"女はメキシコ♪ 酒ならテキーラ♪"そんな陽気な逃亡者を描く、アリスの隠れた名曲「逃亡者」について。

"女はメキシコ♪ 酒ならテキーラ♪"そんな陽気な逃亡者を描く、アリスの隠れた名曲「逃亡者」について。

当時5歳の私は「女はやっぱりメキシコ 酒ならやっぱりテキーラ」の意味など分かるはずもなく、しかし親が聴いていたこの「逃亡者」が大好きだった。改めて聴けばメキシコとの国境を目指す逃亡者の、前半の陽気さと後半の切羽詰まった状況が実に見事に描かれた一曲。「夢去りし街角」のB面に収録されたこの曲をご紹介したい。


「逃亡者」(アリス・1979年4月5日)

アリスがオリコン1位を獲得した「チャンピオン」に続いて、1979年4月にリリースしたシングル「夢去りし街角」のB面に収録された曲。
筆者は子供ながらにこれを聴いて「女はメキシコ」「酒ならテキーラ」を強烈に意識したものである。

「逃亡者(3分19秒)」
作詞:谷村新司/作曲:矢沢透/編曲:石川鷹彦

「夢去りし街角」のB面が「逃亡者」

Amazon.co.jp: アリス : 夢去りし街角 (MEG-CD) - ミュージック

[夢去りし街角 (MEG-CD)] アリス - CD・レコードの購入はオンライン通販アマゾン公式サイトで。お急ぎ便ご利用で当日・翌日にお届け。

こちらには「逃亡者」の貴重なライブ音源

知っている人も知らなかった人も、まずはこの陽気な一曲を聴いていただきたい。

西部劇の痛快な悪党どもを思わせる「逃亡者」

曲の冒頭、テンション高鳴るメロディーからの冒頭句は、この歌の世界を一発で明確にしてくれる。

「逃亡者」のタイトル、そこから土地や時代を読み解く事は出来ない。
しかしこの歌、冒頭の歌詞一発で「西部劇」の絵が浮かんでくる。

アメリカ⇒メキシコへの逃亡がテーマの曲「逃亡者」

冒頭の「たどり着いたぜ」、続く二の句の「オサラバ」。
これらの歌詞は、この歌の主役が実に陽気な西部劇の悪党ではないかと、聴く者にイメージを与えてくれる。

まるで「明日に向かって撃て!」のブッチとサンダンスのようなノリ。

西部劇の名作「明日に向かって撃て!」

以降の歌詞にも「浴びるほどの酒」「酒場女とバカ騒ぎ」とノリノリな悪党どもの笑顔が浮かんでくるようだ。

最高に明るいサビ、そしてシェリト・リンドとは

”女はやっぱりメキシコ♪ 酒ならやっぱりテキーラ♪”

シェリト・リンド (Cielito Lindo)はメキシコで古くから親しまれている歌。
1882年にキリノ・メンドーサ・イ・コルテス (Quirino Mendoza y Cortés)により作られたとされる。

メキシコを象徴する歌であるとされ、特に国外においてメキシコ人が集まるとこの歌を歌って同郷である事を確認することがよくある。FIFAワールドカップなどの国際的なスポーツイベントの際には、メキシコチームを応援する曲として歌われる。ただし、多くのメキシコ人はコーラスの部分と最初の2小節ないし4小節分しか歌詞を覚えていない。

がしかし、曲が進むにつれて状況が明らかに・・・

ここで冒頭部の歌詞が意味を成してくる。
「あと1マイル」、、、そう、まだ逃げ切れてはいないのである。

聴く者に散々陽気な世界をイメージさせておきながら、ここからの歌詞は灼熱の砂漠を命からがら逃げきろうとする悪党の姿を映し出す。

「地獄のララバイ」「Hell Angels」など、次々と飛び出す不吉なキーワード。
こっちからすれば、もう逃げ切ってしまえと願う一心だが、ここで「逃げ切れない」などと弱音を吐く主人公。

しまいには

Oh Lord, please help me!

アリス「逃亡者」歌詞

おい、あと1マイルなんだから死ぬ気で走れよ!
女と酒が待ってるんだろ!!

そんな気持ちで聴いてしまう後半の歌詞。恐るべし、「逃亡者」である。

主人公がメキシコに逃げ切れたのかどうか、それは分からないままに。。。

まるで「明日に向かって撃て!」のラストシーンのように・・・

ちなみに、この曲のどこにも主人公が「悪党」である明確な記述はないことを申し添えておくとしよう。

関連する投稿


ザ・ビートルズ来日60周年!原宿でポップ・アップ・ストア開催&当時の来日記念レコードがCD等で復刻

ザ・ビートルズ来日60周年!原宿でポップ・アップ・ストア開催&当時の来日記念レコードがCD等で復刻

ユニバーサル ミュージック合同会社は、ザ・ビートルズの来日60周年を記念した特別企画を発表しました。東京・原宿の「UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU」にて期間限定のポップ・アップ・ストアを開催するほか、1966年当時の来日記念盤として発売された名盤を復刻し、発売します。


タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

神奈川県民ホールは、音楽イベント「KANAGAWA ロックサーキット」の第3弾として「タブレット純 フォークを語る~伝説のレーベル『エレックレコード』トーク&上映会~」を2026年1月23日にイオンシネマ座間にて開催します。昭和歌謡の伝道者・タブレット純氏とMUSIC LIFE CLUBの井口吾郎氏が、吉田拓郎、海援隊などを輩出したエレックレコードの知られざるアートと音楽カルチャーの軌跡を解き明かします。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


デビュー55周年の南こうせつ「愛こそすべて」のMV公開&「東京フォークジャンボリー in 野音 ~日比谷野音 The Final~」開催決定!

デビュー55周年の南こうせつ「愛こそすべて」のMV公開&「東京フォークジャンボリー in 野音 ~日比谷野音 The Final~」開催決定!

6月2日にリリースしたシングル曲「愛こそすべて」のMVを公開した。また10月1日より使用休止期間に入る東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)のクロージングイベントが9月に開催される。その第1弾が発表され、南こうせつの「東京フォークジャンボリー in 野音 」が開催されることが明らかになった。


最新の投稿


国産カセットテープ60周年!「カセットの日」全国3都市で開催決定、懐かしの音と文化を体験

国産カセットテープ60周年!「カセットの日」全国3都市で開催決定、懐かしの音と文化を体験

国産カセットテープの生産開始から60周年を記念し、全国3都市で体験型イベント「カセットの日」が開催されます。最新の再生機器での聴き比べやカセットDJイベント、当時のデザインを再現したレプリカテープの販売など、世代を超えてカセットの魅力を再発見できる「TRACE(トレース)」をテーマにした多彩なプログラムをお届けします。


家族で楽しむ「平成レトロ」な夏休み!Keittoで親子が夢中になる体験イベント開催

家族で楽しむ「平成レトロ」な夏休み!Keittoで親子が夢中になる体験イベント開催

大阪府大東市の街「Keitto(ケイット)」にて、8月8日・9日の2日間、親子で楽しめる体験型イベント「Keitto 夏休み FAMILY LAB.」が開催されます。スーパーファミコン体験や平成レトロ展、オリジナルワークショップなど、親世代には懐かしく、子どもには新しい平成カルチャーに触れられるコンテンツが盛りだくさんです。


福島県初開催!「紙の魔術師」太田隆司のペーパーアート展が郡山市歴史情報博物館で開幕

福島県初開催!「紙の魔術師」太田隆司のペーパーアート展が郡山市歴史情報博物館で開幕

郡山市歴史情報博物館にて、ペーパーアーティスト・太田隆司の企画展「懐かしい風景の記憶―太田隆司ペーパーアートの世界in郡山」が開催されます。福島県初となる本展では、郡山駅前をテーマにした新作が初公開されるほか、作業工程の紹介や多彩なイベントも実施。17センチの奥行きに表現されたノスタルジックな風景をお楽しみください。


「桃太郎電鉄」がじゅうじゅうカルビにやってきた!食べ放題で限定ノベルティがもらえるコラボ開始

「桃太郎電鉄」がじゅうじゅうカルビにやってきた!食べ放題で限定ノベルティがもらえるコラボ開始

焼肉食べ放題「じゅうじゅうカルビ」にて、7月23日より「桃太郎電鉄」とのコラボキャンペーンが開催されます。対象コースを注文すると、先着でオリジナルランチョンマットやアクリルキーホルダーがプレゼントされるほか、抽選で最新ゲームソフトが当たるXキャンペーンや、キャラクターとの記念撮影ができる大型パネル設置も実施されます。


『寄生獣』『宝石の国』集結!「アフタヌーン40周年展」が開幕

『寄生獣』『宝石の国』集結!「アフタヌーン40周年展」が開幕

講談社の月刊漫画誌「アフタヌーン」の創刊40周年を記念した「アフタヌーン40周年展」が、7月10日から東京・池袋のサンシャインシティで開幕した。『寄生獣』『宝石の国』『メダリスト』など82作品・250点を超える貴重な原画を展示するほか、17カ所のフォトスポットや作家から寄せられた描き下ろしイラスト、限定グッズも登場。昭和・平成・令和と漫画界を彩ってきた名作の軌跡を体感できる大型展覧会となっている。