Barbra Streisand

バーブラ・ストライサンド
ミュージシャンと俳優というふたつの顔を持つバーブラ・ストライサンドを一言で語るのは非常に難しい。ミュージシャンとして現在までに60枚を超える数のアルバムをリリースしており、その販売枚数は天文学的と言ってもよいほどです。
既に1970年代の終わりには、アメリカにおいてバーブラ・ストライザンドよりセールスが良かったのはエルヴィス・プレスリーとビートルズだけだったということからその凄さがわかりますね。
一方、女優としてのバーブラ・ストライザンドの実績もこれまた素晴らしく、アカデミー賞は主演女優賞と歌曲賞の2度受賞しているのをはじめとして、複数のエミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、それからトニー賞と演劇に関して賞と名の付くものは片っ端から取りまくっています。
もっとも映画に関しては女優だけではなく、プロデューサー、監督、脚本もこなしており、主演・脚本・製作、そして主題歌を担当した映画「サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方」はアカデミー賞の作品賞にノミネートされたほどです。
女優というよりも映画人といったほうがよさそうですね。
ミュージシャンとしてのバーブラ。映画人としてのストライザンド。甲乙つけがたいとは正にこのことですね。
それを証明するかのように、映画で彼女が主演し主題歌を歌ったものがずば抜けて素晴らしいのです。セールス的にも映画、レコード共に全世界で大ヒットを記録した「追憶」と「スター誕生」がそれに当たります。
それでは取りまとめつつ、ご紹介します。
The Way We Were
先ずご紹介するのが、1973年のアメリカ映画「追憶」です。監督は名匠シドニー・ポラック。主演はバーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードで切ない恋人を演じています。
【物語】
1937年、大学の創作クラスで出会った左翼思想に傾倒するケイティー(ストライサンド)と政治的主義にとらわれない考えを持つハベル(レッドフォード)。信条が正反対の二人は卒業後それぞれの道を進むことになりますが、その後の偶然の出会い、結婚、そして別れと20年にわたる愛の変遷を激動の時代を背景に描いています。
最後にまた再びそれぞれの道を歩む姿が切なくも感動的です。
映画史に残る名作と断言できる素晴らしい作品です。そしてこの映画を盛り上げているのがバーブラ・ストライザンドが歌う主題歌というわけです。

追憶
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1974年全米第1位を獲得し、ビルボード誌の1974年シングル年間ランキングでも第1位となった名曲「追憶」。同名のアルバムも同年にリリースされこちらも全米1位をはじめとして世界的に大ヒットしました。

追憶
「追憶」のアルバム・バージョンもついでにご紹介しておきます。音楽ファンにとっては、こちらの方が馴染みがありますね。バーブラ・ストライザンドの歌の上手さが際立ちます。
A Star Is Born Soundtrack
そしてもうひとつご紹介するのが1976年の映画「スター誕生」です。監督はフランク・ピアソン。共演はクリス・クリストファーソンです。
舞台を映画業界から音楽業界に変更していますが、この映画は1937年の映画「スタア誕生」の1954年版に次ぐリメイク映画です。
【物語】
酒と麻薬に溺れてしまった落ち目のロックスター、ノーマン(クリス・クリストファーソン)は、ある日素晴らしい素質と魅力を持ったエスター(バーブラ・ストライザンド)とクラブで出会います。ノーマンはエスターの才能を開花させ、エスターは一躍トップスターへと上り詰めます。
その一方でノーマンは自分のアーチストとしての生命が終わりつつあることを感じていました。そのノーマンがとった行動とは…。

スター誕生
1976年にリリースされたサウンドトラック「スター誕生」は、映画の大ヒットとも相まって全米1位となります。
シングル・カットされた「スター誕生 愛のテーマ」は全米1位、ビルボード誌の年間チャートでも4位という大ヒットとなりました。

スター誕生
これだけ歌の上手い人にテーマシングを歌われ、演技をされてしまった映画は、心に嫌でも残ってしまいますね。
共演のクリス・クリストファーソンのソロやデュエット曲も入っているサウンドトラック版も素晴らしく、映画との相乗効果もあり新たな感動を呼び起こします。
それにしても、名演、名画、名曲です。感動するしかありません。
それでは最後に、ビー・ジーズのバリー・ギブがプロデュースした1980年リリースのアルバム「ギルティ」をご紹介しましょう。
数あるアルバムの中でバーブラ・ストライサンド最大のヒット作です。

ギルティ
シングルカットされた「ウーマン・イン・ラヴ」は全米1位に輝いた忘れることの出来ない名曲です。心に染み入りますね。
名曲と名演技。最近は映画監督としても活躍していますが、いつまでも美しい歌声と姿を届けてほしいものです。