榊莫山ことバクザン先生!よかいちのCMで有名に!

バクザン先生こと榊莫山(さかき ばくざん)!
90年代中期に放送されていた宝酒造のCMでは、本人による「莫山先生のバクザン発言」「(よかいちの)米焼酎、これしかないわ!」「鬼平もあるわ!」「よかいち、よかいち、綺麗な味や。」などの印象的な発言が話題となった。
特に「(よかいちの)米焼酎、これしかないわ!」の直後に「鬼平もあるわ!」と痛快に言い切った点に、「あるんか~い」と多くの視聴者が突っ込んだことだろう。
宝酒造の各銘柄の書画ラベルの筆を執ったバクザン先生。同社のウェブサイトによるとご本人もよかいちの味を好むなど、CMでの発言は本音だと推測される。
銘柄は、米・麦・芋焼酎「よかいち」や麦焼酎「おにへい」、全量芋焼酎「一刻者」、本格麦焼酎「知心剣」、清酒「松竹梅『天』」など。
ご本人の発言の通り、米焼酎よかいちがお好みのようだが、wikipediaには「本人は酒は一滴も飲めない」との記載があり、真相解明が待たれる。

書の大家・榊莫山みずから筆を執った書「よかいち」

清酒「松竹梅・天」も!
バクザン先生ってどんな人?
本名は榊 齊(さかき はじむ)。
1926年2月1日生まれ。京都府出身。日本の書家・作家・元教諭。
関西弁のほのぼのした口調が特徴的だった。

笑顔が優しいバクザン先生

ここでも笑顔!
書家・榊莫山さん死去…書と詩・画一体、飄々人生 - 人の土俵で褌を取る

宝酒造のCM出演時の画像
数多くテレビ番組の題字も手掛けた!
バクザン先生の書は、テレビ番組でも目にする機会が多かった。
NHK朝の連続テレビ小説では「春よ、来い」と「甘辛しゃん」の題字を手掛けている。
ちなみに、バクザン先生は「甘辛しゃん」の本編に葛木役で出演している。
他にも、近畿日本鉄道(近鉄)の提供で1959年から2004年まで45年間放送された番組「真珠の小箱(MBSテレビ)」の題字や1990年に登場した同社の団体専用電車「近鉄20000系電車(通称、楽)」のロゴを書いている。
また、1996年放送のダウンタウン・浜田雅功や反町隆史らなどが出演した日本テレビの連続ドラマ「竜馬におまかせ!」でも題字を担当した。
この起用には、同ドラマ脚本家の三谷幸喜が、当時宝酒造から発売された「よかいち」のCMに出演中のバクザン先生の姿を見て白羽の矢を立てたという経緯がある。

NHK朝の連続テレビ小説「春よ、来い」(1994年~1995年) 題字

NHK朝の連続テレビ小説「甘辛しゃん」(1997年~1998年) 題字

日本テレビ「竜馬におまかせ!」(1996年4月10日~6月26日) 題字
2010年に84歳で死去。最期まで精力的に活動されていた!
2010年10月3日、午前4時13分、急性心不全のため死去した。84歳だった。
晩年は糖尿病や心臓病を患っていたが、毎年のように個展を開催し、精力的に活動していた。
2008年にも大阪で展覧会を開いていた。
妻の美代子さんによると莫山さんは2日夕、三重県伊賀市の自宅で突然倒れ、救急車で病院に運ばれた。告別式は遺言で親族ら約20人が般若心経を唱えて見送ったという。
作家の瀬戸内寂聴さんは「私が出している『寂庵だより』の毎号の表紙絵も、うちの庭石に彫った『寂』の字も、どちらも莫山さんの作品です。書も絵も文章も、ジャンルを超えて何でもできる現代の文人でした」とコメントしている。
また、フジテレビ「笑っていいとも!」に達筆王として出演していた書道家の森大衛さんも、訃報に際し、ブログでコメントしている。
バクザン先生が講師をしていたNHK趣味講座「書道に親しむ」のテキスト(1988年のもの)を改めて見返したそうで、「しっかりとした古典の裏付けのもとに、個性的な創作の道に進まれているのです。昨今のおママゴトロゴ書き屋とは一線を画します。墨や紙などの扱いも秀逸です。」と感銘を受けた様子だった。

NHK趣味講座「書道に親しむ」
当時、バクザン先生の訃報を受け、インターネット上でも様々なお悔やみのコメントが投稿されていた。

小説家、天台宗の尼僧である瀬戸内寂聴(せとうち じゃくちょう)さん

書道家の森 大衛(もり だいえい)さん
90年代中期、CMでのバクザン先生のなんとも愛らしい口調をよくモノマネしていた。
一方、書道家としては名実ともに大家として頂点を極めた人物であった。
もし生前にお会いする機会があったら、色々お話を伺いたかった。
そして、一緒に酒を呑んでみたかった。
もちろん、「よかいち」を。あ、「鬼平」もあったわ!

穏やかな表情が魅力的なバクザン先生!