グランドスラム最年少優勝記録を保持するマイケル・チャン
マイケル・ターペイ・チャン
伝説の1989年全仏オープン
ジュニアの時代から頭角を現したマイケル・チャン。
全米テニス協会の全国大会において12歳のとき18歳以下の部で優勝。
1987年(当時15歳)に全米オープンで1回戦を突破し、全米オープン本戦で最年少記録を樹立。
さらに1988年には、サンフランシスコのプロツアーにて優勝。
そして迎えた1989年、グランドスラムの一つ全仏オープン。
フランス・パリにある「スタッド・ローラン・ギャロス」にて開催された全仏オープンでも飛ぶ鳥を落とす勢いのチャンは快進撃を続け、4回戦に進んだ。
4回戦の相手は世界No1のイワン・レンドル
試合が始まると、コートを支配したのはやはり王者レンドル。
圧倒的な強さを見せたレンドルに、チャンは4-6,4-6で2セットを先取される。
後が無くなったチャンはここから驚異的な粘りを見せ、ボールに食らいつき、6-3,6-3と2セットを取り返し、なんと試合をイーブンにまで戻すのだった。
しかし、まだ17歳のチャンには肉体の限界が迫っていた。
勝負の最終セットで、チャンの足は痙攣を起こしてしまう。
満足に動くことができないチャンは一瞬、棄権も考えたという。
だが、踏みとどまって、必死にプレーし続ける。
ここからチャンは数々の奇策を仕掛ける。
まず、遅延行為で反則を取られるギリギリの時間まで水分補給をして、気の短いレンドルをイラつかせ、レンドルの集中力を切らせようとする。

そして、衝撃のアンダーサーブ
完全にペースを乱され、平常心を失ったレンドルはミスを連発。
マイケルチャンはマッチポイントを握る。
そして、さらなる奇策を講じるチャン。
レンドルのサーブで思いっきり前に出る。
そのプレッシャーに負けたレンドルはダブルフォルトを犯してしまい、ゲームセット。
スコアは、4-6,4-6,6-3,6-3,6-3の大逆転。
4時間37分の激戦であった。
このレンドル戦での勝利で勢いに乗ったマイケル・チャンは、準々決勝でロナルド・アジェノール、準決勝でアンドレイ・チェスノコフにいずれもセットカウント3-1で勝利。
決勝に駒を進めた。
決勝では世界No1経験者エドバーグと対戦
決勝の相手は元世界ランキング1位で全仏オープン時には世界3位だったエドバーグ。
ステファン・エドバーグ
実力者エドバーグにチャンも大苦戦。
しかし、6-1, 3-6, 4-6, 6-4, 6-2のフルセットでエドバーグを下し、史上最年少のグランドスラム優勝を果たしたのだった。
現在のマイケル・チャン
現在は錦織圭のコーチをつとめる