Grand Funk Railroad
70年代初頭~中期にかけて、当時レッドツェッペリンをはじめとするブリティッシュ・ハードロック全盛期に、アメリカで対抗できた唯一と言ってもよいハードロック・バンドがグランド・ファンク・レイルロード、後のグランド・ファンクでした。
メンバー構成は、
マーク・ファーナー(Mark Farner)/ギター・ヴォーカル
ドン・ブリューワー(Don Brewer)/ドラムス、ヴォーカル
メル・サッチャー(Mel Schacher)/ベース・ギター
の3人です。
 
  	Grand Funk Railroad
前身は「テリー・ナイト・アンド・ザ・パック」というバンドで、メンバーはドン・ブリューワー、マーク・ファーナーにテリー・ナイトでした。
テリー・ナイトは、グランド・ファンク・レイルロードのファースト・アルバムから5作目の「戦争をやめよう」までをプロデュースしています。
On Time
「Grand Trunk Western Railroad 」というアメリカの鉄道会社をもじってバンド名にしたグランド・ファンク・レイルロードは、1969年にアルバム「グランド・ファンク・レイルロード登場 」でデビューします。
ファースト・シングル「タイム・マシーン」は全米Top 50に入るまずまずのヒットとなっています。
続いてシングルカットされた「ハートブレイカー」は今ではロック・バラードのアンセムとなっており日本でも人気があります。
 
  	グランド・ファンク・レイルロード登場
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そして「ハートブレイカー」ですが、確かにいい曲です。
因みに、井上陽水がこの曲のコード進行を使って「傘がない」を書いたのは有名は話です。
Grand Funk
 
  	Grand Funk
1969年の「グランド・ファンク・レイルロード登場 」以降、「グランド・ファンク(1969年)」、「クローサー・トゥ・ホーム(1970年)」、「サバイバル(1971年)」、「戦争をやめよう(1971年)」と順調にアルバムを発表しています。
セールス的にも申し分なく、特に70年代に入ってから発売された3枚のアルバムは、いづれも全米TOP10に入る大ヒットとなっています。
ここまでがグランド・ファンク・レイルロード名義で、これからバンド名をグランド・ファンクに変えて活動することになります。
心機一転ということでしょうか、バンド名を変えプロデューサーも変わり音楽性はよりポップなものになっていきます。
また、キーボーディストがメンバーに加わることになります。
Phoenix
1972年発売の「不死鳥 」は初のセルフ・プロデュース作品であり、本作よりグランド・ファンク名義となっています。
グランド・ファンク・レイルロードから通算6枚目のアルバムでキーボーディストのクレイグ・フロストが参加しています。
クレイグ・フロストは次作より正式メンバーとなります。
 
  	不死鳥
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We're an American Band
トッド・ラングレンがプロデュースた1973年発売のアルバム「アメリカン・バンド」はグランド・ファンクの代表作です。
シングル・カットされた「アメリカン・バンド」は全米1位、アルバムも全米2位の大ヒットとなっています。
オリジナル・リリース時の注意書きには「フル・ボリュームでお聞き下さい」と書かれてありました。
ユーモアとは言え、こんなところにも当時のグランド・ファンクの自信のほどが伺えますね。
 
  	アメリカン・バンド
Amazon.co.jp: We're An American Band: グランド・ファンク: 音楽
Shinin' On
1974年リリースの8作目(ライブを入れると9作目)のアルバム「輝くグランド・ファンク」です。前作に引き続きプロデュースはトッド・ラングレンが担当しています。
内容的には前作のポップ路線を継承しており、キング&ゴフィンの曲「ロコ・モーション(オリジナルは1962年発売)」のカヴァーが全米1位の大ヒットになりました。
ところでオリジナル・アルバムのジャケットは、ジャケットのセルロイドのメガネ(星形の部分)が取れるようになっており、ジャケットをそれで見ると立体的に見えるという「世界初の3Dジャケ」でした。
 
  	輝くグランド・ファンク
内容的には前作を踏襲したストレートなハードロックで、もっともバンドが波に乗っていたときの作品といえるでしょう。
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All the Girls in the World Beware!!!
1974年発売のアルバム「ハード・ロック野郎 (世界の女は御用心)」ですが、先ず注目なのがジャケットです。ポーズを取ったボディ・ビルダーの頭部にメンバーの顔写真が貼られていますが、このボディ・ビルダー、実はアーノルド・シュワルツェネッガーやフランコ・コロンボたちだそうですよ。古くからの友人だそうですが、面白いですね。
シングル・カットされた「オー・ワンダフル」が全米3位、「バッド・タイム」が全米4位となり、アルバムも全米10位となっています。
 
  	ハード・ロック野郎 (世界の女は御用心)
「ポップ色が強くなった仕上がり」と言う評価はありますが、何気なく実験的な8曲目「GOOD&EVIL」なんてのもボツにせず収録しているので、決してポップ路線に変更したわけではない事が理解出来
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Born to Die
実は、グランド・ファンクは2枚組のライブアルバム「グランド・ファンク・ツアー ’75(Caught in the Act)」を発売したことでレコード会社との契約終了と考え解散するつもりだったそうです。
しかし、新作を入れたアルバムでないと契約は満たされないということで制作されることになったのが、1976年発売の本作「驚異の暴走列車」です。
サウンド的には前作の延長線上にあるハードロックにポップスを加えた多様な曲が収められています。が、セールス的には残念ながら全米47位という結果に終わっています。
 
  	驚異の暴走列車
「サリー」はヒットしてもおかしくない本当に良い曲です。しかし、本人達に意欲のようなものが既になくなっていたのでしょう。当時のユーザーもそれを感じ取っていたのかもしれません。満身創痍、そんな言葉が過ります。
残念ながらグランド・ファンクは解散への道を歩むことになります。
既に解散状態のグランド・ファンクでしたが、そんなグランド・ファンクに興味を持ったフランク・ザッパが1976年にプロデュースしてもう一枚アルバム「熱い激突」制作しています。
が、セールスも振るわずグランド・ファンクはアルバムの発売直後に正式に解散してしまいます。
その後、再結成と解散を繰り返しながらも現在もグランド・ファンクは活動しているという事実にアメリカン・ロックの真髄を見る思いです。
 
     
    




