はじめに
これが実質的な海上自衛隊の前身となりました。第2次世界大戦終戦後、武装放棄させられた海軍について海軍大臣米内光政は解体される海軍の再建を軍務局長保科善四郎に託していたようです。

海上自衛隊旗
潜水艦隊 - Wikipedia

潜水艦隊 Fleet Submarine Force
くろしお型

(元ガトー級潜水艦ミンゴ)

くろしお(SS-501)
艦名(型)くろしお型
就役年 1955-1970年
同型艦 くろしお (SS-501)
注釈 旧ガトー級潜水艦「ミンゴ (Mingo)」
1954年に海上自衛隊が発足したわけですが、四方八方を海に囲まれた島国日本は対潜訓練はとても重要なものでした。それまでは訓練時にはアメリカ軍の潜水艦を派遣してもらっていたようですが、とりわけシーレーン防衛の必要性が高まる中、自国の訓練艦が必要に迫られていたようです。そこでアメリカ軍に貸与という形でこの艦を訓練に使用するという経緯だったそうです。それにしても就役、退役ともに8月15日とは象徴的な日付を選んだものですね。
おやしお型


おやしお (SS-511)
艦名(型)おやしお型
同型艦数 1隻
就役年 1960-1976年
同型艦 おやしお (SS-511)
注釈 戦後初の国産潜水艦。艦型は伊二〇一型潜水艦似
旧海軍では200隻以上の潜水艦を建造し、運用していたのですから国産化には自信もあったでしょうし、技術力はアメリカ軍などに視察に赴き向上を重ねていたのだと思います。それでも戦後25年の時間を経て初めての国産潜水艦完成に漕ぎつけることになるとは随分と時間がかかったんですね。
はやしお型
![基準排水量 750トン
水中排水量 930トン
全長 59m
全幅 6.5m
吃水 4.1m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式
・三菱神戸/ズルツアー6LDA 25B
ディーゼルエンジン(450ps)×2基
・富士電機 SG-2発電機×2基
・三菱電機 SM-2電動機(1,150ps)×2基
・湯浅 SCA-36W蓄電池×240個
推進器 スクリュープロペラ×2軸
速力 水上:11 ノット (20 km/h)
水中:14 ノット (26 km/h)
航続距離 4,000海里(10ノット巡航時)
乗員 40名
兵装 HU-301 533mm魚雷発射管×3門
レーダー ZPS-2 対水上捜索用[1]×1基
ソナー JQO-3 聴音機×1基
JQO-4 聴音機×1基
JQS-2 探信儀×1基
電子戦・対抗手段 ZLR-1 電波探知機一式](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)

はやしお (SS-521)
同型艦
はやしお(SS-521)
わかしお(SS-522)
この当時、アメリカは局地防衛戦用の小型潜水艦の整備を進めていたようで、それをマネしたような艦艇ですね。まぁ居住性は無視同然だったらしく、長時間の作戦行動はかなりきつかったんじゃないでしょうか?
なつしお型


なつしお型(SS-523ーSS-524)
世界の艦船 海上自衛隊潜水艦史
同型艦
なつしお(SS-523)
ふゆしお(SS-524)
はやしお型の改良版ですね。フレームの強度アップと蓄電池の変更、燃料搭載量の拡張などではやしお型より2m全長が長くなっています。
おおしお型


おおしお(SS-561)
この、おおしおは1艦のみの建造でしたが、次のあさしお型が準同型艦でしたね。アメリカから貸与されていた「くろしお」の代わりとしての建造だったそうです。大きさもほぼ「くろしお」と一緒らしいです。
あさしお型


あさしお型(SS-562ーSS-565)
同型艦
あさしお(SS-562)
はるしお (SS-563)
みちしお (SS-564)
あらしお (SS-565)
この型の艦からは作戦任務を第一にと、対潜戦訓練用の標的艦としての任務が軽減されているそうです。
うずしお型


うずしお型(SS-566ーSS-572)
同型艦
うずしお (SS-566)
まきしお (SS-567)
いそしお (SS-568)
なるしお (SS-569)
くろしお (SS-570)
たかしお (SS-571)
やえしお (SS-572)
此の艦から近代的な涙滴型船型・1軸推進方式の潜水艦というお馴染みの形のものが建造され始められたんですね。これ以前の艦と一瞥で区別がつくようになりましたね。
ゆうしお型


ゆうしお(SS-573)
同型艦
ゆうしお (SS-573)
もちしお (SS-574)
せとしお (SS-575)→(TSS-3602)
おきしお (SS-576)→(TSS-3603)
なだしお (SS-577)
はましお (SS-578)→(TSS-3604)
あきしお (SS-579)
たけしお (SS-580)
ゆきしお (SS-581)→(TSS-3605)
さちしお (SS-582)
現在も含めて最も多くの同型艦が製造された艦型でしょう。また5番艦以降の6隻は対地上艦戦を考えた、ハープーンミサイルの運用能力も持ち、攻撃力の増大も図られているようです。なお、現在は全艦除籍されましたが、7番艦の「あきしお」は海上自衛隊呉史料館に建築基準法上の建物として博物館として展示されています。映画、アニメ、小説などにもよく登場していますね。
はるしお型


はるしお (SS-583)
はるしお (SS-583)
なつしお (SS-584)
はやしお (SS-585)→(TSS-3606)
あらしお (SS-586)
わかしお (SS-587)
ふゆしお (SS-588)→(TSS-3607)
あさしお (SS-589)→(TSS-3601)
89式深深度魚雷を装備してるということは、かなりの深度まで潜れる艦なのでしょう。とにかく静かなクラスだったようですね。現在、就役、建造中、計画中の新型艦がありますが、これらがこれを超える深度での作戦行動が遂行できるのは間違いないでしょう。
あとがき
今、現役で就役しているのは「おやしお型」11隻と「そうりゅう型」12隻(2隻建造中3隻計画中)ですが、特記すべきは日米共同軍事訓練で日本の潜水艦は1度も位置を捕捉されたことがないらしいのです。また、89式深深度魚雷の深度は900mというデータが公表されています。日本はカタログスペックを過少に表記することはあっても「某国」のように過大に数字を並べることはありません。もし深深度600m以上の海底で機関停止したまま着底し、その上を通る地上艦だろうが、潜水艦であろうが、魚雷をまず水平に発射し、目標直下から垂直上昇させれば深深度爆雷も魚雷も持たない船では防御も攻撃も完全にオプションを失います。つまり地域限定で考えれば(東シナ海、南シナ海等)広域での原潜の行動範囲にはかなわないにしてもやる気になれば確実に撃沈できることになります。日本の防衛力というのは侮れませんね!
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