フィラデルフィアの4人組 「ボーイズIIメン(Boyz II Men)」
90年代に「End Of The Road」を始めとする数々の全米ナンバーワンソングをリリースし、R&Bの一時代を築いたボーイズIIメン(Boyz II Men)。
米国フィラデルフィア出身のヴォーカル・グループ。ちなみにBoys II Men は誤記。

フィラデルフィアの4人組 「ボーイズ・II・メン(Boyz II Men)」
1991年にファーストアルバム『Cooley high harmony』をリリース!グラミー賞を獲得!
1991年2月14日にモータウンからファーストアルバム『Cooley high harmony』をリリース。
本作は全米3位を記録した。
内容はドラムサウンドに重点を置いたニュー・ジャック・スウィングで、多重録音を背後に重ねるスタイルはベル・ビヴ・デヴォー(BBD)の手法を採り入れているとも言えるが、BBDがラップや退廃的色彩を帯びたヴォーカルを売りにしていたのと対照的に、ボーイズIIメンはクラシック・ソウル・スタイルのヴォーカルを前面に出した。
このスタイルにメンバー、そしてプロデューサーを務めたマイケル・ビヴンズのヒップホップ・ドゥーワップが重ねられた。

『Cooley high harmony』 (Plus Spanish Tracks)
ボーイズIIメンは当初からメンバー全員がリードヴォーカルというスタイルを取っていた。
このスタイルは珍しく、一般にはR&Bグループの多くが1人ないし2人のリードヴォーカルとバックコーラスというアレンジが多かったため、このスタイルは彼らのトレードマークとなっていく。
ワンイェ・モリスのビブラートの効いたテナー、ショーン・ストックマンのテナー、ネイサン・モリスのバリトンとマイケル・マッカリーのバス(彼はいくつかのヒット曲で台詞も担当している)。
1992年に大ヒット曲「End of the Road」をリリース!
1992年にリリースした「End of the Road」は、POPチャート1位に13週連続も留まり続ける大ヒットとなった。この曲はアメリカ国内以外でも世界各国のチャートで1位を記録した。
ビルボードヒットチャート13週連続1位という記録はエルヴィス・プレスリーが数十年前に達成した記録を打ち破るものだった。
ちなみに、この曲はケネス「ベイビーフェイス」エドモンズがプロデュース兼共作を担当したエディー・マーフィーの映画「ブーメラン」のサウンドトラックの1曲だった。

1992年、エディ・マーフィ主演のラブ・コメディ映画 「ブーメラン」
1994年以降も爆発的なセールスを記録したボーイズIIメン
1994年、全米1位を獲得した「Ⅱ」がリリース。アメリカ国内だけで1,200万枚を出荷し、R&Bグループがこれまでリリースしたアルバムのベストセラーのひとつとされている。
そして、続いてリリースした「I'll Make Love to You」はビルボードチャート14週連続1位を記録し、「End of the Road」の13週連続1位の記録を打ち破った。オーストラリアでも4週連続1位を記録した。
さらに、恐るべきセールス力を痛感させるエピソードが、この曲に入れ替わって1位になったのが「On Bended Knee」という彼ら自身の曲であったことだろう。
ビルボードヒットチャート1位を自らの曲で更新したアーティストとしては、ビートルズ、エルヴィス・プレスリーに次いで3組目となった。
人気絶頂のマライア・キャリーとの一曲 「One Sweet Day」はビルボードチャート16週連続1位でギネス記録に!
1995年11月14日にリリースされた(日本発売は11月30日)マライア・キャリーとの一曲「One Sweet Day」。
この楽曲は、ビルボードの総合シングルチャートBillboard Hot 100にて初登場1位となった。さらにその後もセールスを伸ばし続け、16週連続もの間1位を記録し、超ロングランヒットとなった。
このHot 100 16週連続1位はビルボード史上歴代最長記録で、ギネス記録となっている。この記録は2016年現在も未だ破られていない。
≪楽曲製作に関するエピソード≫

MARIAH CAREY & BOYZ Ⅱ MEN 「ONE SWEET DAY」
ボーイズIIメンの音楽性
「ボーイズIIメン」とは - goo Wikipedia (ウィキペディア)

ボーイズIIメン
2000年代以降のボーイズIIメン
2003年にマイケル・マッカリーが健康上の理由から脱退した。
メンバーは補充せずに3人編成となり、ネイサン・モリスが低音とメインを担当、高音部はワンイェ・モリスとショーン・ストックマンという形で、世界各国でツアーを行うなど精力的に活動している。
2000年以降も世界中でツアーを行ないながら、2008年に発表したカバー・アルバム「モータウン~ヒッツヴィルUSA」がグラミー賞の2部門においてノミネーションを受けるなど、大人のコーラス・グループとしての地位を揺ぎ無いものとしている。
トータルセールスは世界で6000万枚を記録、グラミー賞受賞4回と20世紀最大のヴォーカル・グループである。
また、ビルボードマガジンでは、「1990年代で最も成功したグループ 第4位」に挙げられている。

カバー・アルバム「モータウン~ヒッツヴィルUSA」
2019年7月31日<追記>
動画共有アプリ「TikTok」から人気に火がついたアメリカのラッパー「Lil Nas X(リル・ナズ・X)」による楽曲「Old Town Road」。
13週連続1位の時点でヒップホップカテゴリではエミネムの「ルーズ・ユアセルフ」(2002年)を超えていたが、今回全米シングルチャート(ビルボード・ホット100)にて17週連続で1位を獲得し、堂々の歴代1位を獲得した。
記録を抜かれたマライア・キャリーも自身のTwitterで「音楽史の最長記録を塗り替えた@LilNasXへ愛と祝辞を!」とコメントするなど、全米はお祝いムードに包まれている。
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