では一方的に撃破されることも珍しくなかったとのことです。日本にも日本の陸上自衛隊にも供与されて1970年代半ばまで使用され、特にソ連軍の上陸の可能性のある地点として北海道など北部中心に配備されたそうです。朝鮮戦争時にはT-34-85を撃破する車両もあったそうで信頼性は高かったようです。ただ、日本人の体格には大きく先のM-24の方が好まれていたようです。いずれにしても後のM-41や61式の配備まで、(実際には61式の配備まで)陸上自衛隊の主力を担っていました。現在は全ての車両が退役しています。

M41軽戦車

ウォーカー・ブルドッグ

全長	8.212m
全幅	3.198m
全高	2.726m
重量	23.224t
懸架方式	トーションバー方式
速度	72.42km/h
行動距離	161km
主砲	60口径76.2mmライフル砲M32×1
副武装	12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919A4×1
装甲	砲塔防盾 38mm
砲塔側・後面 25.4mm
車体下部前面 75mm
車体上部前面 25.4mm
車体側面 29-25mm
車体後面 13mm
エンジン	コンチネンタル AOS 895-3
4ストローク水平対向6気筒空冷スーパーチャージド・ガソリン
500hp(373kW)
乗員	4名

日本の陸上自衛隊は第2次防衛力整備計画においてアメリカの無償援助による225両の取得を計画し、最終的にM41A2、147輌の供与を受けました。M41は1961年よりM24に替わる形で全国の戦車部隊に配備が進められ、国産の61式戦車が開発・製造されると61式への入れ替えが進められましたが、自衛隊に供与されたアメリカ戦車の中では最も長く装備されており、最後の車両が退役したのは61式の次世代の国産戦車である74式戦車の開発・配備以後の1983年だったそうです。このことは日本の国力がまだまだ自国のみで防衛力を保持できなかったということなのでしょう。

61式戦車

ロクイチシキ

全長	8.19m
車体長	6.30m
全幅	2.95m
全高	2.49m(砲塔上のM2重機関銃を含んだ場合、3.16m[1])
重量	35t
懸架方式	トーションバー式
速度	45km/h
加速性能: 200m区間(0-200m区間)の加速走行時間25秒
行動距離	200km
主砲	61式52口径90mmライフル砲
砲口初速 約910m/s(M318AP-T 使用時)
副武装	7.62mm機関銃M1919A4(主砲同軸)
12.7mm重機関銃M2(砲塔上部・車長展望塔)
装甲	砲塔 114mm、車体 55mm
エンジン	三菱12HM21WT
空冷4ストロークV型12気筒直噴式ターボチャージド・ディーゼルエンジン
570hp/2,100rpm
排気量 29,600cc
乗員	4名
登坂力 31° 燃料消費量 0.3km/L 最小旋回半径 10m

皆様方にはホントに懐かしさを感じて頂ける車両じゃないでしょうか?特撮映画(特にゴジラシリーズなど)TVアニメ、ゲームなど登場した作品に枚挙にいとまがありません。後に74式が馴染み深い車両となっていきましたが、(塗装が違いましたがヱヴァンゲリヲンなどにも登場しましたね。)やはりこの形状ですぐに判断が出来るほどです。因みに機動戦士ガンダムで登場する61式戦車の名前の由来はこの車両名をそのまま使用したというのは有名な話でしょう。
1955年(昭和30年)に開発が開始され、1961年(昭和36年)4月に制式採用されました。西暦の下二桁の年をとり、61式戦車と命名されました。鉄道輸送を考慮して当時の国鉄貨車に搭載できるよう車体が小型化されているそうです。1974年(昭和49年)に74式戦車が採用されるまで560輌が生産され、2000年(平成12年)に全車が退役しています。

74式戦車

ナナヨン

全長	9.41m
車体長	6.70m
全幅	3.18m
全高	2.25m(標準姿勢)
重量	38t
懸架方式	油気圧式
速度	53km/h
(加速性能0-200mまで25秒)
行動距離	300km
主砲	51口径105mmライフル砲L7A1
副武装	74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)
12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)
エンジン	三菱10ZF22WT
空冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル
720PS/2,200rpm
排気量 21,500cc
乗員	4名

この車両もホントによく各作品に登場していますね。ゴジラシリーズ、ガメラシリーズ、アニメ、小説などなど数えられないほどです。先の61式とこの74式の配備をもって、アメリカ製戦車の全車退役となりました。1974年(昭和49年)度から、1989年(平成元年)度までの15年間に873輌が調達されました。配備先も多く、空砲射撃も可能なことから、模擬訓練展示でよく使用されています。射撃管制装置にはレーザー測距儀や弾道コンピューターなど、当時の最新技術が盛り込まれています。挙動に影響されず主砲の照準を保持する安定化装置(スタビライザー)の開発では、砲塔を駆動する油圧システムとジャイロの電気信号で制御される安定化装置の制御が特に開発が困難だったとされています。

90式戦車

全長	9.80m
車体長	7.55m
全幅	3.40m(サイドスカートを含む)
全高	2.30m(標準姿勢)
重量	50.2t
懸架方式	ハイブリッド式
(油気圧・トーションバー併用)
速度	70km/h
(加速性能0-200mまで20秒)
行動距離	350km
主砲	44口径120mm滑腔砲Rh120
副武装	74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)
12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)
装甲	複合装甲
(砲塔前面 及び 車体前面)
エンジン	三菱10ZG32WT
水冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル
1,500ps/2,400rpm(15分間定格出力)
最大トルク4,410N・m(450kgf・m)
排気量21,500cc
乗員	3名

ウルトラマンのシリーズで良く出てき始めました。相変わらず特撮物には61式、74式も多く登場しますが、この車両も近年の作品ではよく見るようになりましたね。世界的に評価が高く、第3世代型戦車としてはM1A2エイブラムス(米)やレオパルト2A6(独)などと並ぶ世界最高水準の戦車の一つとされ、2004年度のForecast International社による世界主力戦車ランキングではM1A2 SEP、メルカバMk 4に続いて第3位に評されています。移動目標照準時の自動追尾機能は特に評価が高く、実戦投入されたことがない車両としてはかなりの高評価と言えるのではないでしょうか?

10式戦車

ヒトマル

全長	9.42m
全幅	3.24m
全高	2.30m
重量	約44t(全備重量)
懸架方式	油気圧式
速度	70km/h(前進・後進速度)
主砲	10式戦車砲(44口径120mm滑腔砲、日本製鋼所製)
副武装	12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)
74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)
装甲	複合装甲(正面要部)
増加装甲(砲塔側面)
エンジン	水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル
1,200ps/2,300rpm
乗員	3名

国産戦車の4代目ですね。装備化年度が平成22年度(2010年度)になることから「10式戦車」と名称が定められました。水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンと油圧機械式無段階自動変速操向機(HMT)を組み合わせた動力装置(パワーパック)を搭載するということはいわば自動車のオートマ車のような感覚で操縦できるのでしょうか?とにかく電子装置満載のこの車両は中央(総理官邸)から陸幕、師団司令部とリアルタイムで繋がっており、また在日米軍とのシステム連携も取れているようです。生産台数は本年2017年度で88両となる予定だそうです。とにかく
他の国の主力戦車に比べ、車体がかなり小さく軽量化されコストダウンに成功しているようですね。自衛隊の隊員たちはこの車両の事を(走るコンピューター)と呼んでいるそうですよ

あとがき

自衛隊の発足当時は全てアメリカ任せで実際に戦闘ともなれば旧式だらけの車両ばかりでソ連からの上陸などがあれば対抗することは難しかったのではないでしょうか?退役まじかの(スクラップとまでは言わないが)アメリカ軍のお下がりで防衛戦など考えられなかったでしょう。朝鮮戦争特需から奇跡的な経済復興を遂げた日本はいまだに自国の防衛を自力だけではできないのが現状です。戦争とは外交の最後の手段であり、最悪の選択と言えるでしょうが全くあり得ないとハナから頭の中から追い出してしまうのも愚かなことではないでしょうか?そして抑止力としての最低限の戦力の保持は絶対に必要なものでしょう。視点を変え、アメリカから見る極東アジアはソ連崩壊まで「ユーラシア大陸は真っ赤」に見えていたと思います。朝鮮戦争時の世界情勢を考えればそれは「恐怖」だったのではないでしょうか・・・

歴代の航空自衛隊【主力戦闘機】を調べてみました - Middle Edge(ミドルエッジ)

陸上自衛隊 公式WEBサイト:JGSDF(Japan Ground Self-Defense Force)

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