多くの力士の「最後の取組相手」を務めた
学年は寺尾が1年上ではあるが、同じ昭和38年(1963年)生まれの「花のサンパチ組」と呼ばれ、良きライバルだった、元横綱北勝海・元大関小錦・元関脇琴ヶ梅の引退相撲では、異例とも言える最後の取組相手として指名され、寺尾はそれぞれ3人の力士と土俵に上がり勝負した。
また、2002年9月場所は寺尾の現役最後の場所となったが、12日目、元関脇貴闘力と十両の地位で対戦。貴闘力は寺尾に敗れて負け越し幕下陥落が確定的となり、その日限りで現役引退を表明した。
その取り組み後には、寺尾が土俵上で貴闘力の肩をそっと叩き、互いの労をねぎらうというシーンが見られた。
小錦との取組
寺尾語録
引退後も凛々しい寺尾(錣山親方)
「私の相撲人生」錣山矩幸親方(元関脇寺尾) : 博多よかばい放浪記 - 歴史と伝統、人情味溢れる街 - 中洲の不動産屋 福一不動産 古川隆のブログ -
弟子に指導をする寺尾(錣山親方)
通算成績、主な受賞歴
寺尾常史 - Wikipedia
井筒三兄弟(寺尾は一番右)
端正なマスクだけでなく、情熱的な取組も魅力だった寺尾。
引退後も弟子に厳しくも温かな指導を行っているようだ。
普段は寡黙ながらほんわかとして人当たりの良い彼だが、稽古場では「コノヤロー」と罵声を飛ばしている。しかし、怒鳴りながらもきちんと改善点を伝える。そこに愛情を感じることができる。
彼に育てられた弟子は伸び伸びとした相撲を取るのだろうと思う。
元小結の豊真将は、負けても取組後に深々と礼をする所作で見る者を爽やかな気持ちにさせてくれたが、これは師匠である寺尾(錣山親方)の教えであり、「ピシッとやると、大きく見えて、相手を威圧できる」という意味合いもあったという。
寺尾(錣山親方)は豊真将の引退会見で「礼で始まり、礼で終わる相撲道を体現できる数少ない力士。弟子ながら尊敬している」と称賛していた。また、弟子に対してもそうしたことを言える懐の大きさも寺尾(錣山親方)の魅力だろう。
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