作品紹介
1980年(昭和55年)8月公開。
ロシアは南下政策により満州、朝鮮半島まで勢力を伸ばしてきていました。危機感を抱いた日本は、イギリス、アメリカ等の支援を受け、自国の何倍もある強大な戦闘力と、世界一の海軍を誇るロシアを相手に戦争を始めるのでした。
戦闘現場と上層部との温度差、死にゆく若き兵隊たち・息子の死に苦悩する軍人を仲代達矢と丹波哲郎が見事に演じています。
そしてロシア文学を愛した1人の青年の愛と純粋さが、戦争という悲惨な出来事によって変貌していくさまを、あおい輝彦と夏目雅子が熱演しています。
エンディングに流れるさだまさしの「防人の詩」は、涙を誘う何とも言えない切なさがあり、映画とのベストマッチとなっています。

明治天皇

出会いと別れ


指揮官

地獄絵図






指揮官の苦悩


陥落

愛する人の死

エンディング

主題歌
さだまさしの「防人の詩」。
愛は死にますか、心は死にますか。。。
聴いているだけでも涙がこみ上げてくるほどいい歌です。
そこに感動的な映画のシーンが重なれば、泣かずにはいられない名曲です。
この映画の大半は戦闘シーンとなっていますが、決して美化されているわけではなく、当時の肉弾戦の凄惨かつ残酷さ、兵士の思い・感情をリアルに、そして見事に描き切っています。
凍死する者がでるほどの酷寒の戦闘現場に対し、ストーブでぬくぬくと暖をとる上層部の参謀たちに児玉源太郎(丹波)が「軍の指導部がこんなところでストーブを囲んでおって、戦争に勝てると思っちょるのかぁ!」と喝を入れるシーン。現場と机上部隊とのあまりにも大きすぎる温度差に怒りさえ感じます。
仲間たちが次々と倒れ、死体の山となっていく中で、兵隊が指揮官に対し発した言葉「わしらは消耗品ですさかいに」は、あまりにも切なすぎるシーンです。
エンディングの乃木大将(仲代)が崩れ落ちるシーンは、これが戦勝国の指揮官の姿かと見誤るほどの一幕でもあります。
単なるドンパチではなく、ダイナミックでありながら、人の心をグッと引き寄せて離さない、熱くこみ上げてくるものを感じさせてくれる映画です。
主な出演者
仲代達也 乃木希典

丹波哲郎 児玉源太郎

三船敏郎 明治天皇

あおい輝彦 小賀武志

夏目雅子 松尾佐知


新沼謙治 木下九市

他にも、森繁久彌、天地茂、野際陽子、神山繁、若林豪、愛川欽也、永島敏行等々の豪華俳優陣が出演しており、重要ポスト・脇役等を見事に演じ、様々なシーンを盛り上げ・引き締めています。
制作エピソード
キャスティングは重要課題
俳優の肉体労働
商売上手
立案から撮影開始までの2年間には、スタッフの様々な苦労があったのですね。
当時としては超高額となった15億円の制作費も、出演している豪華キャスト、セット、その他諸々でギリギリの費用だったそうです。
感動の名作をありがとう。