色あせないデフ・レパードの魅力

色あせないデフ・レパードの魅力

1980年代に、世界中を席巻して多くの音楽ファンを熱狂させたブリティッシュハードロックバンド、デフ・レパード(Def Leppard)。ここでは、そんなデフ・レパードの足跡を1980年代の全盛期から、現代に至るまで、振り返り、今でも色あせない彼らの音楽の魅力に迫っていきたいと思います。


デフ・レパード草創期

デフ・レパードは、まず遠く遡ること1977年、まだ当時ハイスクールの学生だったベースのリック・サヴェージ を中心に、ギターとドラムを加えた3ピースバンド、「アトミックマス」がその母体となって産声を上げます。
その後、後にデフ・レパードの看板でヴォーカルとなるジョー・エリオットが当初はギタリストとしてバンドにスカウトされ、その後にヴォーカリストとして加入しました。

翌1978年には、後のデフ・レパード黄金期のギタリストとして活躍したスティーヴ・クラークも加入。
その後に、オリジナルメンバーのドラム担当が脱退し、代わりに当時まだ若干15歳だったリック・アレンが新ドラマーとして加入。

その年の後半には、バンドはフォノグラム社と契約にこぎつけました。

デフ・レパード勃興期

こうして、デフ・レパードは遂に、1980年3月14日に1stアルバム『On Through the Night』でデビューを果たします。このデビューアルバムは、全英チャートで最高位15位という好発進をしています。

この後、2ndアルバムをリリースした後、オリジナルメンバーだったギターのピート・ウィリスが飲酒問題でバンドを解雇されます。
その後任のギタリストとして加入したのが、ガールにいたフィル・コリンです。

こうして最強の布陣が揃った矢先の1983年1月のリリースされたのが3rdアルバムとなる『Pyromania』だったのです。

Pyromania

Pyromania

文字通り、デフ・レパードの出世作となった3rdアルバム。
この年の年末までに、全米で600万枚ものセールスを叩き出し、あのマイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ最高位2位を記録しました。
まさに「デフ・レパードはじまったな!」と世界中に知らしめたメモリアルなアルバム。

【収録曲】
1. Rock Rock (Till You Drop)
2. Photograph
3. Stagefright
4. Too Late For Love
5. Die Hard The Hunter
6. Foolin'
7. Rock Of Ages
8. Comin' Under Fire
9. Action! Not Words
10. Billy's Got A Gun

デフ・レパード絶頂期

3rdアルバム『Pyromana』が、全米でダイアモンドディスクに認定されるほどメガヒットを飛ばし、押しも押されぬハードロック/ヘヴィメタルの旗手としてスターダムに駆け上ったデフ・レパードは、その後、1984年2月より、バンドの拠点を、アイルランドのダブリンへ移します。

まさにバンドとして乗りに乗って、次なるアルバムの制作に取り掛かっていたその年の暮れに、ドラマーのリック・アレンが、大きな交通事故を起こしてしまいます。
幸い一命はとり止めましたが、彼はドラマーとしては致命的な左腕を全て切断するという処置となりました。
リックはバンドを去ろうと思いつめましたが、他のメンバーは「リック以外にデフ・レパードのドラマーなんて考えられない」と、リックの代わりを探そうともしませんでした。
こうした逸話に心を動かされたシモンズ社は、右腕だけでも演奏が可能なリック専用のカスタマイズしたエレクトリックドラムセットを開発、それからリックはリハビリトレーニングを開始し、1986年、ドニントンで行われたモンスターズオブロックで、デフ・レパードは久しぶりに感動的なカンバックライブを行い大盛況を博しました。

こうして迎えた1987年8月に、満を持して完成した4thアルバム『Hysteria』をリリースします。

Hysteria

アルバムチャート:全米1位 全英1位

Hysteria

デフ・レパードの代表作ともいえる4thアルバム『Hysteria』は、全米でのセールスは出足こそ前作『Pyromania』より遅かったものの、ジワジワと売れ始め、ずっと長期にわたってアルバムチャート上位に居座り、アルバムリリースから約1年後の1988年7月には、遂に全米アルバムチャート1位を獲得しました。
その後もロングセラーとして売れ続け、結局全米チャートには、3年間もの長きにわたりチャートイン、最終的には、全米だけでも1200万枚、全世界では、2000万枚以上のセールスを記録するという超メガヒットアルバムとなりました。

【収録曲】
1. Women
2. Rocket
3. Animal
4. Love Bites
5. Pour Some Sugar On Me
6. Armageddon It
7. Gods Of War
8. Don't Shoot Shotgun
9. Run Riot
10. Hysteria
11. Excitable
12. Love And Affection

デフ・レパード円熟期~現在まで

4thアルバム『Hysteria』の全世界的メガヒットで、英国どころか世界を代表するハードロックバンドにまで成長したデフ・レパードでしたが、次なる高みへと向かうための5作目のアルバム作成中であった、1991年1月に、オリジナルメンバーでもあったギターのスティーヴ・クラークが急死するという悲劇に見舞われます。
アルコールと精神安定剤等のドラッグの過剰摂取による死去でした。

しかし、この5作目のアルバム『Adrenalize』のレコーディングにおいては、スティーヴ・クラークに代わる後任ギタリストは入れず、残った全パートのギターは全てもう1人のギタリストであるフィル・コリンが演奏しました。

アルバムチャート:全米1位 全英1位

Adrenalize

世界的な超メガヒットを記録した『Hysteria』の後で、更なる高みを目指して作成された5枚目のスタジオアルバムがこの『Adrenalize』。
アルバム制作中に、オリジナルメンバーのギタリスト・スティーヴ・クラークを急死で失うというアクシデントを乗り越えて完成したアルバムです。

『Adrenalize』は、評論家たちからはかなり酷評を受けましたが、結果的には、全米はじめ全英ほか全世界26か国で1位を獲得。
累計でも700万枚以上のセールスを記録しました。

【収録曲】
1. Let's Get Rocked
2. Heaven Is
3. Make Love Like A Man
4. Tonight
5. White Lightning
6. Stand Up (Kick Love Into Motion)
7. Personal Property
8. Have You Ever Needed Someone So Bad
9. I Wanna Touch U
10. Tear It Down

『Adrenalize』を発表した後に、亡くなったスティーヴ・クラークの後任のギタリストとして、ヴィヴィアン・キャンベルが正式にデフ・レパードに加入しました。
ヴィヴィアンは、ディオやホワイトスネイクのギタリストとしてキャリアを積んできたハードロック/ヘヴィメタルの世界では誰でも知っている有名なギタリストでした。

それ以降もデフ・レパードは精力的に、音楽制作活動やライブ、コンサート活動を続け、1999年4月には、7thアルバムとなる『Euphoria』をリリース。
先行シングルとなる『Promises』が世界中で大ヒットし、その健在ぶりをアピールしました。

Euphoria

アルバムチャート:全米11位 全英11位

Euphoria

クラーク追悼盤となった5枚目の『Adrenalize』以来、セールス的に振るわず、イマイチパッとしない状態が続いて、「もうデフ・レパードはダメになった」とかいう辛辣な世評の時期が続いた1999年。
こういうネガティヴな酷評を吹き飛ばしたのが、この7thアルバムの『Euphoria』でした。

まだまだ、デフ・レパード健在!!を大いにアピールした仕上がりになっています。

【収録曲】
1. Demolition Man
2. Promises
3. Back In Your Face
4. Goodbye
5. All Night
6. Paper Sun
7. It's Only Love
8. 21st Century Sh La La La Girl
9. To Be Alive
10. Disintegrate
11. Guilty
12. Day After Day
13. Kings Of Oblivion

様々なメンバーのアクシデントや死去など、多くの紆余曲折を乗り越えて今なおデフ・レパードは、精力的にバンドとして活動を続けています。

1980年代という世界の音楽シーンにおいて最も煌びやかであった時代に、ピークに上り詰め、今もなお輝きを失わず色あせない彼らの音楽は、今後も世界中のファンから愛され続けることでしょう。

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。


キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

人気アニメ『キン肉マン』の「完璧超人始祖編」の名言・名場面を題材にした英会話学習書『キン肉マン超人英会話』が、2025年11月29日(土)にKADOKAWAより発売されます。超人たちの熱い言葉を通じて、楽しみながら実用的な英語表現をインプットできます。TOEIC満点保持者やプロレスキャスターなど、豪華プロ集団が監修・翻訳を担当した、ファン必携の英語学習本です。


【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。