ニールヤングの叙情的なギターとジョニーデップが印象的な映画『デッドマン』

ニールヤングの叙情的なギターとジョニーデップが印象的な映画『デッドマン』

「ミステリートレイン」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュ監督が、オフビートタッチで描いた西部劇、映画『デッドマン』。音楽はニール・ヤングが担当。主演はジョニー・デップ。森を舞台にしたロードムービー。


ジム・ジャームッシュ監督、ジョニー・デップ主演の映画『デッドマン』

「ミステリートレイン」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュ監督が、相変わらずの独特なオフビートタッチで描いた西部劇。
主人公がいつの間にか死に向かうというタイトル通り(デッドマン)の不思議な一作。森を舞台にしたロードムービー。

映画のためにジャームッシュが設立したと言われている「12ゲージ・プロ」が製作。
音楽は米国を代表するロック・アーティスト、ニール・ヤングが担当している。

映画『デッドマン』

主人公・ウィリアム・ブレイクを演じるのは俳優としてステップアップしていく過程にいた頃のジョニー・デップ。

本作ではインディアンが登場するが、彼自身が親族の出自(彼の母方の曾祖母は純血のチェロキー族であり、父も同じくチェロキー族の血を引く)からインディアンの問題に関心を持ち、1997年にはマーロン・ブランドを招聘し映画「ブレイブ」を監督していることもあってか、本作ではインディアンとの掛け合いの芝居が妙にマッチしており、好演している。

日本版のパンフレット

また、本作は18世紀イギリスの詩人であるウィリアム・ブレイクの詩と思想に対するオマージュ作品であり、登場人物たちの名前や多くの台詞がブレイクの作品に由来している。
主人公の名がウィリアム・ブレイクということからも想像が容易である。

1757年11月28日 - 1827年8月12日。
詩人、画家、版画家、編集者の顔を持っていた。

【ジャンル】
幻視詩
【文学活動】
ロマン主義
【代表作】
・『無垢と経験の歌』
・『天国と地獄の結婚』など

詩人ウィリアム・ブレイク

映画『デッドマン』 作品データ

【監督】 ジム・ジャームッシュ
【脚本】 ジム・ジャームッシュ
【製作】 ディミートラ・J・マクブライド
【撮影】 ロビー・ミューラー
【音楽】 ニール・ヤング
【配給】 ミラマックス
【出演】 ジョニー・デップ、ゲイリー・ファーマー、ランス・ヘンリクセン
【時間】121分
【公開】1995年

映画『デッドマン』に関する動画

あらすじ

物語冒頭の字幕。

”死人とは旅をせぬほうがよい アンリ・ミショー”

せっかくの面接の機会だったが、門前払いされ、相手にされなかった。

汽車に乗り、遠路はるばる就職の面接にやってきたウィリアム・ブレイク(もしくはビル・ブレイク。役者はジョニー・デップ )。

序盤は冴えない男として描かれたウィリアム・ブレイク。

セル(ミリ・アヴィタル)の部屋に御呼ばれするウィリアム・ブレイク。

銃の扱いもままならないながらも、なんとか命からがら逃げだす。

ノーボディはウィリアム・ブレイクの胸にナイフを当て、弾を取り出そうとする。

ノーボディ(ゲイリー・ファーマー)は倒れて意識のないウィリアム・ブレイクを介抱する。

終始、哲学的な発言をする。
「心地よき歓びに生まれるものあり、
終わりなき夜に生まれるものあり、 」と詩人ウィリアム・ブレイク の詩を吟じる。

本人も自らを「ノーボディ(名もない、ただの人)」と名乗る。それが気に入っているのだという。

ノーボディは、先住民のはぐれ者で、白人の教育を受け育った。文学に精通している。

殺し屋を雇い、ウィリアム・ブレイクを追わせるディキンソン(ロバート・ミッチャム、奥の白髪男性)

自分が”お尋ね者”になっている張り紙を見つける。

インディアンの様相を呈してきたウィリアム・ブレイク

森を彷徨い、文明的な生活、意識から遠のいていく。

”「銃はお前の舌だ。銃で話すことを学ぶ、お前の詩は血で書かれるのだ」とノーボディに言われたブレイクは、次第に腕を上げ、やがては「おれの詩でも食らいやがれ」とつぶやきながら保安官を撃ち殺したあと「Some are Born to Endless Night (あるものたちは終わりなき夜に)」とさらりと言ってのけるほどの、巧みな銃の使い手となる。”(goo Wikipediaより引用)

拳銃の腕前が飛躍的に向上し、殺しもいとわない。

河を下っていくカヌー。

段々と死期が近づいてきている。

さも現世との別れかの様に、大地から離れていく印象的なラストだった。

モノクロの映像が、生と死が入り組んだ世界観を象徴的に演出していた本作。

物語冒頭、汽車のシーンで白人たちがバッファロー狩りをする。
それはかつて実際に行われていたそうで、本作に出演しているインディアン・ノーバディ役のゲイリー・ファーマー(実際にネイティブアメリカン)が同作のパンフレット内で「白人たちがバッファローを撃つシーンは、バッファローは当時のインディアンの食糧を奪うために、実際、バッファロー狩りの乱獲と言うより殺戮があった」と述べている。

そうした史実を踏まえて本作を見直すと、より劇中のインディアンの死生観が際立って見えるかも知れない。

ジム・ジャームッシュ監督映画の特集記事

工藤夕貴、永瀬正敏が出演「ミステリートレイン」ジャームッシュの初カラー作! - Middle Edge(ミドルエッジ)

会話も展開も淡泊なモノクロ映画・ストレンジャー・ザン・パラダイス - Middle Edge(ミドルエッジ)

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